ライブの強制退場を笑い事にすんなよ。
いきなりですが、ライブの強制退場というのをご存知でしょうか?
ライブ終演後に行われる、混雑緩和のための規制退場とは違います。
文字通り、ルール違反の事をした場合、どんなタイミングであろうが、そのライブから強制的に退場することです。
この強制退場の有名なものとしては、ROCK IN JAPAN FESTIVALのダイブしたら退場というルールがあります。
こうなったきっかけとして、ROCK IN JAPAN FESTIVALを運営しているロッキング・オンが、毎年年末に開催しているCOUNTDOWN JAPANというイベントがあります。そこで後遺症が残る事故が起こり、その方が運営に「謳う以上しっかりと実行してほしい」という要望から、ダイブが一切禁止となりました。
と、こうしたルールが正確に定められており、かつこうした経緯から成り立っているのだとしたら、参加される人も納得する方も多いでしょう。
ただ、そういった事故などではなく、観客のマナーの問題でルール/規制がどんどん増えていくこともあります。
そうなると、当然ですが楽しめる範囲が少なくなり、また退場になる範囲が広くなってきます。
その中で、特にライブ中の強制退場が多いジャンルのライブがあります。
それが、『アニメソング』のライブです。
アニメソング(以下アニソン)のライブでの退場者は特に多いですし、それをTwitterで誰かがつぶやいたりするのですが・・・中には、その退場になった本人が直接つぶやいているという事も中にはあります。
・・・頭おかしいんじゃないの?と言いたくなるでしょう。
おそらく、ここまで読んでいただければそう思う方の方が多いでしょう。
しかし、本当に多いのです。
その事例を挙げすぎると本当にキリがないので出しませんが、こんな状況に僕は一言言いたいのです。
邪魔してぇんならラジカセ持ってピクニックでもやってろバカ
と。
強制退場なんて恥ずかしいし申し訳ないと思わねえのか
まず、当事者にはここの意識がないと思うんですよ。
ルールを守るということをせず、そのルールに違反することをして退場になる。
本来ならば申し訳なさや反省の意識が出るであろうに、まるでそれをネタのようにしている時点で本当に救いようのねぇバカだとしか言えないんですよ。
例を挙げると、おそらくアニメソングのライブよりもリア充が多く集まるであろうEXILEやジャニーズのライブ。
そちらのライブでこうした強制退場があったかと調べると、チケットの転売による強制退場はありましたが、ライブ中の迷惑行為による強制退場は調べても出てきませんでした。
おそらく、こういったライブに行かれる方々というのは、年にそう何度もライブには行かない(行けない)かと思います。
もちろんアニソンのライブでも年に1度しか行けないという方も多いかと思いますが、Twitter等で年に何度もアニソンのライブに行く人は多く見かけます。
そうなると、明らかにライブ慣れをしているはずなんですよ。
なのに、なのか慣れ、なのかもしれませんが、ルールを破る行為をする。そして退場になる。
これだけでも、色々な人から見れば恥ずべきことだと理解は出来ないでしょうか?
何のために高いチケット代出したの?
アニメソングのライブって、基本チケット代がかなり高いです。
だいたいが6000円~8000円代のチケットが多く、「この日のチケットまだあるじゃん行くかなー。」と、気軽に買える金額ではないと思います。
ましてや、アニソン系のライブは、10代の若い客層も多く、そんな子からすればこの金額はかなり大きな出費ではないでしょうか?
話は変わりますが、つい数週間前に10年振りの活動再開を発表したELLEGARDENというバンドがいます。
その活動再開ツアーが8月に3本あるのですが、ライブハウス公演のチケット代は2900円。
ファイナルのZOZOマリンスタジアムでのライブも、4900円というありえない価格帯で実現させました。
これは、ボーカルの細美さんがやっているバンドの一つ、the HIATUSのドキュメンタリーやインタビュー等で語っていましたが、
・寝るだけだからホテルは安いところを探す
・必要最低限の弁当しか頼まない
・スタッフを削ってまでして、自分が機材の搬入や積み込み、移動も行う
・ツアースケジュールを詰める
といった努力により、このような価格帯でライブを行うことができるのです。
と少し話が逸れましたが、こういう個人の努力とも言うべきものを中々アニソンでは取れないですし、スタッフ等も大勢必要になることや、バックバンドが必要になることもあるのでそういった諸々の経費を削るわけにはいきませんから、チケット代はやむを得ない所はあると思うのです。
ただ、そうして弾き出したチケット代。その全てを水に流すような行為を、それも楽しみの一つとしてやるのを僕は許せないですし、だったら最初からチケットなんか買わずに、その金を貯めておけばいいだろと思ってしまうのです。
ルールを作ってるのは演者じゃない。見に来てるこっち側だ
僕の大好きなバンドの一つに、BRAHMANというバンドがいます。
そのボーカルのTOSHI-LOWさんが、先ほど例に出したROCK IN JAPAN FESTIVAL。
その2011年に開催された時に大トリで出た際、MCでこう言いました。
「誰もね、多分好き好んで規制なんて強くしてるわけじゃないんだよ。何年か前に、ここで事故があって、それで今こういう結果になってる。やってる方が規制を作ってんじゃねぇんだ。
実は、見に来てる方が、規制を作ってんだ。
あんまさ、文句ばっか言うのもいいけど、どんどんどんどんつまんなくなっちまうよ。自分たちの来る場所、無くなっちまうよ。」
(参照:BRAHMAN DVD『霹靂』 BRAHMAN MC DIGESTより)
この言葉、本当にどこのライブにも当てはまると思います。
自分が楽しむのはもちろん大事です。
ただ、モラルやマナーを第1に、それが出来てから自分が楽しむことが出来てくると思うのです。
むちゃくちゃやれるのは、ルールがあってもそれを守れると運営が信じているから。
でもルールを守れずにむちゃくちゃやりすぎた結果、どんどんルールが増えていく。
でもそこを見て見ぬフリをして、同じことを繰り返していく。そして退場者が出る。
でまた次のライブでルールが更に増えていって、楽しみ方が狭まられていき、そのルールから外れた人は次々と退場されていく・・・
そういうのが当たり前になっていくと、果たして本当にライブが楽しいんでしょうか?
そして、そういう事で1番悲しむのは、他ならない演者側ではないでしょうか?
また、そうして退場されていくのをこんな時代ですから、Twitter等のSNSに簡単にその様子を上げることが出来ますし、もはやそれがライブ後の当たり前になっている節もあります。
そうなると、風評被害とでも言いますか、「〇〇(アーティスト名)のライブって、こんな変な奴らがいっぱいいて退場されるやつ多いんでしょ?」って連想する人も多くなってくると思います。
そんなイメージがどんどん先行してくれば、そんな迷惑なやつが多いなら音源だけ聞いてればいいやとなって、実際にライブに足を運ぶ人が少なくなってしまうのではないでしょうか?
おわりに
ここまで書いておいて、いや俺は/私はそんな事しないよって方のほうが多いと思います。
ただ、そういうファンの悪いところの方が目につきやすいものなんですよ。
昔、僕が大学生のころ、イベントスタッフのバイトをしていた事がありました。
そして、毎年8月にさいたまスーパーアリーナで行われるアニメロサマーライブ・通称アニサマのスタッフのバイトに行きました。
その1日目のあるアーティストの時に、アリーナを何十人かが走り回るというバカな行為をした輩がいました。
それがきっかけで翌日から警備が厳しくなり、また僕たちスタッフの仕事内容もハードになりました。
その様子を見ていて、僕はそのアーティストが嫌いになりましたし、またそのファン達も(偏見になるのは重々承知していますが)あいつらクソだろと思うようになってしまいました。
この事はすぐにネットでも情報が広がりました。
スタッフが甘いなんて意見もありましたが、そもそもそんな所を走り回るバカの思考の方がおかしいだろ!とバイトがすべて終わった後の部屋で1人ビール片手に怒っていましたw
この事件から5年が経ちますが、その間にもアニサマでは数多くの事件がありましたし、実際逮捕者も出たケースもありました。
こんな事が続いていけば、きっとアニソンというカルチャーは衰退していくと思います。
迷惑な行為ばかりが目立ち、そんな事が起こるなら行きたくないなと敬遠されても当たり前ではないでしょうか?
自分たちの文化をこれからも守っていきたいなら、自分たちが変わるしかない。
そのためには、マナーを徹底し、参加者に迷惑をかけずにルールを守り楽しいライブを作り上げることが今もこれからも大事になってくるはずです。
この記事がきっかけで、退場者が少なくなって、ライブのマナーが上がればいいと心から思っています。
それではまた。
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