ナガノアニエラフェスタ 2023 Day2 ライブレポート

※1日目のレポートは以下のリンクから読むことが出来ます。

ナガノアニエラフェスタ 2023 Day1 ライブレポート

前日は、史上初となる、荒天による途中での中止となった。
あんなに晴れていた空が急に打って変わり、誰もの楽しみを打ち砕いたのだ。天候憎し、と誰もが言いたくなり、悔しさを滲ませながらあの日は全員が帰路につくこととなった。

 

そして迎えた2日目。

ハッキリ言うと、地面のコンディションは、昨日雨が降ったとは思えないほど乾いており、暑さも昨日と変わらず、絶好の、いや壮絶な夏フェス日和となった。

 

全員が悔しさを滲ませた昨日から打って変わり、この2日目は、最後の最後まで無事に開催がされ、お昼から夜まで、終始熱演が繰り広げられていた。

そんなDay2の、テンペストステージをレポートしていく。
なお、1日目同様、アーティストについては敬称略とさせていただきますので、ご容赦ください。

 

 

快晴となった駒場公園。気温もグングンと上がる中、テンペストステージは朝からぎゅうぎゅうに人が入っている。

バーチャルシンガーの凪原涼菜の開幕宣言と共に、トップバッターであり、初参加となるWho-ya Extendedが登場する。

準メンバー、と称されているサポートギタリストとベーシストの2人がそれぞれセットに立ち、最後にゆっくりと、ボーカルのWho-yaが登場すると、開口一番、昨日の恨みを晴らすかの如く、あいさつ代わりにサイコパス3のOPである「Q-vism」をお見舞いすると、歓声が上がり、眼前にはアニソンフェス、ではなく、ロックフェスと言わんばかりの風景が一面に広がる。

 

「Icy Ivy」を終え、言葉数少なく、MCよりも曲を沢山やりたいと言わんばかりに、ビルディバイドのエンディングテーマである「A Shout Of Triumph」と立て続けに演奏をしていく。

サポートギタリストは時に、ギターでなくシンセサイザーをプレイし、サポートベーシストはバキバキにベースを唸らせている。そして、ボーカルのWho-yaはその歌声だけであっという間にテンペストステージの空気を掌握していく。
正直、筆者はこれが初めてライブを見たのだが、Who-ya以外はコアメンバー、だと称しているようだが、それでも言わせていただければ、誰がどう見たって、一枚岩の、Who-ya Extendedという名の、バンドがそこにいる。

そんなバンドが、夏のこの暑さに快晴の青空、そして前日の誰もが悔しい想いをしてから数十時間後に、その会場でヘビーでキャッチーなロックサウンドをかき鳴らしている。そんなの、最高に決まってるじゃないか。

 

そんなことを思っていると、あっという間に最後の曲ということで、観客席からえーっというお決まりの不満が出るが、それはもっと早く来てください。と静かなトーンで諫め、最後にこれが聞きたかったんだろう?と言わんばかりに、呪術廻戦のオープニングテーマである「VIVID VICE」を最後にプレイし、ストイックに全7曲を披露した。

 

これが初長野・そして初となる野外フェスというだけあり、気合も入っていた。

盛り上げるようなMC、というのは一切なかったが、むしろ言葉なんて不要。音楽で魅了させると言わんばかりのスタイルは唯一無二であった。

とはいえ、Who-ya Extendedのサウンドは、正直夜の方が似合うと思う。ならば次は、もう少し遅い時間で見たいと願ってしまう。

 

少しの転換を挟み、13時からテンペストステージのライブが再開したが、これはもう、何の拷問なのか?と、30度越えの炎天下。マスクを着けていたが、その下でふと口に出てしまった。

というのも、13時から16時45分頃まで、転換という転換の時間が一切なく、ライブが終わってから1分もしないうちに次のアーティストが登場するという中々のタイムテーブルだ。ファンからしたらたまらないが、とはいえ、この炎天下だと熱中症になってもおかしくはなく、観客もまた、それぞれ思い思いに涼を取りながら、アニエラフェスタを楽しんでいる。

 

そして13時。バックダンサーを2名引き連れ、こちらも同じく初登場となる、Liyuuのステージが始まると、100万の命の上に俺は立っているのエンディングテーマである「カルペ・ディエム」からスタートをする。

 

国や人種のことを特段言うつもりもないのだが、それでも説明をさせていただくと、ご存知の人も多いとは思うが、Liyuuは中国の上海出身。そのため、この2日間で唯一の、海外出身のアーティストだ。

だからこそ、ポップな歌声とダンスだけを見ていると、アニソンライブというよりも、K-POPのアイドルのライブかのようでもある。
とはいえ、日本語も既にかなりのレベルと言っていいほど流暢に喋れているため、そのキュートでポップな姿により拍車をかけていると言ってもいい。

 

ソロで色々ライブにも出演しているが、当然なのだが、長野も・野外でのライブもどちらも初ということだが、やはりこの暑さでのライブも、当然ながら初であり、あついと度々口にしていたが、歌っている時にはそこだけ別な空気が流れているのかのように歌い出す。

ダンサブルなナンバーながらどこか少し寂しげなメロディーも感じる、はたらく魔王さま!!2nd Seasonのエンディングテーマでもある「bloomin’」では自然と手も挙がる数が増えていく。
「ミルクキャンディ」・「ルルカワイマ」はノンタイアップであるが、爽やかなでありつつ、ポップで楽しげなナンバーに加え、キュートなダンスに魅了されてか、知っても知らなくても自然とフロアは思い思いに楽しんでいる。

 

言わずもがな、かもしれないが、LiyuuはLiella!のメンバーでもある。故に、歌もダンスもいいのは多くの人が知っているかもしれないが、それでもソロはどうなんだ?と思っている方も中にはいたはずだ。

だが、ラストの「TRUE FOOL LOVE」を歌い終えた後には、多くの人が歓声を上げ、ポップでキュートな姿とは裏腹に、陽の高い25分という持ち時間の中で全6曲を歌いあげるその姿は、想像していた何倍も、ライブアーティストだった。

 

2年連続出演となった畠中祐は、ウルトラマンZの後期エンディングテーマである「Promise for the future」からスタートをする。
去年と同じスタートだったと思われた方もいるかもしれないが、都度曲中の歌い方を変えるその様は、まるで力を籠めるが如く歌うようでもあった。

それは去年のアニエラ以降、これを歌う機会が多かったからか。あるいは、今年から声出しが解禁になり、ヒーローショーでも子供や大きなお友達がウルトラマンゼットの名前をご唱和した姿を見て、地球で彼の言葉を翻訳している身として、より気合を入れなければならないと感じたのか。それとも、去年は声出しNGだったこのフェスで声出しが解禁されたため、これまで通りにやっては負けてしまうと感じていたのか、気合の入り方が前年とは段違いなことに驚く。

 

歌い終えた瞬間、それに呼応するかのように、まるで野次か?と思わんばかりの、男性からの畠中を呼ぶ声が聞こえてくると、こんなに客席から野太い声が聞こえてくるのは初めてだ!と興奮しながら話しており、男性声優のライブでも男性のファンが多いアニエラだからこその空気感に、終始興奮していたようだ。

 

待ってましたと言わんばかりの、憂国のモリアーティ第2クールOPテーマの「TWISTED HEARTS」でその熱を少しクールダウンさせつつ、けれど心の中でグラッと火を入れていくようなサウンドから、秋だと思っていたらまだ真夏じゃねぇか!と叫び、この今日の陽気にピッタリな「真夏BEAT」では、ノンタイアップながらも次々と手が挙がっていく。

最後にはもう一つノンタイアップだけどと話し、夏の終わりを惜しむような曲だけど、今日はまだまだ夏だと笑いながらではあるが、とはいえ、後僅かで夏が過ぎ去っていくのが全員見えていた。そこから始まった「HISTORY」は、エモーショナルなサウンドで、本当に言葉通り夏を惜しむようなサウンドと歌詞に誰もがエモくなる中で、あっという間にステージを去っていった。

 

ちなみに言っておくと、HISTORYはアニメタイアップではないが、主治医が見つかる診療所という、以前テレビ東京で放送していたバラエティ番組の一時期のエンディングテーマであった、とは付け加えておきたい。
もし関係者が見ていたら怒っていたはずだったため、そう思うと放送が終わっていてよかったのかもしれない。まぁ、長野はテレビ東京が映ってないからってことで、大目に見てください。

 

ここからは立て続けに初出演アーティストが並ぶが、14時というほぼ日が一番高い時間に登場したのは、これが2023年、最初で最後の夏フェス出演となった、キャリア10年以上を誇る声優アイドルグループ、i☆Ris。

アニエラについてエゴサをしていたら、i☆Risは10年以上のキャリアがあって何を予習したらいいかわからない、というツイートを見て、そんな方にもわかりやすい、名刺のようなセトリを持ってきましたと、リーダーの山北早紀はMCで語っていたが、それは本当にその通りだった。

 

「Make it」・「Ready Smile!!」と、i☆Risの知名度を上げた代表作でもあり、共に走り続けてきた、いわば戦友とも言える作品であるプリパラシリーズの楽曲を立て続けに歌うと、フロアは一斉に湧き、手の挙がる数もそうだが、一斉にジャンプをし、地面が揺れる、まではいかないが、異常な量の砂埃が客席から舞い上がっている。その光景に一瞬、ステージなんかフィルターかかってる?と思ってしまうほどであった。

 

しかし、当の本人達は何も起こっていませんが?と言わんばかりに、寸分違わぬほどピッタリと、緻密に計算され尽くしたとしか思えないほど、精緻なダンスと歌のクオリティは、流石、の一言としか言えない。

i☆Ris自体も、最初から順風満帆というわけではなかった。それこそ、ゼロから始まったユニットだからこそ、数多くのライブをしてきて、ファンを着実に増やし、今のこの地位を確立した。10年以上第一線で走り続けてきたため、間違いなく、声優アイドルユニットのパイオニア的存在だ。
アイドルでありながら、その実、ライブを積み重ね続けてきたライブモンスターが目の前にいるのだ。そりゃ、盛り上げ方をよくわかっている。

 

新曲をと言って、「あっぱれ!馬鹿騒ぎ」では、初見の方もコールを合わせていき、タイアップであってもノンタイアップであっても盛り上がりが異常なほど加速していく。

最後の曲の前に、これで私達の夏が終わってしまうと悲しがっていたが、ラストはその悲しみを吹き飛ばすくらいの、「アルティメット☆MAGIC」を披露し、今年最初で最後の夏フェスのステージが終了した。

 

これが最初で最後の夏フェスだということだったが、そのたった一発のフェスは、おそらくこれまで参加したどのフェスよりも壮絶な環境だったに違いない。だが、全員この環境をとても楽しんでおり、かつ、このアニエラは、皆アニメソングが大好きだから、バンドでもアイドルでもソロでもDJでも、誰が出ても盛り上がる空間だ。

特に、アニエラは声優アーティストは数多く出ているが、声優アイドル、という枠で見ると、作品ということを除けば、この2日間ではi☆Risだけだった。
ならば是非、来年もこの枠を埋めてほしいと思う。

 

本来ならば2021年、出演が予定されていたが、直前にフェスそのものの開催が断念となり、今年、ついに初参加となった鈴木このみ。

「Blow Out」・「カオスシンドローム」と続け、先程から熱演繰り広げられていたテンペストステージで、i☆Risから受け取ったバトンの温度を、より高くしていく。

その後、アニエラフェスタの直前に、これを今日やったら面白いかな?ということを書きこんでいたそうで、そこから始まったのは、まさに夏に相応しい作品、いやゲームである、Summer Pocketsのオープニングテーマである、「アルカテイル」。
爽やかなピアノの音が混ざったサウンドは、まさにこの、真夏、と呼べるこの晴天の中で聞くにはピッタリであり、熱量を上げつつも、会場中に爽やかな風を吹かしていく。

 

その後も、MCらしいMCを特にせず、アイリッシュサウンドと共に全員がクラップをしながら楽しむ「Humming Flight!」、皆が望んでいた「DAYS of DASH」・「Theater of Life」と、全6曲のステージを最高速で駆け抜けた後には、ライブが始まった当初の暑さが、少しだけ緩み始めていた。

 

今年のアニエラは、ブシロードが協賛についている。おそらく、その協賛がなければ、このアーティストが出ることなど、この先もあり得なかっただろう。

だが、夢ではない。

アニエラに、長野県に、ラブライブから、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会がやって来たのだ。

 

今回は12人いる中から、上原歩夢役の大西亜玖璃・中須かすみ役の相良茉優・優木せつ菜役の林鼓子の3名が登場し、「Colorful Dreams! Colorful Smiles!」からスタートをすると、Oiコールと共に、スクリーンにはアニメのオープニング映像が流れる。
ラブライブのライブでは、オープニングをはじめとした、実際のアニメの映像を流しながらのライブが当たり前だが、その演出を、まさかこのアニエラで見れることになろうとは。その演出を見ただけで涙が出そうになったとは言えない。

 

とはいえ、目の前のライブは止まることなどなく、「夢への一歩」・「CHASE」・「ダイアモンド」と、それぞれのソロ曲をショートバージョンで披露した後、虹ヶ咲にとって始まりの曲でもある「TOKIMEKI Runners」と、短時間で一気に頂点へと持っていくようなセットリストに、ラブライバーのコールも止まることはない。

 

MCでは、虹ヶ咲にとってこれが初の長野県でのライブになることに触れつつも、フェスもそれなりに出ている彼女達でさえ、やはりこの暑さに触れざるを得ず、大西はワンマンライブやフェスなど色々参加をしてきたが、こんなに汗が出ているライブは初めてと言い、ふと隣を見れば、林の汗の量に大丈夫!?と驚くほどの汗をかいている。そんな壮絶な環境下ではあるが、話している顔はメンバー3人とも、終始笑顔で楽しそうだ。

 

そこから、中須かすみがMVではセンターを務めた「未来ハーモニー」から、観客含めた全員、サビで同じ振り付けをして楽しめる「Love U my friends」と続け、あっという間に虹ヶ咲の長野初ライブは終了した。

 

この日のセットリストを見て、ラブライバーなら何か気付くかもしれない。
この日のセットリストは、虹ヶ咲も結成からしばらく経ち、数多くの曲がリリースされている中で、初期に出た楽曲が中心のセットリストだった。

そこに深い意味はないのかもしれないが、ただ、このフェスは自分達を知っている人ばかりじゃない。そして、初となる長野でのライブだからこその、名刺代わりなライブをしようということだったのかもしれないと深読みをしてしまう。

だが、この日のセットリストとライブがどうだったかは、会場の全員と、ニジガクの3人の顔を見れば、こう言うしかないでしょう。合格!と。

 

開幕宣言をしたバーチャルシンガーの凪原涼菜の映像がスクリーンに流れると、今回はカバーを2曲と自身のオリジナル曲を1曲持ってきましたと言い、その1曲目に選んだのは、「創聖のアクエリオン」だ。

ちょうどこの後が、そのアクエリオンの主人公のアポロを演じた寺島拓篤が出るから、ということもあるかもしれないが、この曲を歌っているAKINO with bless4も、アニエラにとっては欠かせない存在だ。
だからこそ、この曲を選んだのは、来年待ってますという、ラブコールだったのかもしれない。

その次には魔法少女リリカルなのはA’sのオープニングである「ETERNAL BLAZE」という、全オタクが好きという2曲のカバーを披露した後、オリジナル曲である「Okeanos」を歌い上げる。

3曲という短い時間であり、かつ、1日目に出演予定だった松永伊織の直前にライブが中止となったため、今年のアニエラで唯一のバーチャルシンガー枠でのライブとなったが、大いに爪痕は残したはずだ。

 

いきなり話を変えるが、現在アニエラは第1回の白馬・そしてこの佐久の駒場公園に場所が移ってからを含め、計5回開催がされている。

そんな5回の歴史の中で、アニエラフェスタに出演したアーティスト数あれど、現状のライブをした回数で言えば、3回が、アニエラに出演したアーティストでは、最多数となる。
本来ならば、1日目のトリにMYTH&ROIDが、このアニエラフェスタで4回目のライブをする予定だったため、最多回数は4回になるはずだったのだが、知っての通り、1日目のライブが中止となり、それが叶わなくなったため、来年4回目のアニエラのライブを心待ちにしたいと思う。

 

そんな現状のアニエラで、今のところ3回ライブをしたのは、MYTH&ROIDとAKINO with bless4の2組。そのどちらとも、アニエラの歴史を語る上では欠かせないアーティストだ。

そんな2組に続き、今年ついにそこに名を連ねたのは、今回の出演アーティストからのコメント動画・リスアニでのアニエラの特集記事、そのどちらでも最初を務めていることや、様々な媒体でこのフェスへの愛を伝えている。2019年に初出演してから今までずっと変わらず、このフェスへの愛情が凄まじい。だからもう、こう呼んでいいだろう。

 

Mr.アニエラ、寺島拓篤の登場だ。

 

転スラを宣伝しに来ました!と途中のMCでも言っていたが、「Nameless Story」からスタートした後、ライブでは初めて歌うという前置きから、去年出たアプリゲーム、転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚で、熊田茜音と共に歌った「VISIONS」を、若干キーを落とした、ここでしか聞けないソロバージョンを披露する。

 

ただ、宣伝はしつつではあるが、それよりも何よりも、寺島自身がとにかくアニエラの空気を楽しんでいるのが見て取れる。
声出しが解禁されたフロアからの色々な呼びかけに応えてしまった結果、当初はMCを組み立ててきていたそうなのだが、その予定が狂ってしまったことに若干の文句を言っていたが、その顔は終始ニコニコだ。

声出しが解禁されたということもあってか、話し掛けながらMCをし、フェスはお目当てじゃない色々なアーティストが見れる楽しみを語りつつ、先程出ていたi☆Risでは、ステージ端の木陰で見ていたら、目の前に居た人がワギャンランドのTシャツを着ており、思わずそれどこで買ったの!?と聞きに行きそうになったと、演者でありながら、1ファンとしてこのフェスを楽しむ様子は今年も健在だ。

 

そんな中、今日は皆誰見に来たの?と言うと、今日出演したアーティストの名前を言って観客が誰が目当てだったのかを聞きたいとのことで、お目当てのアーティストに対して手を挙げさせていく。

そこで、虹ヶ咲、というところから、自身のユニットのライブの楽しみ方を語りつつ、自身の虹ヶ咲の推しである、 みんなのアイドルである、あのスクールアイドルに触れ、まさかあの曲やるとは思わんかったー・・・と少し満足気に言い、先程歌ったあの曲の一部のコールをしだすと、すぐさま観客もまた反応をする中で、フロアを見渡し、ところでさっきのニジガクのライバーどこ行った!?と、いなくなったフロアに語りかける。

そんな人達に対して、いなくなったことを後悔させてやると言ったため、ここからニジガクのラブライバーが後悔するほどの凄いライブをするのか・・・!そう思っていると・・・

 

アカペラで歌いはじめたのは、その虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の、「繚乱!ビクトリーロード」。しかも、自身のことを歌った替え歌バージョンを1フレーズ。
詳細までは覚えていないが、メガネでカワイイカワイイてらしーといったようなニュアンスであった。

 

まさかニジガクのライバーも、こんな形でこの曲を、それも全く関係ないところからこの曲を聞くとは思わなかっただろう。これは良くも悪くもだが、映像化されなくてよかったと心の底から思った。
ちなみに全パート考えたそうだが、それは裏で一人でやってくれとスタッフさんから注意を受けたとのこと。ラブライバーの職権乱用が甚だしいが、それをついやってしまってもいい。そしてそれを誰も咎めない空気感が、ここには流れている。これを良いと悪いか捉えるかは個人の判断によるものだが、少なくとも、誰も嫌な気持ちにはなっていなかったはずだ。たぶん。

(9/27追記)

この替え歌について、詳細が公開されました。本人から。

 

本人のラジオでこのことについて触れ、その流れで繚乱!ビクトリーロードが流れたのですが、それと共にご本人がメモとして書いたものを公開してくれましたので、ぜひ以下の公式Xでご確認ください。オタクの職権乱用が凄い。

 

そんな楽しみに楽しんだMCから、次はこのアニエラへの愛をメドレーにしたということで、「sunlight avenue」からスタートしたのだが、あまりにも楽しんでしまったのか、珍しく歌詞、いや歌う順番を間違え、次に歌う予定だったWHAT A WONDERFUL WORLD!を歌ってしまうというハプニングをしてしまう。

その自分のミスに思わず膝から崩れ落ちてしまうが、なんとか切り替え、sunlight avenueから、3本指を使ってWを作って全員で掲げた「WHAT A WONDERFUL WORLD!」、去年発売されたベストアルバムの新曲であり、サンキューを歌った「GRATEFUL LAYERS」と、アニエラフェスタでしか聞けないスペシャルメドレーを披露する。

 

そこからアニエラという、アニソン野外フェスというパイオニア的存在に送る「HERO」。そしてラストにはダメ押しと言わんばかりの、同じくヒーローソング、いやウルトラヒーローソングである「Buddy, steady, go!」を歌うと、今年は去年と違い、会場全体がウルトラマンタイガの名前を叫ぶ。
今年もまた大いにアニエラを楽しみに楽しみ、また来年と言葉を残しステージを後にした。

 

ただ、MC中もライブやらずに喋ってたい、と言っていたので、そろそろ来年、ファントムステージの1枠を使うか、あるいは2018年に行われたマフィア梶田のトークショーのように、トークショーだけをそろそろさせてもいいのかもしれない。
多分、ライブとして呼ばれなかったとしても、この人なら、間違いなく、勇んで来る。はず、ではなく、来る。

 

これまで3時間ほど、熱演が続いてきたアニエラフェスタも陽が落ち出し、日中の暑さが嘘のように涼しくなり出したタイミングで、初出演となる南條愛乃のステージが始まる。

「サヨナラの惑星」からスタートをさせるが、その盛り上がりに思わず驚きの声が漏れる。どこかヒリヒリとした世界観の歌であり、言わずもがな元fripSideということもあり、歌の安定感や上手さは言わずもがなだが、ステージに立つ南條のその立ち振る舞いは、いい意味で、格好つけすぎない、本当にそのままで出てきました、というようなスタイルである。等身大、と辞書で引いたら、この姿が出てくるのではないだろうか?と思えるほどに、等身大だ。

その次の「EVOLUTiON:」では、コール&レスポンスを行わせるが、はいここ!と、丁寧に行う場所を伝え、観客も巻き込み、一体となってライブを作り上げていく。のだが、こうしてコール&レスポンスをした背景には、先程までライブをしていた寺島拓篤の盛り上がりを袖から見ていて、コール&レスポンスを沢山している姿を見て、やばいどうしよう私EVOLUTiON:しかこういうコーレス曲ないんだけどと、一人焦っていたそうだが、そんな様子はまるで見られなかった。

 

やはり自身も夏フェスもだが、野外もそんなに機会がないそうなので、私が外にいるの新鮮じゃない?と自ら尋ねると、観客も思わず吹き出してしまう。

そんな和やかなMCから、アーティスト活動が昨年で10周年を迎え、その歩んできた道のりを歌った「ジャーニーズ・トランク」は、夕暮れ時の空にピッタリとマッチし、エモーショナルな空気で会場を包み込んでいく。

 

次にやる曲はと宣言をし、自身にとって長年、声優だけでなく主題歌も担当しており、自身にとっても戦友と呼んでいる、グリザイアシリーズから、「瓦礫に咲く花」・「新世界」と立て続けに披露する。

そうして早くも最後の曲となるが、その前に言いたいことがあると言い、先程、この後登場するangelaのatsukoさんから、なんちゃんが終わったら皆帰っちゃうかもしれないから、その人達を一人でも引き留めて最後まで残って、人がいっぱいにしてあげてください、って言って!と楽屋の方で言われたそうであり、そのことを伝言として伝えるが、もちろんここには南條自身の想いも込められているのは聞いてわかっている。

そして最後に、同じくグリザイアシリーズの楽曲であり、グリザイアの楽園 カプリスの繭編エンディングテーマである「黄昏のスタアライト」を歌い終え、あっという間に持ち時間を終えた頃には、空はすっかり夕暮れ時になり、もうすぐ夜になろうとしていた。

 

あっという間に、テンペストステージのアーティストも残すところ2組となった。
ここまで来ると、テンペストステージのアーティストの持ち時間も40分となり、ある意味ではダブルヘッドライナー的な要素も出てくる。

そんな中登場したのは、アニエラ初出演となり、数多くのアニメソングを歌ってきたロックバンド、FLOWだ。

 

クラップをサビの部分に入れ、フラメンコ調のラテンサウンドをベースにした、テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロスのオープニングテーマである「風ノ唄」から始まり、世界で最も聞かれているFLOWの楽曲である「Sign」、イントロが鳴った瞬間から歓声が沸き、全員がジャンプしそれに応える「COLORS」へと続く。たった3曲だけなのに、既にとてつもないエネルギーが会場中を渦巻いている。

 

初参加だけど凄い熱気にボーカルのKEIGOも興奮しているが、まだまだいけますよね!?と煽ると、メロウなサウンドが特徴的な、エウレカセブンのOPである「DAYS」でより熱気を高めていく。
昨日からそうだが、今年は妙にエウレカづいていたアニエラだった。

 

その次のMCで、このアニエラフェスタで出会った人がいると紹介をし、呼んでいいですかと煽りを受けて登場したのは、なんと先程まで熱演を繰り広げていた寺島拓篤!

というのも、放送予定のTVアニメ【帰還者の魔法は特別です】のオープニングをFLOWが担当するのだが、その主役を演じるのが、他ならない寺島拓篤なのだ。
そうして、繋がりも出来、告知も終わったのでこれで終わり・・・なわけは当然なく、寺島は半分土下座をし、歌わせてください!と懇願しOKを貰う。そんな茶番を経た後、FLOWと寺島拓篤という、ここでしか見れないスペシャルコラボから始まったのは、もはや彼らの必殺とも言える楽曲、「GO!!!」だ。

ツインボーカルに加え、寺島拓篤も交えたトリプルボーカルで歌いつつ、ギターのTAKEはテクニカルなギターソロで盛り上げつつ、ラストのサビの前では左から右から前からと、立て続けにウェーブをさせていくなど、盛り上がりの頂点はとっくに越えており、限界知らずな盛り上がりを迎えていく。

 

そのGO!!!に続き、NARUTO繋がりで、今年にリリースした、NARUTOに関わる楽曲のみを集め、自身でその楽曲をカバーした、NARUTO縛りのアルバムから、去年FLOWと共作もし、同じキャリアを積んできた戦友でもあり、盟友とも呼べるバンド、ORANGE RANGEの「ビバ★ロック」のカバーを披露する。

まさかこんなところで聞けると思わなかった人も大勢いたとは思うが、とはいえ、せっかくFLOWがこうしてこの曲で盛り上げてくれたのだ。
来年はぜひ、FLOWだけでなく、ORANGE RANGE本人達にも出演してもらってこの曲を演奏してもらいつつ、あのアニソンやこのアニソンをやって、アニエラを今年以上に盛り上げてほしいなんて思うのは、わがままだろうか。

 

スカのリズムを混ぜたFLOW流ミクスチャーロックの「愛愛愛に撃たれてバイバイバイ」で更に会場を盛り上げると、トドメにBORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-のオープニングである「GOLD」で、40分の持ち時間全てを使って大爆発させたステージを終えると、大トリのangelaに熱いバトンを繋げた。

 

アニメファンからすると、FLOWはアニソンのイメージが強いかもしれないが、とはいえ、彼らはロックバンドだ。ジャンルで言うと、ミクスチャーロックと呼ばれる界隈のテイストのサウンドでもある。
普段から、ロックバンドの主戦場であるライブハウスを中心に、アニソンフェスだけでなく、ロックフェスにも毎年数多く参加している。20年変わらず、精力的にライブをし続けているだけあり、磨き上げられた圧倒的なライブパフォーマンスに、無敵の一枚岩となったバンドアンサンブル。日本のロック全体から見てもかなり稀な、KOHSHIとKEIGOのツインボーカルスタイル。

そんなバンドが、オールスタンディング形式のアニソンフェスに参加するのだ。初参加とはいえ、誰がどう見たって、ホーム戦になることはわかっていたが、とにかくこの日は凄かったと言えるだろう。
アニメファンからしても、普段のアニメ系のイベントだと、椅子があるのがほとんどで、オールスタンディング形式のFLOWを見にライブハウスへ足を運んだ人は、意外とそう多くないのかもしれない。なので、普段のライブハウスではどういうライブなのかの断片は、この40分で見えたはずであり、そしてわかっただろう。

FLOW、とんでもないライブバンドだわ、と。

 

やはり、1日目が途中で中止となってしまったためか、2日間の終わりがいつもの何倍も速く感じてしまった。

そんな今年のアニエラフェスタの最後を務めるのは、去年本番だけでなく、リハーサルから盛大にやり散らかし、大いに楽しみまくったangelaだ。

実は去年のアニエラフェスタでのangelaのライブレポートを書いていた中で、【ライブはもちろん最高であり、ぜひともこんなにやったからには、いっそ来年出てくれるならトリで期待したい。】と書いたのだが、本当にその通りとなった。

 

今年もまた、サウンドチェックと共にステージに上がってリハーサルを始め、しっかりとしたリハーサルを始める。

現れたatsukoは第一声で、ちょうどまさに同じ時間、サブステージであるファントムステージに出演をしているスピラ・スピカのボーカルである幹葉から、リハーサル中に面白いことを言うのはやめてくれと楽屋の方で言われたという。
理由を聞くと、自身がライブをしているその裏で、angelaが面白いことを言っているのに、それを聞けないのが悔しい。だからやめてくれ・・・と。

それを聞いて、知らんがな。とatsukoは思ったそうだが、その通りだろう。とはいえ、この面白いリハーサルを見れない悔しさがわからないわけではないが。
というか、面白いリハーサルってなんだ?リハーサルって面白いものだっけ?と、たった今書きながら思っている。

 

そしてリハーサル始めます!と一言、「蒼穹」をフルで演奏すると、いきなりの選曲に手だけでなく、サイリウムもあちらこちらで点灯し、それが振られていく。
そして最後には去年と同じく、これ本番じゃやりませーん!という衝撃の告白が。本番前から全力でエンタメをさせてくれるアニソンアーティストは、angelaだけだろう。

それじゃまた後でとステージを後にする際、GA〇NiDELiAでしたーと、またもやここにいないアーティストの名前を出したと思いきや、その代表曲のサビを1フレーズアカペラで歌いながらはけていった。また今年も、おたくらやりすぎと言いたくなったが、とはいえ、トリにも関わらず、いい意味で緊張感なく、エンタメ精神溢れるステージが出来るのも、アニエラならではなのかもしれない。いやとはいえやりすぎだ。

 

改めて本番の時間になり登場すると、「僕じゃない」からスタートし、続けて「AYAKASHI」と、一気にボルテージをマックスにしていく。

2曲終わると、こんばんわーfripSideでーす!とお決まり(?)のMCからスタートし、そこからはずっと、第4期fripSideとしてずっと喋っていき、ライブ告知もしていたのだが、これはもう、どっちのライブ告知してるんだ?と、知らないファンからしたら困惑していたに違いない。

でもって改めてangelaでーす!と挨拶をし、最高に盛り上がったーありがとうございましたー!とatsukoは一度はけるが、皆の声で戻ってきたため、ここからはアンコールが始まる。本人が言っていたのならばあえて言う、アンコールだ。

 

相変わらずの調子で、まるで漫才かのごとくKATSUと2人で喋り、これだけ残ってくれたのはさっきなんちゃんが言ってくれたからと、先程MCで触れた南條愛乃へ感謝をステージ上から言うと、今日の私達のライブの感想をXで言う時に、#アニエラフェスタ、に加えて、#なんちゃんのおかげ、も入れてじゃんじゃん感想書いてください!と、南條愛乃への感謝を告げる。もちろん、その言葉だけでこんなに残ってるわけがないとは言いたいのだが。

 

そんな笑いの絶えないMCの途中で、ちょっとだけ真面目な話をさせて、とatsukoは切り出すと、去年もこのアニエラに出演をした際、その日一緒に出ていた黒崎真音と久しぶりに会えたことを喜び、今度ご飯へ行こうねと立ち話程度だが約束をしていたという。更にその少し後、栗林みな実とご飯へ行った際にも、お互い黒崎真音と仲が良いため、3人で行きたいね~なんてその時は話していたが、それが永遠に叶わなくなってしまい、ああ言っていたのになんで行かなかったんだろう、と、ステージ上で後悔をにじませる。

そして、今日いっぱい色々なアーティストのライブ見て、そこでいいなって思ったアーティストがいたら、その人のライブに行ってくださいと、少しだけ声を詰まらせながら言うと、自然と観客席からは拍手が巻き起こる。

 

当たり前だが、あの日参加していた誰もが、まさかあのライブを見た1年後、いや半年後に、黒崎真音がこの世を去ってしまうなんて誰も思っていなかった。それは、本人だってそうだろう。

ライブ、という言葉は、生、という意味が含まれている。当たり前な話だけれど、生きているからこそ、生で見られる・会いに行ける・遊びに行ける。その重さを誰もが、この1年でより痛感しているはずだ。
特に2023年は、黒崎真音だけでなく、音楽業界でも数多くの著名なアーティストがこの世を去ってしまった。だからこそ、会えるうちに会っておけ、推せるうちに推しとけ、と誰かが言っていたが、それはその通りだろう。

 

少し感傷的な想いに浸っているが、真面目なことはここまでということで、ここからはこの後の曲の振り付けを全員に覚えさせ、手を185回回す必要があるそうなのだが、今回はオマケして、その約1/62の3回だけ回してくれればいいとのことで、その振り付けをサビの部分で行うデビュー曲である「明日へのbrilliant road」から、そのカップリングであり、この夜空にピッタリな、「綺麗な夜空」の2曲という、この2曲が使われていたアニメ、宇宙のステルヴィアのオープニングとエンディングを立て続けにプレイする。

そして、angelaをangelaたらしめ、今の形を作った代表曲であり、19年前の楽曲と前置きを置き、ここが私達の、シャングリラと、angelaの名を一躍アニソン界に知らしめた名曲、「Shangri-la」では、色とりどりのタオルが宙を舞う。

ラストに、赤いサイリウムが辺り一面に広がる中、ここに集いし、アニエラの騎士に向け、万感の思いを込め、「シドニア」を披露する。
ちなみに今年も、KATSUのジークジオンというコール&レスポンスが駒場公園にこだましたとも記しておく。念のために言うと、ガンダムの主題歌ではない。

 

そうして本編が終わって下がろうとした瞬間、アンコールの掛け声がフロアから一斉に巻き起こり、ステージからはけるのを取り止めるが、atsukoは少しだけ裏に戻って何かしらの相談をしてすぐに戻って来たのだが、実は本当にシドニアでライブを終了する予定で、アンコールは完全に予定外だったという。
そのため、先程裏の方でスタッフと相談をし、時間の兼ね合いもあるが、1曲だけならまだ出来るということで、angelaにとっても予想だにしていなかった、アンコール、いやダブルアンコールが始まる。

とはいえ、アンコールを求めたが、まだ皆全力を出してないんじゃないの!?と煽ると、観客もそれに応える。全力で夏を!と、最後にこの夏の総括と言わんばかりに、「全力☆Summer!」をアンコールで披露する。

去年は声出しが出来なかったという事情もあり、右と左に分けて交互にジャンプをさせていたが、今年は声出しが解禁になったため、観客席をそれぞれ右と左に分け、右のブロックはアニエラ、左のブロックは最高!と指示をし、声後にアニエラ、最高!というコール合戦が繰り広げられるなど、今年のアニエラの全力を最後に出し尽くさせた。

 

最後に、もはや恒例となったが、主催である株式会社アニエラの代表であり、主催者のコバヤシリョウが一人ステージへと出てきて挨拶をする。

やはり、1日目が途中で中止となって精神が折れてしまったそうだが、この2日目はそんな心配もなく無事に最後までやりきれたことを伝えていると、自然と会場からコバヤシコールが出だすと、それに感極まり、ステージ上で涙を流してしまう。それで何を言うか完全に飛んだとのことだが、唯一、また来年もやりますので、ぜひ遊びに来てください!とメッセージを残し、大波乱はあったが、2日間のアニエラフェスタ2023は、無事に終了した。

 

 

 

今年のアニエラフェスタは、一番最初に書いたが、史上最も過酷なアニエラフェスタだった。
暑さも長野県とは思えないほど過酷であり、長野県だから涼しいと思われていた方はさぞ苦しい想いをしたことかと思う。

 

そこについて、一日目のレポートの最初の方に書いた、正直運営さんやっちゃダメだろう、と、一フェスの参加者として思った、いいことだけでは終われない、どうしても見過ごせない問題まで発生していたと書いたが、今年は珍しく、運営に一つだけ、不満を持ってしまったことがあるのだが、ドリンクを買える場所が、今年、0だったのだ。

元々マップにはドリンクを買える場所が記されていたのだが、いざ当日会場へ行ってみるとそれがなかったのだ。もちろん、フードエリアでも僅かだが売っていたが、それもごくわずかだったため、2日目には慌てて公式物販で水を販売するという事態になっていた。

個人的にも、公式物販がドリンクを売るなど見たことがなかったため、あえて厳しい言い方をさせていただくと、ドリンクについては、崩壊していたのだろう。

まさかフェスに行って、ドリンクというか、水を売ってるところがないというのは初めてだった。これでは熱中症になっても仕方がないというか、熱中症に注意と言われても、だったら水くらいちゃんと売れ、とも、言いはしないが一観客として思っていた。

おそらくこの件については既にしっかり話し合っているだろうとは想像しているので、なので来年は、しっかりとしたドリンクエリアを設けていただきたいと、心の底から願っている。

 

運営に対しての不満はそれだけであるが、やはりどうしても、触れなければならないことがもう一つある。
これについては、こんなに大勢の人が来るようになったアニエラフェスタでは、全員の意識を合わせることなど不可能であり、もはや仕方ないことなのかもしれないが、今年は若干、ライブマナーが崩壊しかけた部分があった。

特にこちらは、どこにも所属しているわけじゃない。あくまで、個人でやっているので、自身のモラルと良心で言わない方がいいこと以外、タブーはないと思っているので、あえて言わせていただければ、今年、とある曲でサークルピットが発生した。サークルモッシュと言うのかもしれないが、個人としてはこちらの方が馴染みがあるのでこちらで。

そのすぐ後、公式から放送によるアナウンスも行われ、一部はヘラヘラ笑っていたが、とはいえ、個人的にこれは、笑いごとじゃないんだよなと、マスクの下で少しイライラしていた。その理由として、ここからは完全に、実体験の話になる。

 

もう、10年も前の話なので、時効だと思って話すが、実は10年前、とあるアニメフェスのイベントスタッフのバイトに行っていた。フェスの名前は伏せるが、アレだ。

そこでまさに、今日と同じようなことが起きており、その結果、翌日以降スタンドと呼ばれるエリアは、厳戒態勢が敷かれることになり、結果こちらの業務も逼迫することになった。

業務が逼迫することに個人的に当時はイラついていたのだが、今振り返ると、それはお客さんも同じだったはずだ。

今日を楽しみにしていたのに、なんでこんなに監視されなきゃいけねぇんだよ。規制キツいんだよ。俺等関係ねぇじゃん。当時、そう思われた方も多いはず。

 

ただ、そうやって来た観客がルールを逸脱した行為をやっちまったから、その後そう厳しくせざるを得なくなったんですよ、とは、言えるわけがなかった。

その後はもう、皆さんおわかりでしょう。何年も時間が経って、あのフェスがどこまで厳しくなったかは。

 

これは、実は5年前から言っていて、個人的にも凄く大事にしていることなのだが、改めて今一度書きたいと思う。

「誰もね、多分好き好んで規制なんて強くしてるわけじゃないんだよ。何年か前に、ここで事故があって、それで今こういう結果になってる。やってる方が規制を作ってんじゃねぇんだ。
実は、見に来てる方が、規制を作ってんだ。
あんまさ、文句ばっか言うのもいいけど、どんどんどんどんつまんなくなっちまうよ。自分たちの来る場所、無くなっちまうよ。」
(参照:BRAHMAN DVD『霹靂』 BRAHMAN MC DIGESTより)

このブログの管理人であり、唯一の筆者は基本、ロックの畑にいる人間なのだが、中でもBRAHMANというバンドがとても好きなのだが、そのボーカルである、TOSHI-LOWという方、いや鬼は、12年ほど前、某フェスに出た際のMCでこう発言をしていた。

 

それは本当にその通りであり、今が楽しい、のは大事なのだが、その楽しみを逸脱した行為をすれば、翌年以降、いや下手すれば翌日から、あっという間に規制されることになって、楽しみが奪われることになる。それでも楽しめればそれでいいのですが、とはいえ、その規制に文句を言うくらいなら、まぁ最初からやんなきゃいいわけであって。
そもそも、スタッフさんがあそこまでプラカードのように張り紙を持って回って場内を練り歩いたのならば、それはもう、冗談抜きで、しちゃいけないことなんだと察知すべきだったのだろうと。

 

ただ、ここで言いたいことは、ルールを逸脱した方を怒りたいわけではなく、今年が最高で来年も来ようと思っているならば、どうか、どうか、ルールを1つでも多く、運営に作らせないであげてください、ということだけなんです。

 

正直、このフェスはめちゃくちゃ、ルールを最小限に設けており、後はこちらに委ねるというスタンスで居ます。
それならば、それに応えた方が、アニソン好きってカッコいいと思われるはずですし、それが続いていくことで、いつまでも楽しいフェスは続いていくと思うのです。
加えて、個人的には、スタッフさんに余計な仕事を増やすなんてダサい、とも思ってます。

 

来年からどこまでルールが強くなるかはわかりませんが、それでもまた来年以降も、このフェスはあると宣言しておられますので、また来年以降も、最低限のルールの下で、皆でアニソンで遊べるこの空間がずっと続くことを、心の底から願っています。