熱中症特別警戒アラートで、野外の夏フェスがなくなる?

2024年5月24日

タイトルに書いてあることだが、そんな大げさなと思うかもしれないが、ただ、ひょっとするともう数年後、どころか、下手をすれば、今年中になるかもしれないが、野外の夏フェスが、出来なくなる可能性が出てきている。

事実、ELLEGARDEN/the HIATUS/MONOEYESのボーカルである細美武士さんは先日、自身のラジオ番組【Hedghog Diaries】にて、リスナーからのメールからの流れでこのことについて少し触れており、春と秋に野外フェスはやるようになって、夏場は室内でクーラーが効いたところでやるようになるんじゃないかな?という発言をしていた。

更に本日5/17には、RIZEのベースであるKenKenさんも、このことについて触れていた。

このように、アーティスト側からも既に不安や懸念の声が出始めているが、実際のところこれは本当にようやく、目に見えて出だした意見の一部であり、目に見えてないだけで主催者(社)・並びに演者、その両方に関わる関係者など、作る側のほとんどは、この不安を抱えているのかもしれない。
むしろ、その不安を抱えていない・感じていないのは、実は参加者側の方かもしれない。

 

何をそんな大々的に、と思うかもしれないが、現にもう、これはこの国が言っていることなのだ。

既にご存じの方も多いかもしれないが、そういった、熱中症になりかねない症状のことをまとめて、熱中症特別警戒アラート、と言うのだ。

そのため今回は、この熱中症警戒アラートについて紹介をしていく。

そして、これで野外の夏フェスがなくなるかもしれないという可能性についても、触れていきたい。

熱中症特別警戒アラートとは?

まず、熱中症警戒アラート、という言葉について、知っている方も多いかもしれないが、改めて、ここに概要を記しておく。

とはいえ、自分の言葉で説明をするよりも、気象庁が公式で発表しているものの方が信ぴょう性が高いため、以下引用させていただくものは、気象庁の青森地方気象台が2021年に発表した熱中症警戒アラートに関する文献であり、その資料の概要を引用させていただく。

 

熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高くなると予測されたときに、危険な暑さへの注意を呼びかけ、熱中症予防行動をとっていただくよう促すための情報です。熱中症警戒アラートの発表は、前日 17 時頃と当日朝5時頃の1日2回行われます。熱中症警戒アラートの発表状況は、気象庁のホームページ1 (図1)や、環境省のホームページ2 で確認することができます。
(引用元:気象庁:あおぞら彩時記2021年 第 3 号 今月の話題① 熱中症警戒アラートより引用)

 

と、概要だけを見れば、割と熱中症に関する、一般的なことと思うかもしれない。
無論、詳細や定義の説明についてもサイト内に記載がされているが、ここではその点についてはそこまでは触れないため、気になった方は上記リンクから読んでいただければと思う。

では、その熱中症警戒アラートでイベントが中止になる、ということについて、以下から触れていきたい。

イベントが中止になるとは?

上に紹介したリンクは、環境省が出している、熱中症予防情報サイトというものであるある。

このサイトには、日本列島内で、熱中症警戒アラートの発表が出された地域、というのがわかるようになっている。
無論、流石にまだ5月ではその発表がなされた県はないが、それでも今後、このサイト内での日本列島の地図に色が塗られるのは、そう遠くない話だと考えており、かつ、夏場には色が塗られない日の方が少なくなるだろうと、今から断言させていただく。

 

このサイト内に、熱中症特別警戒アラート(熱中症特別警戒情報)の概要(キーメッセージ)という項目があるが、その中で、このような記載がされている。

 

また、校長や経営者、イベント主催者等の管理者は、全ての人が熱中症対策を徹底できているか確認し、徹底できていない場合は、運動、外出、イベント等の中止、延期、変更(リモートワークへの変更を含む。)等を判断してください。
(引用元:環境省熱中症予防情報サイト – 熱中症警戒アラート内、熱中症特別警戒アラート(熱中症特別警戒情報)の概要(キーメッセージ)より引用)

 

と、もう環境省側が、熱中症対策を徹底出来ていない場合、イベントなどの中止・延期・変更と謳っているのだ。

なので、冗談抜きで、イベントの中止・延期・変更というのは、あり得ることなのだ。

実際これは起こりうることなのか?

ただ、国が謳っていることを鵜呑みにするのか?と疑ってかかる人もいるかもしれないが、考えてみてほしい。

 

現在、この記事を書いているタイミングは5月。つい先日はゴールデンウイークもあった。その期間中も音楽フェスが日本各地で行われていた。
無論、そこを否定するつもりはもちろんなく、コロナで規制ががっちりなされていた時期から考えれば、ここまで音楽ライブ業界に活気が戻ったことは、素直に一音楽ファンとしては喜ばしい。

 

だが、そこに参加していた人でもそうでなくても、感じているとは思うが、5月とはいえ、もうすでに暑い、と思われている方も多いのではなかろうか?
というより、実際そうなのだ。

 

関東では、もう間もなく30度に差し迫る気温。それどころか、京都では、日中の昼間に30度を越えた、というのも、事実としてある。
大事なことなので2回言うが、まだ今は、5月だ。

5月でさえ30度に差し迫ろうという中で、これからどんどん季節が進めば、当然、気温は今よりもグングンと上がり、30度越えの日が当たり前になる。
というより、30度ですら、まだ涼しい、と思うようになるかもしれない。

 

そうなった時に、ちゃんと対策がなされていないフェスが、果たして開催が出来るのだろうか?

 

これは当たり前、というか、そうなったら完全にフェスの終わりだと思っているが、夏フェスに参加して、熱中症で亡くなった人が出ました、となったら、どのフェスでも一発で終了。というより、今後二度と開催が出来なくなると思っている。

当たり前だが、音楽フェスで死人が出ました、なんてなったら、それこそ報道されるだろう。
仮に報道されなかったとしても、今やインターネット・SNSが発信の主体となっている時代。そんな情報が出たら、あっという間に拡散され、むしろそれがきっかけで報道に繋がることもあるだろう。

そうなったら当然だが、死者が出たフェス、というレッテルが必然的につくことになり、結果、これから先の開催は二度としません、となるのが普通だろう。

 

勿論、経済効果などを考えればやりたいと思うのだろうが、とはいえ、野外フェスに参加して死人が出た、という、最悪の事故が起きたら、その県や町からも煙たがられる存在になるのは、目に見えていることであろうし、もしそうなったとて、また開催しますとなっても、一度ついてしまったそのイメージを払拭することなんて、とてもではないが出来ない。

 

また、死人が出なかったとしても、熱中症に大勢の人がなった際、軽度なものであればまだその場で休めば治るかもしれませんが、重度になった際には、病院の搬送が必須となってくるはずだ。
そうなれば、医療機関からも、あのフェスからかなり熱中症患者が多く出た、と煙たがられるようになるのも、目に見えている。

この煙たがられた実例として、2021年のフジロックが開催された際、開催地である新潟県では、非常に悪いイメージを持たれ、ある病院では受付を断る貼り紙まで出されていた、というのは記憶に新しいだろう。

故に、コロナ禍が終わったとて、何か起これば、音楽・ライブ・フェスはあっという間に世間から見れば、悪、というレッテルをまた貼られる可能性は、大いにあり得るのだ。

 

ただ、そもそも我々は熱中症熱中症、と口に出してよく言うが、熱中症がどれだけやばいものなのかを知らない人も中にはいるかもしれない。

そんな熱中症の例えとして言われているのが、『ゆで卵を生卵に戻すことは出来ないでしょ?熱中症になったら、脳にも同様の事が起きている。』という言葉を聞いた人も多いのではないでしょうか。

そのように、熱中症というのは言うは易しですが、その状態を想像すれば、シャレにならない、とすぐに察知していただけたでしょう。

 

僕はフェスの主催側ではないため、今あげたことは、あくまで考えられることのごく一部ですが、とはいえ、普段そういったイベントに参加する側でも、これだけのリスクが発生するだろうな、と考えられるのです。
なので、主催者側は、より一層深く考えているのは、言うまでもないはず。

なので、そうなる可能性を防ぐのならば、もう7・8・9月には、野外フェスなんてやらない。という選択肢を取った方が賢明であり、これから先、夏の野外で音楽フェスは、やりません。ということを選択する会社や団体が多くなるのも仕方がないというか、それがスタンダードになって然るべきなのでしょう。

 

話は変わり、これは別にdisでもなんでもなく、一音楽ファン・ライブ好きとして言うが、去年、酷暑の時期に開催され、あそこまで熱中症になった・具合が悪くなった、という人が沢山出た【SUMMER SONIC2023】で、死者が出なかったのは、冗談抜きで、不幸中の幸い、としか思えないのです。
なので今年からは、熱中症対策は徹底されるそうですが、それでも、気が抜けないのは間違いないでしょう。

おわりに

というわけで今回は、熱中症警戒アラートによる、野外の夏フェスがなくなる可能性、というものについて言及をさせていただきました。

勿論、この言ったことが全て外れるのが一番素晴らしいですが、とはいえその可能性は、ほぼ、と言っていいほどないでしょう。

なので、野外の夏フェスに今から参加される方は、熱中症対策もそうですが、場合によっては、これが人生最後の夏の野外フェスへの参加になる、という覚悟で参加をしてもいいかもしれません。
脅しではなく、その可能性は大いにあり得るはずなので。

それでは。

生活,音楽

Posted by naishybrid