MEANING presents PACK THiS AIR 東所沢SKiP FACTORY ライブレポート
いきなりの私事で恐縮だが、2ヶ月ほど前、自身は上田映劇という長野県にある築100年以上の歴史を誇る映画館で、THA BLUE HERBとGEZANという、スペシャルなツーマンライブを見た。
個人的には色々あったが、それでも十分楽しく、と同時に、もう今年はこれ以上珍しいところでライブを見ることなんてないだろうなと思っていたが、映画館並みに、珍しいところでライブを見る機会が、今年またもややってきた。
そして、付け加えるならば、今年一番、色々な意味で、あぶない、現場だった。
東京を拠点に活動するパンク・ハードコアバンド、MEANING。
過去にはHi-STANDARDやKen Yokoyama、サバシスターや以前はWANIMAも在籍していた日本のパンクの名門レーベル、PiZZA OF DEATHに在籍し、AIR JAMにも出演した経歴を持っている。
近年は幾度かメンバーチェンジをしていたが、昨年から2年ほど4人体制だったものが5人体制に戻り、心機一転して活動をしている。
特に今年は、結成から20年を迎えるということもあり、より精力的に動くそうだ。
これは、前々から言っていたが、この日もMCでボーカルのHAYATO(人物名については全て敬称略とさせていただきます)が口にしていた。
そんなMEANINGが、不定期に開催をしている自主企画が、タイトルにもある【PACK THiS AIR】だ。
PACK THiS AIRの意味として、この空気をパッケージするというのが直訳になるだろうが、PACKにはすし詰め・満員という意味もある。
故に、公式の意訳としては、すし詰めのこの状況を外に持ち出そう、という意味が込められている。
この状況、というのは言わずもがな、ライブハウス内の空気のことである。
このPACK THiS AIRは、ライブハウスではない場所で開催されることが多く、過去にはボウリング場・ディスクユニオン・ヴィレッジヴァンガード・大阪のアメリカ村三角公園(なお、このライブは三角公園に隣接するビルの上でライブを行ったのではなく、公園内に機材を置いて演奏をしたため、フロアライブと同様に行った)等、こんなところで誰もライブをしたことがない、という場所でライブをすることが多い企画である。
そして今年、久しぶりにこのPACK THiS AIRが開催されることが発表され、かつ、今回のライブは、フリーライブとして行われるということも同時に発表された。
会場は、SKiP FACTORY。
・・・おそらく、この記事を読んでいる全員が思ったことだろう。
それ、どこ?と。
このSKiP FACTORYというのは、埼玉県の所沢市にある、スケートパーク場だ。ライブハウスでも普段フェスが行われる公園のような広い更地というわけでもない。
ただ、最寄り駅の東所沢駅から歩いていくと、Googleマップ調べによると、片道約1.7~1.8kmもある。
これは別に文句でもなんでもなく、誰がどう見たって当たり前なことを言わせてもらうが、駅から非常に離れたところにあるスケートパーク場なため、駅からのアクセスがいいとは、申し訳ないがお世辞抜きでも言えない。
だが、そんなところにあるメリットも当然あり、隣接する建物もそこまでなく、周辺は果樹を育てている畑や民家などが立ち並ぶ、非常に閑静なところにあるため、スケーターからすれば、建物も相まって、秘密基地的な雰囲気がある。
加えて、建物内のスケートコースも非常に広く、広々と長いコースでスケートが出来るというのは、スケーターからすれば喜ばしいことだろう。
だが、そんな場所だからこそ、この後お伝えしたい、あるトラブルが起こったのだが。
とはいえ、当然ながらスケートパークなため、ここでライブが行われることは頻繁ではないが、5年前にはここで、TAMASONICというイベントが行われ、海外のTHE SUICIDE MACHINESや日本のKEMURI・FOR A REASON等がライブをしていた。
だが、ここ数年、この場所でバンドがライブが行う、というのはなく、視点を広げて日本全国で見ても、スケートパークでライブをします、というアナウンスも、おそらくほぼないはず。
そのため、日本全国のライブとして見ても、かなり稀有なライブだというのは誰もがわかるだろう。
かつ、今回のイベントはMEANINGの企画ではあるが、今回の企画のサポートには、あの有名エナジードリンクのRed Bullがついている。
何故Red Bullがサポートについているかというと、実はMEANINGとRed Bullは何年にも渡り交流・親交があり、過去にはRed Bullが主催する若手バンド発掘イベント【Red Bull Live on the Road】とPACK THiS AIRの共同企画として行い、大型トラックを2台使用し、その荷台部分をそのままステージとして活用し、全国各地でライブを繰り広げていたという過去もある。
そうした過去の関連もあるが、とはいえ今もこうして繋がりがあるというのは、本当に稀有なことだろう。
と、前置きが非常に長くなったが、いよいよここからこの日のライブのレポートをしていく。
まず、公演直前に誰もの予想を裏切ることになったのだが、この日はなんと2部制であり、1部はSKIP FACTORYの外にある小さいスケートランプで、2部は会場内でというライブになった。
ただ、1部のライブが行われる会場の外にあるスケートランプは、透明なトタン屋根がつき、ネットも周囲に張られている程度である。いやスケートランプならその程度の安全確保で十分なのだけれども。
そんなところに、ドンとバンドセットをセットしており、ここで見るのか?とファンであるMEANING ARMY(以下ARMYと呼称する)も思ったことだが、どう見たって、100人も人は入らない。いやそもそもこんなところに人をパンパンに入れないのだがとツッコミたくなるが、この企画に、キャパシティや常識は通用しない。すし詰めのライブハウスの空気を持っていくのであれば、こちらがどんな場所であっても、作っていくしかない。
むしろ、こんなライブハウスでない場所でライブをするには、苦労しかないだろう。そうし作ってくれた今日この日、遊びたい人は遠慮するわけにはいかないだろう。
13時のオープン直後から、物販をスタートするも、用意していたこの日のTシャツは持ってきた数が少なかったということもあるかもしれないが、2種類あったにもかかわらず20分足らずでソールドアウト。
かつ、この日の限定デザインは、MEANING結成20周年ロゴとPACK THiS AIRのアートワークが背に入っているが、そのデザインを担当したのは、MEANINGと15年近い付き合いがあり、今や世界的デザイナーになった、VERDYである。
そのVERDYが、今もこうしてMEANINGと付き合いがあるというのは、長年見ているARMYとしては、嬉しく思う。
かつ、メンバーがクローク対応や物販対応に当たるなど、出演者だからとふんぞり返るわけではなく、自分達の出来ることは全てやる、DIYなパンクスタイルをMEANINGは貫いている。
そうして30分ほどした後、会場外のステージにメンバーが集まり、この日は自分達の20周年の企画であるが、ずっとサポートしてくれているRed Bull、そして名前が告知などには載っていなかったためこの日始めて知ったことだが、ライブを企画する会社、H.I.P.もサポートについており、その2社への恩返しのつもりとHAYATOは口にする。
そして、この1部はどうライブをするのかというと、やはり想定通り、気合いの入ってるやつは中に入って来いと口にすると、待ってましたと言わんばかりにやる気満々のMEANING ARMYは勇んで入っていくが、その外で見ることを決めたARMY達にはひよってんじゃねぇよ、もっと入ってこいと煽り、かつ、全員顔覚えたからなと笑いながら口にするが、これが本気なのは言うまでもないだろう。
ただ、ここでは迷惑になるから2曲だけ、と宣言をし、残念がる声もあがるが、1曲目のHERE FOR YOUが始まれば、開始早々HAYATOはARMYの上にダイブをする。加えて、ライブが始まれば、中も外も全員が手を挙げる。
当たり前だが、ここに集まっているのはよっぽどのMEANING好きだ。故に、拳もあがれば、掛け声もピッタリだ。
そんな一方、中の様子はというと、組まれた鉄骨をHAYATOが登れば、負けじとばかりにMEANING ARMYも鉄骨を登るものもいれば、モッシュダイブを盛んにする者もいる。
もはや、外から見ている分には中で行われていることはパンクやハードコアのライブ風景というより、外観も相まってか動物園だ。
そんな中、ラストのサビ前に全員で歌えるようなシンガロングのパートがあるのだが、HAYATOは中から飛び出し、外でシンガロングを求めに行き、かつ、外で見ていた誰よりも暴れていく。
その様子に、おそらくだが、MEANINGメンバーの関係者の家族の男の子が、そのHAYATOの様子が怖くなり、思わず泣き出してしまい、HAYATOは慌てて抱きしめていた。
だが、この男の子が怖がるのも無理はない。というか、それまで中にいたのに、いきなりがなり声と共に血相変えたHAYATOが突っ込んでくる。どこのお化け屋敷よりも怖いし、この子のトラウマにならなければと心の底から願う。
(ちなみに、静観者として見ていたと思われるのも嫌なのでお伝えすると、1部のライブ終わりに大丈夫ですか?と失礼ですがその子のお母様にお声掛けはさせていただきました。)
早くも2曲目であり、1部ラストのJudgementでは、スケートランプのプラットフォームにHAYATOと大量のARMYが乗り、マイクを奪いに行くARMYもいれば、乗れないけれどそちらになんとしても行きたいと、アールの部分を登ろうとする者もいれば、ダイブで一足先に駆け上がろうとする者もいる。
そのあまりの苛烈さはバイオレンス極まりない光景だが、とはいえ全員楽しそうであり、かつ、だからといってなんでもありというわけではなく、他のメンバーの演奏は邪魔をしないなど、一定のモラルとルールをわかっている状態であるため、全員、いい意味で、わかっている客ばかりだ。
あっという間に2曲を終え、第1部終了とHAYATOは口にし、早く中に行って。スケートやるから。というアナウンスをする。
今回の企画はMEANINGのライブに加え、ゲストにはスケートボーダーの吉岡賢人(Kento Yoshioka a.k.a Japanese Super Rat)が主として動いているプロジェクトである、K.N.T.H.W (ケントハードウェア)が参加しており、スケートボードのセッションを行っていく。
今回はKento Yoshiokaに加え、Yudai Hoshino a.k.a Yufuckingdie・Takeshi Kageyamaの3名が元々アナウンスされていたが、当日急遽飛び入り参加としてAYAHIRO URATSUKAも参加し、合計4名でセッションを行い、それぞれが順々にスケートボードで滑り、ランプを使用し、大技を決めていく。
だが、当然ながら、100%完璧に成功するわけではないが、それでも誰も責めず、大技が決まった時には全員が歓声を上げ、喜びを分かち合う。
自分の体のようにスケートボードを扱い、ランプを自由自在に走り、アールを飛んでいく。
筆者も少しスケートボードをやっているが、やはりここまで自由にスケートボードを乗れるようになりたいと、このパフォーマンスを見て素直にそう思い、最終的にはここまで出来るようになりたいと、改めて思い直された。
と同時に、スケーター達は皆一様にそうだったが、誰もが転ぶこと・ケガをすることを恐れていない。
勿論、ケガをしないに越したことはないが、とはいえ、ケガをすることも転ぶことも恐れず、かつ、技を失敗したとしても、落ち込むことなく、またもう一回、という精神で再びスケートボードに乗る。
やっていることやスケートボードを使って繰り出す技はスタイリッシュだが、この日の4名は、MEANING同様、とにかく汗をかいて、何度でも挑戦をしていた。
そんな精神や姿勢は、一生懸命頑張って汗をかく、という行為が少しないがしろにされ、汗をかく遊びを誰もがあまりしなくなっているような今だからこそ、汗をかいて、ケガを恐れず遊びをしに外に出る。これは誰しもが本来持ち合わせておくべき精神なのではないだろうかと、このセッションを見ながら思っていた。
そしてK.N.T.H.Wのセッションが終わり、少しした後、ステアとバンクが一緒になった台の上にセットを新たに組み直し、ライブハウスさながらのステージが組まれると、第2部のライブが始まる。
だが、始まる前に、先程警察の指導が入り、本来16時クローズだったものが、15時30分までしか出来なくなったとHAYATOは語る。
実は、ちょうどたまたま自身も外へ出たタイミングで、埼玉県警の警察2人が事情聴取に来て、担当者から話を聞いている、その一部始終を目の当たりにしていた。
この件に対し、H.I.P.のこの日のライブの担当者が対応をし、交渉の末になんとか15時30分までライブが出来ることになったが、もしこの担当者がいなければ、第2部が始まる前に強制終了となっていたはずだ。
というよりも、これは冒頭に書いたことだが、この辺りは民家が立ち並ぶ閑静な場所だ。そんなところでMEANINGが・野外で・爆音で・いつも通り、ライブをしたら・・・それはそうなるというか、なって当然だろう。
かつ、もしそんなこと知らねーよ、なんて態度を取っていたら、この会場であるSKiP FACTORYにも多大な影響が及び、営業停止になる可能性もあったかもしれない。
故にこの現場は、これまで、というより、自分史上一番と言っていいくらい、ヒリヒリし、あぶない現場だった。それが、冒頭に書いた、あぶない、ということに繋がってくる。
時計を確認すると、約束の時間まで後40分ほどしかないが、だからこそ、2部の冒頭から全力であり、Just Another Deathからスタートすれば、HAYATOは早速フロアに降りて歌い出しつつ、ARMYもモッシュやダイブ、あるいはマイクジャックをしようとする。遊び方は完全にハードコアのライブだが、会場がスケートパークの中ということもあり、HAYATOは設置されているボックスやバンクの上に乗り、歌う。本来、スケートボードを楽しむために設置されているものが、この時だけは完全に、目の前にあるお立ち台の一つになり、と同時に、ライブハウスではまずもって見られないライブパフォーマンスが繰り広げられる。
有名ストリートブランドのBOUNTY HUNTERとコラボアイテムをリリースする際に発表されたDarkside Justice・コロナ禍のバンド同士の同調圧力、のようなものに疲れ、自身の当時の考えを反映させたPeer Presureと、過去からの楽曲もあれば、2020年代に入って生まれた楽曲も次々に披露していくが、いずれの曲であっても、全員が拳もあげれば、シンガロングもする。そこには、決してバイオレンス一辺倒だけではない雰囲気が確かに存在していた。
今年は20周年イヤーで、来年の結成日に何か出来ればと思っているとHAYATOは語り、それまで色んなところでライブをして、それが出来る力をつけたいと思います。と口にすると、温かい拍手だけでなく、愛あるヤジのような言葉も飛んできたため、すぐにそこに突っ込む。後々語っていたが、等身大でありたい、という想いで目指していたら、気付けばこんなんになっていたと苦笑いを浮かべる。
そんなヤジをたしなめた?後、もちろん来年生きていれば来てほしいとも口にするが、今日がワンマンだからということでライブに来た人もいれば、久しぶりにライブに来た人もいれば、たまにライブに来る人もいる。それもそうだが、何かのきっかけで日常の音楽として聴く、そんな一部にMEANINGの音楽がなってほしいと口にした後のINFECTIONは、いつもよりも惹きつけられるものがあった。
だが、Knock It Offが始まると、ついに我慢が出来なくなったのか、前方で見ていたARMYがその台の上に登り、フェイストゥフェイスな距離感で楽しむ。
かつ、袖の方にいた、イヤーマフをしたおそらく小学生くらいの男児が、ラストの部分で大人に混じりダイブをしており、その様子を見た大人たちは、支えるもそうだが、決して巻き込まれないように、端の方に降ろし、すぐに守ろうとしていた。
いくら激しく楽しもうとはいえ、子供がいたらケガをさせないようにする。そんな当たり前のことをちゃんと出来る大人が、やはりこの界隈には多いが、同時に、関係者なのかもしれないが、イヤーマフをつけてでもこんな激しいバンドのライブを見る子供がいる。決してファミリー感やアットホームな雰囲気ではないが、それでも、それだけで、なんていい光景なのだろうと思う。
だがしかし、曲終わりすぐにHAYATOから下に降りないと後ろの人が見れないでしょとなり、全員下ろされたため、どこのバンドであっても、ファンがすぐに調子に乗りやすいところも、悪い意味でこの界隈ならでは。
最後の数曲という言葉から、久しぶりにやるというWhat We Love,What We Hateから始まると、HAYATOの上から次々、重なるようにARMYが乗りかかっていく。いったいこれはハードコアなのか、なんの組体操なのか?とわからなくなるが、これが何も言わずに全員が己の意志でやっているのだから、いい意味で統一感は取れている。
9年前、同じPACK THiS AIRを同じように浮間舟渡にあるスケートパークでライブをした映像もPVに収められているBLACK OR WHITEから、最後に、俺たちが東京のMEANINGだと宣言するかのように、渋谷区の市外局番の上3桁の番号から取った150で第2部のライブを締めくくると、感謝の言葉を述べた後、これからもよろしくねと、この20周年イヤー、そしてその先までのサポートを頼む言葉で、今回のPACK THiS AIRは、15時30分頃に無事完遂した。
自身もMEANINGを見たのは、本当に世界が変わる2020年の2月ぶりであり、その間、MEANINGも紆余曲折あり、長年連れ添っていたメンバーの脱退や4人体制での活動。コロナ禍でライブハウスに制限が敷かれる中、クラブで、隠れキリシタンのように不法集会ライブをしていたこともあった。
ちなみにこの言葉は、2020年の3月に、HAYATOがブログにて残していた言葉をそのまま引用させてもらった。
故に、4年ぶりにMEANINGを見ることになったが、やはりMEANINGは、どこまでいってもMEANINGであったのはそうだが、同時に、色々な意味で何が起こるのかわからない。どこにいても危険な場所になる、いや変えてしまう力を持っているのも変わりなかった。
かつ、先程も触れたように、冗談抜きで警察沙汰になり、ライブを見ていてファンの暴れっぷりで危ない、というのはあるが、ライブ自体が違反行為スレスレで、危険な香りがする、という感覚は、本当に初だった。
ライブハウスの空気感を外に持ち出せば、当然、色々なものと混ざり合い変わってしまうというのが、改めて身に染みてわかったが、と同時に、安全やルール最優先で、ルールが増えていく日本の夏のフェスやライブシーンとは真逆の景色。ルールよりもモラルに重きが置かれる場にも楽しさがあり、と同時に、こういったクローズドな場だからこその、コミュニティがあった。
これも一重に、MEANINGが活動を続けていたからこそ出来た様々な関係値から生まれたものであり、どこか一つでも関係が薄い・悪いなどあれば、この日の空気感はなかったはずだ。
当たり前な話をするが、活動をしてから20年も経つと、ファンでずっと居続ける人よりも、離れていくやつの方が多いのは当然だろう。
けれど、今も残っている人や仲間、企業やブランドがまだたくさんいるのもまた、この日の事実であった。
事実、あのRed Bullがライブをサポートするというのも稀有なことであるが、これはライブ途中に言うのも野暮なため、ライブのレポートを全て書き終えた後に伝えようと思い、かつ、これが次回のPACK THiS AIRでも行われるかはわからないので、あくまでこの日限りの話として捉えていただきたい。
この日、Red Bullが飲み放題だった。
もう一度言う。Red Bullが、飲み放題だった。
信じられないかもしれないが、本当にそうだったのだ。
そのRed Bullが、こんな大盤振る舞いを許してくれたのは、一重にMEANINGのおかげ、というのはもちろんある。
のだが、ただ、何度でも言いたいが、Red Bullは、あの天下のRed Bullだ。音楽だけでなく、スポーツにも多大な影響を与えている、世界的ブランドだ。
そんなブランドが、日本の一バンドのために、ここまでしてくれたということが、未だに信じられない。
話は変わるが、Red Bullが公式としてパートナーシップを結んでいるアーティストは、King Gnuだけだ。なので、MEANINGはRed Bullとパートナーシップ契約を結んでいるわけでもない。加えて、単純なセールス、という面で見たら、歴然の差がある。
けれど、そんなRed Bullが、売れている売れていない関わらず、10年以上に渡り、MEANINGをサポートし続けているのだ。
これはもう一重に、愛であり、かつ、MEANINGがずっと惹きつけるものを出し続けているからこそ、Red Bullも未だにサポートをし続けているのだろう。
加えて、コンサート・プロモーターのH.I.P.もこの日をサポートしてくれており、何よりも警察が来た際、H.I.P.の担当者が対応をしていなければ、ライブを続行出来なかった。
正直な話をすれば、この日はフリーライブであり、かつ、H.I.P.の名前もなかった。なので、知らんぷりでバンド側がなんとかしろ、と突き放すことだって出来たのかもしれないが、プロモーターが身を挺して警察の対応をし、全ての責任を引き受けてくれたこと。それを自ら率先して行うことにも、MEANINGというバンドが、H.I.P.という大手のプロモーターであっても、惹きつける何かがあるからだろう。
ライブの途中でHAYATOが口にしていたが、これから先適当なライブをしていたら駄目になる、とという旨の言葉を口にしていたが、少なくとも言えることだが、MEANINGはライブ一本一本、全力で駆け抜けてきた。それが積み重なってのこの日であり、もし仮に、この20年のどこかで適当なライブをしていたら、Red BullもH.I.P.も、ひいてはファンも、MEANINGから離れていたはずだ。
だからこそ、人気がなくなった、なんて冗談交じりでこの日もMCをしていたが、カッコいいライブをしないバンドに、サポートも人もつかないのは当たり前であり、そのバンドが今も昔もカッコいいことを、イカしていることをしているからこそ、企業やファン、同業のバンド。この日出てくれたスケーターの方など、数えきれないほどの多くの人がサポートをしたくなるのだと、僕は信じたい。
最後に、この日のライブの数日前から、MEANINGの公式ブログを読んでいたが、その中で2021年のとある記事が目についたので、以下に引用をさせていただく。
前はライブを頻繁にやらない分、色んな事で興味を引きたいなって思っていたけど
最近は「興味を引きにいく」ことよりも「勝手にやってるから、もし興味を持ってもらえたら」という意識に変わってきた元々バンドをそういう「勝手に好きなことやってるから〜」的なテンションで初めたけど
支えてもらってる事に気付いたり、感謝できる様になった事で、意識も変わっていったのかなと思う薄々…というか、まあまあハッキリ分かってはいたけど
MEANINGというバンドは狙った獲物を刺せないバンドな気がするだから他のメンバーはどう考えてるかわからないけど
俺はバンド結成した時の様な「勝手にやってるから、まあもし良かったら〜」というマインドになったというか戻ったその理由は、ライブの数が減ったからだと思う
今までも1本1本を大切にしてたし、企画も気合いを入れて組んでたけど
今は、「今だからできる事」を探したり、計画を作るのにワクワクしています以前やっていたPACK THIS AIRっていう企画は単純に、
自分がワクワクする様な企画を組んでたつもりだけど
心のどっかで「こんなイベント、こんな場所でやるんだぜー!」みたいな意識もあったと思ううちらはバンドの活動スタンス自体がバンドのアイデンティティなんです
(参照元:師走っす|MEANING Official Blogより引用)
なんちゅータイトルやねん
3年前の記事なため、この時とは気持ちは変わっているかもしれないが、ただ、この当時のスタンスである、勝手にやってるから、もし興味を持ってもらえたら、というのは今もあるのかもしれないが、ただ、今年はより精力的に活動をし、力をつけて、来年の結成日である6月25日を迎えたいと口にしていた。
それならば、勝手にやっているから興味を持ってくれたら、という姿勢では当然いれず、自ら色々なところに出て、どんな場所でも出来る力や誰よりも素晴らしいライブをするバンド力。加えて、それまでファンではなかった人や、前ファンだったという人も巻き込んでいく必要があるはずだ。そうでなければ、いくらバンドの演奏が上手くとも、力をつけてはいけないだろう。
ちなみに来年の6月25日は、水曜日。ド平日だが、それでも、一ARMYとしては、その日までにMEANINGが今よりも更に凄い状態になって、今のMEANING最強だな、となるようなライブが見たいと思っているが、おそらく、それは本人たちの方がそう思っているはずだろう。
なのでもし、この記事がきっかけで、懐かしいと思ってもらえたら、今一度何かしらの方法で音楽を再生し、もう少し今何しているんだろうと思ったら、公式のSNSなどに上がっているライブ映像を見てもらえればと思う。
これまでと変わらない熱量で燃え続ける。かつ、今年は更に燃えているMEANINGが、これまで通り、ライブハウスにいる。
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