HAWAIIAN6『KEEP STICKING』ライブレポート

日本のメロデイックパンク界隈を代表するバンドHAWAIIAN6。

HAWAIIAN6・ハワイアンは毎年10月頃に新木場STUDIO COASTで自主企画イベントであるECHOESを開催しているが、そんな中新しく始めたイベントがこのKEEP STICKINGである。

 

音楽の異種格闘技戦と銘打ち、記念すべき第1回目となる今回は恵比寿リキッドルームで行われ、BRAHMAN・kamomekamome・UVERworldをゲストに呼び開催された。

 

このゲスト陣の中で一際目を引くのは、やはりUVERworldであろう。

まさかHAWAIIAN6がUVERworldを呼ぶとは誰もが思わず、かつUVERworldもこの数週間後にはアリーナ公演・さらに来月には東京ドーム2days(うち1日は男性限定ライブ。ちなみにもう両日ソールドアウトしている)を行うこともあり、発表時は大きな話題をさらった。

今回のイベントは先行も抽選もなく、一般発売しかなく、5分程度でソールドアウトし、プレミアムチケットと化した本イベントのライブレポートをしていく。

 

BRAHMAN

恵比寿リキッドルーム(以下リキッドルーム)に1度でも入ったことがある人ならば分かるはずであるが、リキッドルームはステージに暗幕が引かれているため、複数のアーティストが出るイベントで、かつタイムテーブルなども公開されていない状況では最初に誰が出てくるか分からない仕様となっている。

 

誰もが最初に誰がやるのかワクワクしている中、客電が落ちると一際特徴的なSEが流れる。

そのSEだけで会場が大きくざわつきつつ、そしてすぐに多くの人が手を合わせ上に掲げ始め、そのバンドの始まりを待つ。

 

そう、トップバッターは、まさかのBRAHMANである。

暗幕が開かれると同時にThe Voidからライブが始まると、いきなりとてつもない量のダイバーが発生する。

そのまま雷同やSpeculation、賽の河原やDouble-blind DocumentやCircle Back・BEYOND THE MOUNTAIN等の定番曲を立て続けに披露し、トップバッターのBRAHMANだけで200人以上のダイバーが出ていたように見えた。

不倶戴天では、ギターソロの前にライブハウスの遊び方を教えてやれ!とボーカルのTOSHI-LOWが絶叫し、最後はピースサインをし、PEACE!と叫び平和を願うハードコアのマインドが大きく表れていた。

 

その後の警醒ではついにTOSHI-LOWが客席にダイブすると、待ってましたと言わんばかりのダイバーが立て続けにTOSHI-LOW目掛け向かっていき、それを払い除け、向かってくる者はヘッドロック・あるいはマイクを持った右手でダイバーをゴン!(ご想像にお任せします)して沈めていくその姿は変わらず鬼だった。

鼎の問の後、MCが始まった。
以下、正確ではないがこの日のMCである。

 

ライブをやっている最中にわかったことがあって、体調、コンディションが悪い。
それはなんでかというと、ココ最近寒くなったからっていうのかな?1つ歳を取ったからかな?細美武士が結婚したから・・・でもなく、今やってるOAUのツアーとの寒暖差が凄い。と。
それこそ、昨日までバーみたいなところでポロロンと鳴らしてたら今日どうだ?地獄だろ。

でも本当に1回断った。OAUでツアーやってるから無理だと。
ただそれでもはっちゃんから、トシローどうしても出てほしいんだと言われ、その時にECHOESに初めて誘われた時を思い出したんだ。

ECHOESの誘いの電話がかかってきた時もこうして助けてくれ、手伝ってくれっていう電話で、理由を聞くとパンクス・スキンズ・ハードコア・サイコビリーその他細々分けて見るとそれぞれが少しづつ仲が悪くて、少しづつ壁を作ってる。

そういうのを取っ払って、壁を無くせばもっとこのシーンが面白くなると思うんだ。だから出てくれ。っていう電話と同じような内容の電話貰ったらさ、そりゃ男として出ないやついねぇだろ?

今こうして隣の国同士が喧嘩してる中で、日本と台湾と韓国のバンドでツアーをやってて、本当にさっき飛行機で着いて急遽ここに来てくれました。

という流れからステージに現れたのは、なんと今MONOEYESと韓国のTHORNAPPLEとFar East Unionという企画を3カ国で行っている最中の、台湾の英雄ことFire EX.だ。

台湾のデモで大学生が占拠をした。その後押しとして、世界平和を謳った歌を一緒に作りました。というMCから、先日BRAHMANとFire EX.が共同で作った兼愛非攻をプレイする。

 

Fire EXがステージから去った後、台湾のバンドが出てくれたんだから、日本のバンドも出てくれるよねぇ?とファンならおぉっ!とならざるを得ない呼び掛けをすると、仲間の歌Placeboと曲を紹介すると、袖からMONOEYESの細美武士が登場する。

もう一曲歌ってってよと言った後、細美武士はBRAHMANを2ヶ月も見れなくて寂しかったぜ。とBRAHMANへの愛を一言で語り、今夜を共に歌う。

今夜が終わりステージから細美武士が去る時、結婚しても遊んでねと言ってハグを交わし、この2人は本当にお互いが大好きなのだと改めて実感させられた。

 

しかしこれで終わらない。

迷わない唯一の方法は迷い続けること、失わない唯一の方法は失い続けること、バンドを辞めない唯一の方法は、やめないこと。と語り、The Only Wayをプレイし、壮絶なラストを迎えた。

 

まさかのサプライズのオンパレードで会場を大いに沸かせ、この後出てくるバンドにとてつもないプレッシャーを与え去っていったBRAHMAN。

ただ、ライブが終わった後時間を見てみると、50分近くライブをしており、めっちゃ長くやったなぁと思っていたのだが、この時にはこれがどれだけ押していたかというのは知らず、かつそれが意外な人物の口から聞けるとは思わなかった。

kamomekamome

2番手に登場したのは、レーベルメイトである千葉県柏市を代表するハードコアバンドのkamomekamome。

ナイーブレターズからライブが始まると、先程のBRAHMANとは違うハードコア界隈ならではのモッシュと、BRAHMANの時には起こらなかったステージダイブも発生していた。

個人的な話だが、たまたま見ていた場所の近くにおそらくUVERworldのファンであろう子がそのステージダイブを見て唖然とした表情を浮かべていたのが頭から離れない。

 

しかしMCではボーカル向氏の人柄がよく出ていると言わんばかりに、客席にビビった?と問いかけた後、大丈夫俺らの方がビビってるから。といった事や、最前で待っているUVERworld待ちのファンにむしろ俺らを愛でてよ等、とにかく先ほどまであんな激しく叫んでた人と同一人物なの・・・?とkamomekamomeを知らないファンからすれば驚くほど、そのフレンドリーなMCのギャップの差にやられた人も多いのでは?

ただ、こうして呼ばれたからには、バンドとしてやらないわけにはいかないでしょ?と気合が込もった言葉を聞いたら、こちらのテンションも上がらないわけがない。

 

kamomekamomeの楽曲はジャパニーズハードコアではあるが、ボーカル向氏の艶っぽい歌声と、その不思議な歌詞の世界観が合わさると、まるで大正時代の文学作品かのような印象を受ける楽曲が多いのが特徴だ。

 

中盤に披露されたゲルバトルや事切れ手毬歌はまさにその艶っぽいけどハードコアならではの激しさも入り混じった、kamomekamomeを代表するかのような楽曲であり、激しいけれどじっくり聞いていたくもなるのが特徴的だ。

 

その後のMCでは、kamomekamomeはこの中では唯一仕事もしながらバンドをしている立場であるからこそ語った、皆も明日から会社や学校とかがあって、俺らも音楽じゃない生活がある。でもこういう非日常があるから日常をやっていけるんだよな。という話は多くの人の胸を打ったはずだ。

 

そしてもう少しで終わりだけど、柏シティハードコアを代表する俺らなのに、お茶の一杯も出せないんじゃ申し訳ない。だからステージ土足で上がってきていいぞ。と煽ると、メドゥーサ・エクスキューズミー・手を振る人の3曲を立て続けに演奏し、とてつもない勢いでダイバーがステージに我先にと登り上がり、次々ステージダイブをかましていく光景はまさに圧巻の一言だった。

また、手を振る人の最中、ふとステージ袖を見てみると先程まで熱演をしていたBRAHMANのTOSHI-LOWが白のGAUZEのTシャツに着替え、袖から思いっきり熱唱している姿がとても印象的だった。

 

おそらく今日の出演陣の中で最もアンダーグラウンドでやっているバンドであり、実際最初の方は少し抑え目に見ている人も多かったが、ライブが終わった時にはステージ前方はパンパンとなり、かつkamomekamomeカッコイイ!と言っている人も多く、短い出演時間の中で強烈な爪痕を残したのは間違いないはずだ。

UVERworld

今日の出演陣の中で最も知名度はある、けれど最もアウェーという不思議な状態でついにUVERworldのステージが来た。

ステージの暗幕が開くと、それまでなかったスクリーンが後ろに掛かっており、かつスクリーンではカウントダウンが始まっていた。

0になった瞬間客電が落ち、スクリーンには映像が映し出され、UVERworld SPECIAL LIVE 2019と本日のライブが紹介されると、メンバーが1人ずつステージに上がっていき、最後にTAKUYA∞が登場すると、Touch offからライブがスタートする。

 

ちなみに、ボーカルTAKUYA∞氏の公式Instagramに上がっているのだが、このステージに登場する直前までリキッドルームの上のフロアで行われていたこのライブとは全く関係の無いアパレルブランド『rurumu:』の展示会を細美武士とTOSHI-LOWの2人と見ていて、ちょっと財布取ってきますと言ってからダッシュでステージまで向かい、そしてドンピシャのタイミングで登場した演出は会場内にいたため分からなかったので、まさかあんなカッコイイ登場の仕方の前にこんな事をしていたなんて夢にも思わなかったというのを追記しておく。

 

当初はUVERworldを知らないファンも多く、少しアウェー感も否めなかったが、スクリーンには映像と歌詞を流し、初めて見る人にもどんな事を歌っているかが一目で分かる仕様となっており、知らなくても共に歌える映像の使い方はまさにUVERworldならではだと思わざるを得なかった。

PRAYING RUNからはダイバーが発生し始め、それがきっかけとなり次々とダイバーがTAKUYA∞目掛け飛んでいき、TAKUYA∞もまたダイバー達とグータッチを交わし、普段のUVERworldのライブでは中々行われないであろうノリが繰り広げられる。

MCでも今日呼ばれたことにファンはもちろんだけど俺らの方が驚いてる。でも、こういうチャンスがあるからこそ初めての人にもUVERworldを見てくれる。と喜びつつも、確かにレジェンドばっかりだけど、今日BRAHMANもkamomekamomeもHAWAIIAN6もかっこよかった、けど1番UVERworldのライブが頭から離れねぇ!とフロアに向けて叫ぶTAKUYA∞は、本当に今日この日がどれだけ大切な日なのかというのがUVERのファンでなくとも伝わってきた。

 

UVERworldを知ってるやつらが知らないやつらを連れてってやってくれよ!とUVERのファンに向けて煽ると、IMPACTでは率先してダイブをし、それに触発されるかの如くHAWAIIAN6やBRAHMAN、kamomekamomeやIKKI NOT DEADなどのTシャツを着た人たちも立て続けにダイブをしていき、会場の熱が上がっていき、どんどん一つになっていき、度々言われている壁がなくなっていく様をこの目で見ているという実感があった。

 

MCでは改めてこのイベントに出れていることへの嬉しさをしっかり言葉にし、初めてダイブしたのが滋賀ハックルベリーで見たBRAHMANのライブで、その時に奥歯を折ったけど、それは直さず今もそのままだと語った。

kamomekamomeも、ヌンチャクの頃から好きでコピーバンドもしていたと語り、TAKUYA∞とギターの彰が昔、クリスマスの時期にくつ下の中にお菓子を詰めるバイトをしていた時、持ってきたウォークマンのイヤホンを片方ずつで聞いていた時に聞いてたアルバムを彰言ってやれ!と言いTAKUYA∞が彰にマイクを向けると、HAWAIIAN6のSOULSです。と言うと、会場は一気に沸く。

 

だから今日こうしてここにレジェンド達と一緒に立ててることが本当に嬉しいと語っていたが、残り時間があと3分しかないということを伝える。

ただその後いいよな?だってBRAHMANなんて25分押してたから。と、長くやっていたなーとは思っていたが、まさかここまで押しているとは誰も思わなかったであろう。

ちなみにステージ袖でジッとTOSHI-LOWが見ており、志村後ろ後ろー!状態となっていた事も追記しておく。

 

最後の在るべき形では、これまでで一番のダイバーが発生し、前方の方ではダイブ渋滞が起こるほど、最初のアウェー感が完全になくなり、完全にこの空気をものにしUVERworldというバンドがどういうバンドなのかを分からせるには、十分過ぎる時間だった。

最後にTAKUYA∞はステージを去る前に、ダイブで奥歯折れてもそのままにしとけよー。いつか本人に言うかもしれないからなー。と言い、自分の体験談をそのままファンもやってほしいという想いを伝えて去っていった。

 

UVERworld自身、こんなにアウェーな空気感でライブをやるというのも近年ではあまりなかったはずであろう。

実際、最初はアウェー感はあったが、見事にそれを跳ね除け、最後は本当に全員が歓声を上げていた。

それはただ単に場数を踏んできたということや、様々なステージやフェス、はたまた海外でライブを行ってきたこと等もちろんあるが、何よりも彼らがバンドマンとしてあり続けていたからこそ、こうしてパンクやハードコアのファンがたくさんいる現場でも跳ね返し、何よりもUVERworldそのものが受け入れられた。

この日のUVERworldはまさに、バンドマン、いやロックバンドとしての在るべき形を見せてくれた。

HAWAIIAN6

さぁいよいよこの日のラストであり主催者のHAWAIIAN6の登場だ。

 

お馴染みのSEであるAbbaのDancing Queenから大歓声で迎えられ、よぉよぉよぉ恵比寿!とドラムのHATANOが声を上げると、フロアは一気に興奮の最高潮へ。

4番手HAWAIIAN6始めます!から、THE LIGHTNINGでライブをスタートさせると、1曲目から待ちに待ったファンが次々とダイブをしていく。

そのままBleedやHazeといった近年出された曲から、普段は終盤に演奏されることが多いI BELIEVEを4曲目に持ってくる事に驚くファンも多くいた。

 

また、これは個人的に、ステージを見ていて思ったことなのだが、淡々と歌うボーカルギターのYUTAや正確にリズムを刻んでいくHATANOと対照的に、この日はベースのGUREがものすごく気合が入っているように見えた。

いつもなら演奏中に笑顔を見せることも多いが、この日は笑顔がほぼなかったと言っていいほど、鬼気迫る表情で演奏をし、客席を煽っていた。

それはやはり、前に登場していた3バンドに触発されたというのはもちろんではあるが、何よりもこんな誰が見てもとんでもないイベントを企画してしまったからには、下手なライブをやるわけにはならないというプレッシャーがあったからこそ、プレイに出ているのであろう。

実際MCでHATANOも、今日この4バンドでやりたくて、こうしてやってみてわかってたけど、とんでもないイベントを企画しちまったなぁと。だから自分たちに1番プレッシャーがかかってる。とも話していた。

そして、今回の売り方である一般販売でしか売らなかった売り方についても語り、別にどのお客さんが多い少ないは関係ないと語り、バンド側も売り方はどう・何バンド目か・持ち時間何分だということを聞いてくるバンドは誰もいなかったと語り、弱っちいやつはここに1人もいねぇんだよ!と今日このイベントに出た仲間たちへの想いとその対応について熱く叫んでいた。

 

ウエスタンチックなイントロから始まるBurn、HAWAIIAN6の代表曲と自身も語っているメロディックパンク界の名曲であるMagic、イントロからどこから湧いてきたんだというほどにダイバーが発生したLight And Shadow・Tiny Soul、愛すべき仲間たちへと今日出演したバンドに送るA Love Song等、この日は先ほどのUVERworldのMCで話題に出たアルバム『SOULS』から多くの楽曲がプレイされており、HAWAIIAN6のファンならばこのセットリストに胸が熱くならないわけがない。

 

今日出てくれたバンドの中で初めて見たバンドいる?それで好きになったバンドいる?とHATANOがMC中に客席に問いかけると、多くの手がフロアに上がり、それを見てそれでいいんだよな。と感慨深げにHATANOは呟いた。

そして今日出てくれたUVERworldについて触れ、オファーした時に東京ドームでワンマン控えてるんでちょっと返事待ってもらっていいですか?と言われ、その前に電話した時にも今ロスにいるんでと言われ、HATANOは東高円寺にあるロサンゼルスというところしか知らないけど、まさかそこにいるわけじゃねぇよなぁと思っていたら、違うロス(ロサンゼルス)だったと語り、客席の笑いを誘う。

また、MCでは滋賀のとあるライブハウスのある店長についてもMCで触れ、その店長が十数年前、信じていた音楽に裏切られるような悲しい出来事に遭い、事務所に来て泣いていた時に滋賀にはUVERworldがいて、あいつらだけは俺を見捨てないでいてくれるから俺も頑張らなきゃいけない。と泣きながら語っていた十数年前の出来事について触れ、そして今日出会うべくして出会ってやれる時が来たことを嬉しく思います。と語るとフロアから温かな拍手に包まれた。

先ほどのMCで言っていたけど俺たちの音楽聞いてよくあんなバンドになったなと笑いながらHATANOも言っていたが、ただ、そんな東京ドームでワンマンやロサンゼルスでライブをやるバンドが俺たちみたいな小ぎれいじゃないバンドとやることを夢みたいですと言ってくれる、ものすごいいいバンドマンがいました。俺たちの大好きなkamomekamome・BRAHMAN・そしてUVERworld。あと目の前にいる夢をかなえてくれたお客さんありがとうございました!と語った後、ここはどうしても書かなければいけない事をHATANOは最後に言った。

 

 

明日、SNSにあげとけ。今日出たヤツらは、ミュージシャンじゃねぇ。バンドマンだかんな!!

 

 

そこからのラストへ加速させるための燃料投下と言わんばかりのEternal Wish,Twinkle Starに突入。

ステージには次々とフロアダイブをするためのダイバーが上がっていき、HATANOのドラムセットのシンバルを叩いてからダイブをしていくこれぞライブハウスさながらという世界観が構築されていく。

朝焼けを感じさせ、ここからまた何かが始まっていくような雰囲気すら感じるBrand New Dawnを経て、最後はライブハウスでまた会おうぜ。約束の歌!とPromiseで大団円を迎える。

しかしあっという間にフロアからはワンモー!(ワンモアのこと)と叫ぶ野太い声が響き続け、再度ステージにメンバーが登場する。

そしてHATANOがMCで、最初に俺たちがインターネットを受け入れられなかったように、新しいものに対してアレルギー的に受け入れられないところもあって、未だにTOSHI-LOWになんで民法のTV出たの?って聞いたら、いやそれも最近はいいかなって。と、少しノスタルジックなMCの後、最初にねじ曲げたことを言ったやつは叩かれる仕組みになっていて、特に最近はそれが顕著になっていて、でもそれを貫いたやつはだからパイオニアなんだよな。と言い、HAWAIIAN6自身相当な道なき道を切り開いてきた、パイオニア的存在であるのは間違いないが、、世の中の空気感に対して語っていたMCではあるが、個人的にはこのMCにはなぜか少し寂しさというものを聞いていた時に感じてしまったのも事実ではある。

しかし、何年後かにまたどこかのライブハウス借りて、この4バンドでやりたいと思います。と、未来への希望を見せてくれるようなMCの後、虹の歌といい、ラストにフロアで数多くのサークルモッシュが発生したRAINBOW,RAINBOWで、第1回目となる本イベントは鮮やかにゴールテープが切られた。

 

 

 

無事に第1回目のスタートが切られ、かつプレミアムチケットになった本イベント。

音楽の異種格闘技戦というだけあって、4バンドそれぞれ色の異なるライブを繰り広げていたが、何よりも良かったのはどのバンドでもその日に出演するバンドのTシャツを着ている人が必ずダイブをしていたことだった。

それこそ、UVERworldでHAWAIIAN6やBRAHMANのTシャツを着ている人がダイブをしているように、kamomekamomeでUVERworldのTシャツを着ている人がステージダイブをかましていた人もいた。

それが本来イベントで最も一番良い状態であるのは間違いないはずであり、バンド側もそうやって混ざることこそ何よりも嬉しいはずであろう。

 

次の第2回目がいつ開催されるのか、また同じ時期にやるのか何年か後にやるのか。

そしてまたこのように、HAWAIIAN6と繋がりとあるの!?と誰もが驚くべきバンドが出てくるのか全くもってわからないが、ただ、こうした音楽の異種格闘技戦の中で見える、バイオレンスとピースに満ちに満ちたフロアをまた見たいと心から願っており、そしてこういうイベントを一人でも多くの人が見れば、絶対にバンドの見方が変わってくるはずだ。