ナガノアニエラフェスタ20~22 2日目 レポート

2022年9月22日

レポートを書く前に、まず、この度の台風14号で被害に遭われた九州をはじめとした各地方の方々に心からのお祈りを申し上げると同時に、被害に遭われた方は1日でも早く元の生活が戻ることを祈っております。

 

 

2日目は、予報では台風直撃ではないが、その影響を受け、天気予報もくもり時々雨であり、降水確率も公演時間のほとんどで50%以上と、もはや誰もがこの日は雨、ないしはくもりだと思っていた。

 

ところがまさかの雨がお昼の1時間で止み、そこからは昨日と同じくずっと晴れるという、誰も予想していなかった奇跡が生まれ、それだけで2日目は大成功!と言えたのだ。

しかし、昨日よりも風が吹かず、晴れた結果、昨日よりも体感として暑く感じられ、日中は過酷な環境になったという弊害も生まれたのだが、昨日から引き続きブース展開をしていたライフガードに昨日以上に人が群がっていた。

ライブが終わるころには目測だが、少なくとも3000本のライフガードの空き缶が積みに積まれていた。

 

というわけで改めて、ナガノアニエラフェスタ2日目のレポートを行っていく。

なお、本記事でも1日目同様、テンペストステージに出演したアーティストのみのレポートをしていくので、ご容赦いただければと思う。
(全員敬称略ですのでご了承いただけますと幸いです。)

 

開演直前からぽつぽつと雨が降り出し、観客はそれぞれレインコートを着て開演時間を待つ。

人気VtuberのGEMS COMPANYが2日目のスタートをコールしトップバッターを務めたのはナノ。

サポートバンドを引き連れたバンド編成でステージに上がるとBull’s Eye、No, pain, No gameと、曇天模様の朝一の時間帯に、目を覚ませと言わんばかりのヘビーなラウドサウンドと、ハイトーンボイスと少年のような声も感じられる、中性的・唯一無二の歌声を会場に響かせる。

 

MCで雨の中ありがとうということだけでなく、このようないわゆるアニソンでありながらもラウドサウンド・バンド寄りの音楽をしており、いわゆるアニソン界隈以外のジャンルでもライブ活動を精力的に行っているが、野外フェスの経験は実はほぼなく、記憶上はまだ2回目ということで、その大事な機会をアニエラに捧げてくれたことに感謝しかない。

 

DREAMCATCHERを終える頃から、だんだんと雨脚が強くなっていくが、そんなことお構いなしにダンサブルなナンバーであるNow or Never、かつてMY FIRST STORYと共作で作ったこれぞナノのラウドサウンドの代名詞とも言えるSAVIOR OF SONGまでプレイし、30分の持ち時間を駆け抜けた。

終盤にはかなり雨が強くなっていたが、まるでそれすらも燃料に変えていくかのように響き渡るラウドサウンドは、2日目のスタートには最適であり、これぞフェス!という光景を見せつけてくれた。

 

・・・そしてまさか、ナノのライブが終わってから10分も経たないうちに雨が止み、結果この日が終わるまで全く降らなかった。

そういう意味では、この日唯一、雨の中で演奏したアーティストという、逆の意味で”持ってる”としか言えないと、誰もが思っていたはずだ。

 

すっかり雨が去り、正直前日よりも日差しが強く、真夏日に近い状態の中々に過酷な状況となった中で、ここから少し離れた上田市出身である声優の寺島惇太がステージに上がる。

 

デビューミニアルバムの1曲目である道標から始め、そこからUP↑DAYS!と、自身の曲を立て続けに披露し、女性ファンだけでなく男性ファンも釘付けにしていく。

 

唯一の長野県出身声優ということで帰ってきたことを喜びつつ、その昔子供のころに入っていた野球の練習が嫌で土日雨になるようにとてるてる坊主を逆さに吊るしていたらそこから18年程度、長野に帰るときには必ず雨という呪いがあったというが、このアニエラのおかげで解呪されましたと晴れた喜びを語る。

 

そこから話は代わり、現在公開中の映画『ONE PIECE FILM RED』の話になり、出演しているわけではないのだが、本作は無声での応援上映をする映画館もちらほらあるのだ。

その応援上映について、原作者である尾田栄一郎先生が、Twitterにて公開した直筆コメントにて、4年前にとあるマニアックな映画の応援上映に友人に連れていかれ、それが面白くONE PIECEでもこんなことやってみたいなーとなったため、その映画がなければONE PIECE FILM REDは生まれなかったというわけです。

 

話は戻り、そのことについて触れ、映画の名前が出ているわけではないですが、その作品ってまさか・・・?となり、話題になっているしアニソンフェスということでせっかくならばということで披露したのは、なんと自身が出演している作品『KING OF PRISM by PrettyRhythm』の一条シンが歌う、ダイスキリフレインを歌い出すと、女性だけでなく男性ファンからも大声を抑えながらも驚きの声が各所から聞こえる。

 

ラストにはこの地元に帰ってきた想いも込もっていたノイズを歌い、予想外のサプライズも交えた持ち時間で観客を大満足させステージを後にした。

 

特製のドレスを身にまとい登場した小林愛香はシティポップ調のメロディーのMI-RA-I miracle circleから始めると、挨拶もさっと済ませ、このフェスを盛り上げるためにと、1番のみだが、Tough Heart、マコトピリオド、AMBITIOUS GIRL、空は誰かのものじゃない4曲を、このフェスでしか聞けないスペシャルメドレーとして会場を大いに盛り上げる。

そのままほぼMCというMCもなく、アイリッシュ調のカントリーなメロディがこの山のロケーションにピッタリなNight Campでは観客がクラップで応え、思い思いに楽しんでいたらあっという間にラストのNO LIFE CORDへと突入していた。

 

昨日のGARNiDELiAも曲を多くやりたいと言っており、言葉だけを取ればそういう方向で思うのが当たり前だろう。

だがしかし、全く違った。

ライブを見て思ったのは、MCをする必要がないと思えたのだ。

 

完成された楽曲と、やはりAquorsのメンバーということだけあり、身体面の能力がとにかくずば抜けており、歌ってあの踊りをしても全く曲がぶれないどころか、始まりから終わりまで息切れ一つ起こしていないのだ。
おまけに言うと、この暑さとあのドレスも着用して、だ。

 

ルックスと歌、そして可憐なように見えてとてつもないレベルで完成されたライブに、終わった後も言葉が出ず、ただただすごいものを見た、という処理しきれない驚きだけが自分の脳を支配していた。

 

ラテンチックなサウンドの約束のOvertureからライブをスタートさせた土岐隼一は、難しい曲調ながらスマートに歌いこなし、立ち姿だけを見ると王子様的な雰囲気を醸し出していた。

しかしMCを始めると、自身もオタクであり、コスプレイベントでそのレイヤーを撮る側だったからと、同じ駒場公園内で開催されていたアコスタを見に行ったら、たまたま隣に自身が声を務めていた『東京リベンジャーズ』の一虎のコスプレをした人がすぐ隣におり、あっどうも・・・2期あるのでぜひ。と心の中で喋っていたというフレンドリーなトークで会場を盛り上げる。
(ちなみにその一虎のコスプレをした人は気づいておらずスーッと去ってしまったとのこと。)

 

そこから改めて、このフェスについて語り、野外フェスが初というのに加え、本日この後登場する寺島拓篤からこのフェスいいよとは聞いていたが、本当にいいですねと、このフェスの良さを肌で感じていたようであった。

そこから2ndミニアルバム『True Gazer』に収録されている思春期という意味が込められたAdolescenseでは、観客に手拍子を求めると、前だけでなく後ろの方でも手拍子をし、全体が盛り上がっていることに思わず笑みを浮かべており、より一層ピースフルな空気感が会場を包み込む。

 

10月に自身としては初の、完全に自分だけの曲で構成されたワンマンライブの告知をし、最後はそのライブのタイトルであるGood for LIVE!!のタイトルの名を冠し、アルバムのリードトラックにもなっているGood forで、初出演のアニエラフェスタを終了した。

ちなみに、イベントでMCをよく務めているということで時間配分はあるつもりと話していたが、ライブ終了後に時間を見たら、持ち時間ほぼぴったりに終わっていたこともここに報告させていただく。

 

相棒のアコースティックギター1本持ってステージに上がった大原ゆい子。

まさにこの残暑の時期にピッタリな映画『劇場版『からかい上手の高木さん』』のはじまりの夏からライブが始まると、それに合わせたかのように風が吹きはじめ、極上のアコースティックサウンドと透き通るような声に、この大自然のロケーションが見事にマッチし、青春の夏の空気が全体を包み込んでいく。

 

アニエラにいるよいこのためにというMCから、Eテレのアニメ『はなかっぱ』のOPのえがおのまほうを披露する。

その演奏時、八九寺真宵のコスプレをおそらく3~4歳の娘さんにさせていた親子連れの方が前の方にいたのが印象的だった。

加えて、VIP席には子供を連れて参加されていた方も多くおり、この歌でとても楽しそうに動き回っており、言葉なんて必要ないほどの、幸せな空気感が会場全体を包み込む。

 

その空気感そのままに、待ってました!とばかりの言わないけどね。を披露すると、観客それぞれが思い思いの乗り方で、音楽を楽しむ。

そして最後に披露した風と行く道では、凛とした空気が張り詰め、全4曲という中で爽やかに、そしてしっとり、しっかりと会場の熱を上げていってくれた。

 

それは服なのか、ドレスなのか、はたまた民族衣装なのか、もう色んな要素がミックスされた特製の衣装を身にまとった飯田里穂は、KISS! KISS! KISS!、アニエラの開催を祝ういつか世界が変わるまでの2曲からライブをスタートさせる。

また、いつか世界が変わるまでの最後では、いつか世界が、変わったよー!と歌詞を変えて叫び、アニエラフェスタが開催出来た喜びを代弁してくれているかのようだった。

 

アーティストみんなの声を代弁するね、と切り出し何を言うかと思ったら、なんでここだけこんな晴れてるの?と、アーティストどころか、観客皆が思っていたことを代弁する。

ただ、こうして3年ぶりに開催が出来たということに加えて、スタッフや皆の日ごろの行いが良かったから、こうして晴れたんじゃないでしょうか!と言うと、会場からは同意とも言える拍手が響き渡る。

 

そんな中、前日に前乗りをし、長野のおすすめということで、知り合いである長野県出身の声優の新田恵海に聞いた美味しいお店でご飯を食べたが、今回時間がなくて食べられなかったが、この地域の人は鯉を食べるって言ってたんだけど、美味しいの?と尋ねると、言葉を発することが出来ないため、地元の人は頷きや手で〇を作り回答をする。

それを見て、あぁ本当なんだ。えみつんはそう言ってたんだけど本当かなぁ…?って思ってたからと率直に言っていた。

正直、鯉食べるって聞いたらまぁそりゃそうですよね・・・と思っていたのはここだけの話。

 

中止になった翌年に開催が出来たということや、このフェスを楽しみにしていた等、ここには色々な願いが集まっているという想いを込め、fripSideの八木沼悟志が楽曲提供をしたOne Wishをライブ初披露し、最後にこのアニエラフェスタという特別な日だからこそ、そんな想いがタイトルに冠されたSpecial Daysは、文字通りのこの特別な日に聞くにはうってつけだった。

 

雨は降らないが、だんだんと空に雲がかかりだしてきた中で、黒崎真音のステージが始まる。

シンバルスタンドと特別製の赤いスティック、それとパイプ椅子がステージ中央に置かれ、何が始まるのかという期待感の中でGravitationからスタートすると、それまでとは違う漆黒の、ダークな世界観に会場を一瞬で染め上げる。

ROARではシンバルを思いのままに叩き、パイプ椅子に座りながら歌うパフォーマンスも披露するなど、妖艶なステージングも見せつけ、これまでとは違うパフォーマンスに衝撃を受けている方も多く見受けられた。

 

ただ、MCで実はこのシンバルセットを置くのはライブでは2回目なのに、もうボコボコになっていると笑いを誘うなど、ただライブが凄いだけではなく、持ち前の人間性で見ている方を惹きつける。

 

早々にMCを切り上げライブを再開し、さらに加速させていくUNDER/SHAFT。
もはや歌というよりも、心の叫びのようだったDEAD OR LIEの2曲をさらに熱量を上げて歌唱していく。

DEAD OR LIEでは、途中でスティックが壊れ、吹き飛んだスティックが観客席に吹き飛びそれをキャッチするファン。さらには最後、かかと落としでシンバルを叩くというバイオレンス一歩手前のパフォーマンスを見せつけ、会場を大いに沸かせる。

 

最後の曲の前に、この9/18という日について思っていることがあると語りだし、1年前、硬膜外血種という脳の血液がたまってしまう病気でステージ中に倒れ、その血液を取る手術をしたのが、まさにこの9/18だと語る。

あの時には1年後どころか、明日歌えるのかどうかすらわからない中で、1年後の同じ日に歌えていることに感慨深さと嬉しさをにじませており、自然と観客から暖かい拍手が沸き起こる。

 

そんな経験をしたからこそ、誰にでも死にたいなって思うような日があっても、1日、1時間、1分、1秒待ったら、何かが変わるかもしれないという、希望を信じてほしい、ということを伝え、最後にどうしてもこの曲が歌いたかったと、想いを込めてhear..を歌い、感動的なラストを迎えた。

また、ステージ袖に下がる前に、本日共にステージを作ったシンバルスタンドを抱きしめてからステージを去っていったことも伝えておきたい。

 

正直、この日出ている出演者の中で、最もこの1年で人生観が変わるような出来事が振りかかっていた人だと、間違いなく言えるだろう。

先ほどの硬膜外血種だけでなく、同じユニットとしても活動しており、もはや運命共同体とも言える大切な存在である、神田沙也加がいなくなってしまったこと。

その辛さをこのブログで、第三者が言葉で言い表すことなんて不可能であり、書くのは無理だと承知している。
それこそ、ご本人ですら死にたいと思ってしまったこともあっただろう。

 

だからこそ、最後のあのMCは自身に降り掛かってきた様々な困難や壁、マイナスな出来事、人生に絶望してしまいたくなるような状況から何度も乗り越えてきたからこそ言える言葉であり、自身のブログにも、希望を思ってくれたら今日歌った意味があった、と綴っていた。

今日のライブを見た人ならば、その意味を理解出来る人が多いはずだと信じたい。

 

2日目のテンペストステージで唯一の連続出場となり、前回のアニエラフェスタに参加した際にこのフェスが大好きになったとあちこちで公言していたアニエラ大好きアーティストの筆頭、寺島拓篤が帰ってきた。

 

いきなり自身が声を務めた『ウルトラマンタイガ』のOPであるBuddy,steady,go!からライブをスタートさせ、1曲目からエンジンフルスロットルのライブが繰り広げられ、その結果自身でも驚くほど、直後のMCで声が裏返るというハプニングに見舞われる。

 

ウルトラマンタイガのOPを歌ったことで1曲目から特撮の曲ということで関連してタイガやゼットが活躍するウルトラギャラクシーファイトなどの話をしていたが、奇しくも1日前のほぼ同じ時間帯に、ウルトラマンゼットの声を務めた畠中祐もまた、1曲目がウルトラマンZの曲であり、その後同じようにウルトラマンの話をしていたため、示し合わせたかのようにお互い同じような話をしていたところに、ウルトラファミリー同士の絆を感じさせられた。

 

3年ぶりのアニエラということで、前回見た人も初めて見る人もいるからということで、セットリストをどうしようか考えた結果、同じ流れだけどそうしよう!という結論に至り、前回出演時にも披露したsunlight avenue、どん兵衛天ぷらそばの替え歌としても一時期話題となったNameless Storyの2曲を披露する。

 

音楽的にも今年アーティスト活動10周年記念イヤーであり、最初は音楽活動を自分が?と思っていたが、お客さんが喜んでくれるならと始めたものが10年になっており、そのアーティスト活動の中でもアニエラは大きなものになっていると、様々なライブをしてきた中でもこのフェスが寺島自身にとっていかに大切かというのを改めて言葉にし、会場からは拍手が沸き起こる。

 

その積み重ねてきたものという意味も込めて、そのままの意味がタイトルにもついたデビュー曲であるArchitectを披露し、寺島拓篤のライブはこれで終了・・・ではなかった。

 

せっかくのアニエラだから、何か特別なことをしたいと切り出し、その特別なことをするためにスペシャルゲストを用意しましたと言いステージに迎えたのは、なんと先ほどライブをした寺島惇太!

寺島拓篤と寺島惇太という、2人の寺島がステージに上がり、この地を寺島にしてやるぜー!という意気込みから、2人で曲をやるとなった時に何をやるか考え、お互いの好きなものにしようとなり決まったのは、『ドラゴンボール』。

 

そして昨日来た人はこうも思ったはずだ。

昨日も聞いたぞ・・・?と。

 

実は本当に被ったのは偶然であり、寺島拓篤が昨日アニエラについて調べていたところ、AKINO with bless4がやったというのを目にし、いやそれじゃ俺たちサプライズにならないじゃん!と焦ったが、それでもやはりやることに。

そのままの流れからドラゴンボールの話となり、好きな技の話になった時に・寺島惇太は気円斬、寺島拓篤は気功砲という渋い技を2人して選び、そこで話が盛り上がるのだが、このままだとずっと喋ってしまうということで止め、改めて2日連続でCHA-LA HEAD-CHA-LAがこの地に鳴ることになった。

ちなみに、昨日のAKINO with bless4はカラオケ音源。

寺s・・・もう面倒くさいから当ブログでは2人は寺島と呼称する。
2人は寺島の方が原曲のサウンドであったため、一応の住み分けは出来ていたはずだ。

 

アニエラ大好きだと公言しているだけあってか、3年分の想いを爆発させつつも、アニエラだからということで直球なセットリストを持ってきてくれたため、ぜひともまた来年お会いできることを期待したい。

 

そして何よりも、こんなかぶり方をしたんだ。

来年はぜひとも、AKINO with bless4 feat 2人は寺島でCHA-LA HEAD-CHA-LAを歌うことを切望している。

 

いよいよアニエラもファントムステージ含め、もうあと指折りで数えられるだけのアーティストだけとなった。

そんな中で登場したのは、前日名古屋で自身のツアーをし、ツアーモードのまま乗り込んできたangelaだ。

 

・・・まず事前にはっきりと言っておこう。おたくらやりすぎ(笑)

 

リハーサルのサウンドチェックからShangri-Laを音出しで演奏したと思ったら、そのまますでに待機していた観客に話しかけ、空気がすでに温まっていると思ったのか、明日へのbrilliant roadを演奏し始める。

 

後ろで演奏しているキーボード/マニピュレーターの方が動きの見本をやってくれていたとはいえ、それを観客も完璧にこなし、それを見たギターのKATSUはこれファンクラブイベントだったっけ?と驚くほどのホーム感を感じていた。

そして終了後すぐに、ボーカルのATSUKOから、これ本番じゃやりませーんという衝撃のアナウンスをし、セットリストに入っていない楽曲を披露してくれた大盤振る舞いに、嬉しさと同時に笑いがこみ上げてしまったのは言うまでもない。

 

その後もずっと喋り続け、一向にはけようとせず、このままヌルっと始めちゃう?と話もしていたが、ついにスタッフから一回下がれという命令があり、(しぶしぶ)一旦ステージ袖にはけることとなった。

アニエラの歴史から見ても、リハーサルだけで20分以上ステージにいたアーティストは初だったはず。

 

そしてようやく開演時間になり本編が始まり、乙女のルートはひとつじゃない!からスタートし、ここを私たちのシャングリラにすると宣言し、angelaの代表曲とも言えるShangri-Laを披露し、色とりどりのタオルが振り回され、宙に投げられるなどしており、2曲(リハーサルから数えたら3曲目)やっただけだが、本当にangelaのワンマンライブかのような盛り上がりを見せる。

 

MCでは、こんばんはfripSideでーす!という定番ネタを盛り込んできたが、fripSideが3人になりもうこのネタが使えなくなったと、今日出てもいないどころか、過去1回も出たことがないfripSideをいじりだし始める。

 

さらに、アニエラフェスタの何がいいかということについてATSUKOが話しはじめ、先ほど少し触れた名古屋から直接来たが、その際ホテルに着いたのが深夜であり、普通ならなかなか休めない状況の中で、ホテルのチェックアウトが10時だったのにも関わらず、レイトチェックアウトの12時にしてくれたことになんていいスタッフなんだ!と喜びを爆発させていた。

すぐにいやそこかい!呼んでもらったんじゃないんかい!とKATSUはツッコんでいた

 

と、まるで台本でも用意してきたかのようなMCから、せっかくの野外で夕方の時間ということで、陽は沈んでしまったが、どうしてもこの曲を歌いたかったと、ツアーでも披露していない1曲目に演奏した曲のタイアップであったアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』の挿入歌として使われた君の影、オレンジの空を演奏する。

が、まさかの歌い出しからミスをしてしまい、一旦中断してしまうというハプニングに思わず観客も驚きの声を上げる。

 

そこから改めて今一度、仕切り直しで演奏を再開する。

オレンジのライトで観客が照らしながら、曲中のもう少しだけ一緒に居られたらいいのにな、という歌詞が、まるでもうすぐ終わってしまうこのフェスにいる誰もの気持ちを代弁しているかのようだった。

 

そんな感動的な気持ちを吹き飛ばすかのように全力☆Summer!をプレイし、終盤には観客を右と左半分に分け、どっちが上手く、そして高くジャンプして、加えて手拍子も鳴らせるかという対決をさせていた。
夏休みを通り越し、やらせていることは運動会だ。

 

そんなエンタメを爆発させたライブの後、先程失敗した君の影、オレンジの空について触れつつも、この土地に来て地元のものを食べようとなった時に山賊焼が食べたいという話をし始め、どちらも知らない中で空想で作った料理(KATSUの頭の中ではイカを信州味噌で焼いたものだと思っていた)を頭に浮かべながら実物を見たところ、鳥肉でしかも揚げてあって焼きじゃないじゃん!と、山賊焼の揚げ足を取ったMCをすると、頷きもありながらも見事なオチをつけた。

ちなみに、揚げ・足を・取り(鳥)だね。とその後すぐにATSUKOが二段オチを補強し、さすがのコンビネーションだと思った。

 

そのままある歌詞を引用したMCでラストスパートに入ると、今年発売されたTWOーMIXのトリビュートアルバムに参加した際にカバーした、『新機動戦記ガンダムW』のOPであるJUST COMMUNICATIONをサプライズ的に披露し、まさかの選曲にさらに会場のボルテージは上がっていく。

 

そして最後に、ここに集いしシドニアの騎士ならぬ、オタクの騎士達に向け、シドニアで会場のボルテージをMAXにし、圧倒的エンタメ力と年間何本もライブをこなしてきたライブモンスターとしてのパワーを見せつけていった。

ちなみに本編終了後、時計を見たら約10分ほど持ち時間をオーバーしていたようだった。
そりゃあんな喋ってたらそうなるわ。

 

リハーサルも含めたら、1時間越えのライブをしていて、初登場にも関わらず、いい意味で荒らすだけ荒らして帰っていったangela。

ライブはもちろん最高であり、ぜひともこんなにやったからには、いっそ来年出てくれるならトリで期待したい。

 

ただ、MCでずっとここにいてfhana帰れなくさせる?とも笑いながらいじっていたが、事実、この押した結果、その後真面目にfhanaが帰れなくなってしまうかもしれなくなっており、ネタをマジにさせんなよ!と、終わった後までツッコミを入れたくなったアニソンライブは初めてだった。

 

少し触れてしまったが、今年の3年ぶりのアニエラフェスタの大トリとして締め括るのは、同じく初出演であるfhana。

 

星屑のインターリュード、虹を編めたらと、圧倒的演奏クオリティとポップな世界観を一枚岩のバンドサウンドで表現していく。

先程のangelaにいじられたネタを回収しつつも、この夜空の下で歌える喜びを語りつつもライブは進み、アニソンフェスでもなかなか聞けないワンダーステラでは驚きと同時に目元をタオルなどで拭う方も少なからずだが見受けられた。

 

そして観客の誰もが待ってました!となった愛のシュプリーム!では、このオールスタンディングという環境もあってか、PVのダンスを観客ものびのびと踊っており、誰しもこれがやりたかったんだなと思うと同時に、これはオールスタンディングだからこその特権だと、改めてこの方式で開催をしてくれた感謝を感じた。

 

空間系のダンサブルサウンドなReliefを終えた後、佐藤が夜空も、観客も、全て含めていい感じですと、トータルで気持ちよさを表現したいと思うのはわかるが、この気持ちよさで言葉の語彙力がなくなっていたのか全ていい感じという言葉でまとめていたのをtowanaからつっこまれていた。

そして最後に夜空だけど心には青空をというMCから、towanaがみんなも踊りたいでしょ?と観客の横の感覚を広げ(曰く者間距離)、それぞれのスペースを確保した上で、青空のラプソディを皆で踊り、曲を楽しみ、大団円という言葉がピッタリな最高の雰囲気でライブは終了した。

 

しかしまだ物足りないのか、アンコールを求める手拍子が起こると、早々にメンバーが戻ってくるが、(本来はアンコールなので用意してないのが当たり前なのだが…)実は本当にアンコールに持ってくる曲を用意しておらず、正真正銘のアンコールがスタートする。

ちなみにこのアンコールの際に、先程少し触れたマジでfhanaが帰れなくなる可能性が出ていると話していた。

 

そのため、今日演奏した曲の中からアンコールとして1曲やるという流れになり、星屑のインターリュード・愛のシュプリーム!・青空のラプソディの3曲から、観客に1人1回拍手の権利を持たせ、その拍手の音の大きさで歌う曲を決めるという方法を取ることに。

 

そして選ばれたのは、1曲目に演奏され、やはりこの夜空の下ならばな、星屑のインターリュードだった。

ただ、実は最初に演奏した時、若干楽器のサウンドにトラブルがあり、あれ?と思った人も少なからずいたため、その事もあったから選んだ人も多いはず。
なので、この日のうちに完璧な星屑のインターリュードを聞けたのは、ロケーションだけで選んだというわけではなく、せっかく聞くならパーフェクトなものが聞きたいという、本当にアニメソングだけでなく、音楽が好きな人ばかりが集まっている証拠でもあったはずだ。

実際、演奏後towanaも1回目より上手く歌えたと言っていたが、完璧な状態になった星屑のインターリュードで、今年のアニエラを締め括った。

 

そして最後に、来年の4月に東京・豊洲PITで今年開催した都市型イベントのANIERA City Bashを来年の4月に2daysで開催する告知がアナウンスされた後、実行委員長であり、株式会社アニエラの代表取締役でもあるコバヤシリョウが登壇し、感謝の想いを口にする。

コバヤシ自身、このステージは知り合いの会社に作ってもらったのだが、こんなステージになるとは全く知らず、ここに入った瞬間にえっ間違えた?となったと、実行委員会も知らなかったサプライズだったとのこと。

そのステージを作ってくれた会社だけでなく、様々な会社やスタッフ、ボランティアの方々に助けられてこのフェスを成功出来ましたと語り、ここまで長かったと、マスクをしているが感慨深い表情を浮かべていた。

夜も遅いので気をつけて、うるさくならないように帰ってくださいと、この佐久市への配慮を最後に伝え、3年ぶりのアニエラフェスタは無事、幕を閉じた。