ELLEGARDEN:Lost & Found レビュー

本日、11/25より、『Amazon Prime Video』にて独占配信となった音楽ドキュメンタリー映画

 

ELLEGARDEN:Lost & Found

 

タイトルにもあるように、2000年代の日本ロックシーンを代表するモンスターバンド『ELLEGARDEN』

そのELLEGARDENの結成から2000年代序盤~後半にかけて、瞬く間にシーンを席巻し、そして人気絶頂の中で突然の活動休止。その後、10年の時を経て再始動。そして現在を描いた2時間にわたるドキュメンタリー映画となっております。

 

すでにご存じの方も多いでしょうが、ELLEGARDENは今年、というよりもう来月になりますが、16年ぶりのニューアルバムのリリースがすでに決定しており、冗談抜きでもういくつ寝るとELLEGARDENの6枚目のアルバムが聞けるという、ファンにとってはこれ以上ない喜びであり、今か今かと一日も早く日々が過ぎ去ることを願っている人も多いことでしょう。

 

そんな中で公開された本ドキュメンタリー映画。

今年、ELLEGARDENはバンド史上初となる地上波での特番が、まさかのNHKで組まれる。加えて、Amazon Music独占配信で、ELLEGARDENのトリビュートアルバムもリリースされるなど、これまで以上に積極的な活動の中で、その集大成とも言える本映画。

早速になりますが、本映画のレビューを今回の記事でもしていきます。

 

なお、当ブログでは完全にネタバレバンバンしていきますので、まだ見ていない方は読むのを一旦ストップし、見終わってから改めて読んでいただければと思います。

まず、本映画の感想を、一言で言うとこれに尽きます。

 

 

こんなもん1億人が見たらその1億人が皆エルレ好きになる映画!

 

アホな感想ですが、これに尽きます。

というか、見てる最中から僕は声を出して叫んでました。

 

ELLEGARDENの結成以前の、楽器に触れていった経緯。どうやって今のバンドメンバーになったかなど、メンバーの口から事細かに語られていき、そこから千葉のライブハウスで活動を始めた経緯、そしてだんだんと人がライブハウスに増えていった経緯などを序盤は事細かに語っているので、メンバーの口から事細かに語り、さらにその当時の貴重な映像も見せながらなので、これまでよく言われてたライブハウスにお客さんが数人しかいなかった、というのもよくわかるシーンとなっています。

 

ただ、そこで絶対に他のバンドと決定的に違うと思ったのが、主にやっていたライブハウスに友達や顔見知りが出来ていったのをあまり喜ばしく思っておらず、更に当時お客さんが入らなかったとしても・周りの他のバンドが友達を集めるためにチケットを手売りするのを絶対にしなかった・チケット代を俺らは絶対に下げなかったなど、とにかく意地の塊というか、バンドとしての絶対の自信があるからこそ、その辺りを妥協してしまう所を絶対に妥協しなかったからこそ、今のELLEGARDENがあるのだと感じられ、だからこそ皆がこんなに心惹かれる存在になっているのだと改めて思い知らされました。

 

そこから1stアルバムをリリースして以降、雪だるま式にどんどんライブに人が増えていき、たちまち人気バンドになっていく中で、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカルの後藤正文さんがゲストとして当時のその様子を語っており、自分たちも同時期に売れた中で、売れるって大変でこんなボロボロになるんだ・・・と疲弊していた中で、隣を見たらさらにボロボロなのに、超高速で走り続けるELLEGARDENがおり、その存在に救われた。と、お互い同じ時期に似たような立場にいたからこそ言える後藤さんならではの当時のELLEGARDEN評は、この映画でしか聞けないものでした。

 

そんな中で活動休止前最後のアルバムとなった『ELEVEN FIRE CRACKERS』のレコーディングの様子やその当時のバンドの空気感を語っており、細美さんの楽曲製作の方法も事細かに語っており、それ故に起こっていたトラブルやすれ違いをかなり詳細に語っており、元々4人のものだったバンドが、少しずつ瓦解していく様子を、4人の口から語っているのは、生々しさすらあり、確かにこれでバンドとして成り立たせるのは難しいと見た誰もが思うことでしょう。

 

ただ、アルバムを作る上で細美さんはもっと過激に・刺激的なものを作っていきたいと話しており、それを持ってライブをすることで見てくれているお客さんにとんでもない体験をしてもらいたいという細美さんの言葉は、当時から今まで一貫しており、存在そのものがまさに刺激的な細美さんだからこそ言える言葉、そして原動力になっているのだと思うと、だから僕達は細美武士という人間に憧れ、あんな風にカッコイイ人間でありたいと思わされのには、こういう考えがあるからなのだろうと思わされました。

というより、細美さんのライブへの考え方は、あのチケット代から考えると、その10倍、いや100倍払ってもいいと、あの映画を観た後では思わされます。

 

そんな中でついにバンドとして限界が訪れ、活動休止の話に至るのですが、正直そこが一番生々しい話です。

その話し続けていた時間だけでなく、メンバーの様子。中でも、ベースの高田(メタル)雄一さんが、その活動休止時の話し合いで気持ち悪くなり、途中退室をしたという話をしていた時に、一見あんな破天荒な言動が目立ちますが、それを聞いて、というより、この映画全体を通して、正直一番人間臭いなと思ったのです。

 

その活動休止時のことを詳細に語り、更にそこからの4人の生活について語る中で、細美さんの元に届いた、本映画でもゲストとして出演されている、矢野顕子さんからの手紙に救われたと話しており、それが自分を救ったと語り、その後の2年で大きく変えようと自分を試みたと話しております。

そのことは口にしておりませんでしたが、その2年で生まれたのが、the HIATUSの1st・2ndアルバムだと思うとなんとも言えない気持ちになりますが、ただ、僕個人としてはこの2枚のアルバムはとても好きであり、むしろ言うと、実はこの2枚のアルバムで、僕は細美武士、という存在を知りました。

なので、その2年で生まれた作品は決して悪いものではない、というのは、一the HIATUSファンとして言いたいところではあります。

 

そんな中で起こった、2011年の東日本大震災で出会った仲間であり、今や細美武士の恋人・・・と公言している、親友のBRAHMAN・OAUのボーカルのTOSHI-LOWさんも、その時の馴れ初めや、それ以前の終わっていくバンドだったELLEGARDENの話。そして、再結成後のもう一度バンドとして戻っていく、近くでありながらも第三者目線で語るその言葉は、この10年以上細美さんの隣で歩き続けてきたTOSHI-LOWさんだからこそ言える言葉です。

 

そして10年の月日の中でメンバーそれぞれがその時気付けかった色々なことに気付いた中でついに再結成時の話となり、そのELLEGARDEN復活の立役者となった、ONE OK ROCKのTakaさんがゲストとしてELLEGARDENへの想い、そして復活させるための当時のことを語り、更に細美さんがONE OK ROCKのTakaさんへの熱い想いを語る様は、ただの先輩後輩という関係でなく、ELLEGARDENに胸焦がされたキッズが、ONE OK ROCKというバンドを組み、大きくなり、そして復活させるために尽力したという話は、バンドが持つミラクルをまざまざと見せつけ、俺にも出来たんだからお前らも頑張れ、と言っているかのようでした。

 

そして再結成後初のツアーファイナルのZOZOマリンスタジアム公演のライブ映像は、これまでどの媒体でも見ることが出来なかった2曲は、ELLEGARDENが好きな人ならば興奮すること間違いなし!
僕は見て、なんでこのチケット当たらなかったんだよ・・・!と後悔し、泣きそうになりました。

 

そしてそこから、ついに6枚目のアルバムのレコーディング時の話となり、ロサンゼルスのレコーディングに密着した映像となります。

ここでサプライズとして、the HIATUSの3rdアルバムに収録されている『Souls feat. Jamie Blake』。

そのJamieさんがロサンゼルスのレコーディングの時に立ち会っており、その時に細美さんとした話は、これまでELLEGARDENのアルバムをレコーディングしていた時のやり方に一石投じるかのようなやり方を提案しており、かつ、ある事がきっかけで細美さんも、そのアルバムを作る上で考えていた考え方を改めるキッカケともなり、ある意味、この6枚目のアルバム。ひいては、ELLEGARDENというバンドという立ち方をどうするかにおいて、Jamieさんの言葉がなければ変わっていたかもしれません。

 

そして現在の6枚目のアルバムのレコーディングのやり方についてメンバーから一通り話を聞いたあと、最後に今回の映画の監督は細美さんにこう尋ねます。

 

ELLEGARDENとはなんですか?と。

 

その細美さんの回答は、まさにならでは、というか、それでこそ、バンド好きが憧れる細美武士は、こうだよな。という、誰もが納得出来る回答ですので、ここは是非本編をご覧ください。

 

 

というわけで、駆け足で書いてきましたが、今回は、ELLEGARDEN:Lost & Foundについて紹介させていただきました。

 

当たり前ですが、この記事では2時間あるうちのほんの一部しか抜粋していませんし、映画本編の皆さんの目線や表情などはわかりませんし、それがドキュメンタリー映画の良さでもあります。

特に、かつてメディアに一切出演してこなかったELLEGARDENだからこそ、今回のドキュメンタリー映画は尚のこと貴重な機会であり、かつ、このドキュメンタリーはちょうど6枚目のアルバムリリース前に公開されたということもあり、ちょうど現行のバンドと過去のバンドの中間にいた時だからこその映像となっており、現行のバンドでは言えない言葉・見れない顔が満載だと感じております。

 

なので、一度でもELLEGARDENを聞いたことがある人。メンバーの他のバンドを一度でも聞いたことがある人。もちろんそれ以外でも構いませんので、1人でも多くの人に見てほしい映画です!

 

そして、この記事を書いている最中、ついに、ELLLEGARDENの6枚目のアルバムのタイトルと、ジャケット、収録楽曲が発表されました。

 

6枚目のアルバムのタイトルは『The End of Yesterday』

直訳すると、昨日の終わりとなります。

 

これはまさに、過去のバンドだった自分たちが、再び現在進行形の、現行のバンドとなるためにもと捉えられますし、まさにELLEGARDEN復活の1枚目として相応しいタイトルだと1ファンとして感じました!

 

リリースまで後1ヶ月もないですが、早く12月21日が来ることを今か今かと楽しみにしております!!

それでは!


音楽

Posted by naishybrid