Ken Yokoyama「Jurassic Sounds Tour」 NAGANO CLUB JUNK BOX ライブレポート

筆者がKen Yokoyama、いやあえてこう呼ばせてもらうが、健さんのライブに足繁く通うようになったのは、干支が一回りする前。約12~3年前からになる。

その頃から見ている中で、健さんは幾度も変わってきた印象を受けるが、ここ近年、また変わっているように思う。

ただそれは、人となりやバンド、機材などが、というより、ライブが変わってきた。そんな印象を受けるのだ。

 

ここ近年、Ken Yokoyamaはあまりフェスには出演せず、ライブハウスでのライブに比重を置くようになっており、かつ、フェスに出たとしても、わかりやすい定番曲を持ってくるのではなく、最新曲や、なかなかツアーでもお目にかかれない(この場合滅多に聞けないという言い方が正しいかもしれませんが)曲をプレイすることも多くなってきた。

事実、僕が3カ月前に行った【SATANIC CARNIVAL 2025】では、Last Train HomeやMy Shoes、Can’t Take My Eyes Off Of Youといったレア曲を多数披露し、それはそれでとても嬉しかったというのは言うまでもない。

 

何故今のKen Yokoyamaがこのようなスタイルを取っているのかというと、Punk Rock DreamやI Won’t Turn Off My Radioなどの定番曲はあるが、それは自分達のライブでいっぱいやるから、ということをステージ上で本人が口にしている。
その言葉に、嘘はないというのは誰しもがわかっていることだが、あえて邪推するのならば、フェスではなく、ライブハウスという本来ロックバンドが居る場所に、フェスのお客さんを連れていきたいという覚悟も込められているのかもしれない。とはいえこれも、あくまで一個人の考えなので、本人の本心はまた違うところにあるのかもしれないが。

 

そんな今回のツアー「Jurassic Sounds Tour」は、新作のリリースツアーというわけではなく、あえてこう言わせてもらうが、文字通りツアーであり、新作も新曲は一切ない。
けれども、新作がないツアーということにも、メリットは当然ある。

いわゆる最新作のリリースツアーとなると、良くも悪くも、ツアーのメインとなるのはそれらの楽曲であり、既存曲はどうしてもやらない傾向になってしまう。
だが、新作のないツアーであれば、どこからやっても関係がない。というより、メインとなる楽曲がないということはつまり、これまでリリースしてきた楽曲の全てがメインとなるため、ある意味では、このツアーはオールタイムベストなツアーになっているのだ。
そのため、Ken Yokoyamaのファンの中には、こういった色々な曲をやってくれるライブツアーを待っていたファンも多いかもしれない。

だからなのか、ツアータイトルも、Jurassic Sounds。恐竜の音という意味合いだが、今では化石となっている伝説の存在達にちなみ、化石のようになっている楽曲達の音を今再び現代に鳴らし、呼び起こす・・・なんて意味合いが込められていたらいいね。
(※個人の妄想です)

 

前置きが長くなったが、ここから改めて、この日のライブのレポートをしていく。

Ken Yokoyama自体、長野県には度々、北陸を回るキョードー北陸が主催するイベント【乱シリーズ】で来てくれているため、そこまで久しぶりというわけではないが、このNAGANO CLUB JUNK BOXでライブを行うのは、2023年に行われたツアー以来となるため、約2年半ぶりだ。

そして、偶然か、はたまた意図的なのか、この日のゲストバンドは、今紹介したその2023年のツアーの時と同じく、PIZZA OF DEATH所属の仲間であるバンド、COUNTRY YARDが務めることとなった。
COUNTRY YARDもまた、この日以降長野でのライブは無かったため、長野自体のライブもその時以来となる。

かつ、ここ最近COUNTRY YARDは、ライブを見れる機会が非常に限られている。だからこそ、ツアーのゲストとは言えど、非常にレアな機会となった。

 

19時の定刻と同時に照明が落とされ、COUNTRY YARDのメンバーが袖からゆっくり登場し、それぞれの持ち場に立つ。

長野調子どう!と、ボーカルのSit(以下、バンドメンバーの名前については全て敬称略)の一声からCOUNTRY YARD始めますという簡単な挨拶から、Seven Years Made My Nowからライブをスタートさせる。
ボーカルのSitに加え、ギターのHayatoも都度歌い、ダブルボーカルのように歌い上げていくこの曲、並びにCOUNTRY YARDならではの唯一無二のサウンドで、一気に空間を掌握していくと同時に、早速フロアではモッシュ・ダイブも発生する。

 

この日のライブだが、個人的に何度かこのライブハウスでライブを見ているのだが、初めて前方に柵がなく、ダイブをしたら、前方に待機しているスタッフに押して戻されるか、あるいはステージダイブで戻るというスタイルのライブとなっていた。

そのため、何人もライブをすると、場合によっては渋滞のような揉みくちゃ状態となり、半ば危険な状態になりつつあったが、そこは歴戦のPIZZA OF DEATHキッズ達。ダイバーを支える・下ろす安定感は抜群だ。
とはいえやはり危ないのは間違いないので、やるならば自己責任で。

 

少し話が逸れたが、そんな激しくもエモーショナルなSeven Years Made My Nowから、立て続けにIn Your Roomを投下すれば、PIZZA OF DEATHロゴを背中に背負った大人達が次々ダイブをし、ダイバーが拳を伸ばす様を見て、Sitも拳を伸ばし、グータッチを行う。ラストのサビ前のコーラス部分では、はいせーの!とSitが合図をすれば、フロア全員にコーラスを任せるという、今のCOUNTRY YARDのライブのやり方とも言うべきライブを見せていく。

 

俺らのこと初めて見る人正直に手を挙げてと尋ねると、多くの人が手を挙げていた。一方知っている人に向けては、俺たちのやり方を見せようと焚き付けつつ、COUNTRY YARDへようこそと初めての人に向けての挨拶から、I’ll Be With Youで、よりCOUNTRY YARDの世界観や遊び方を作り上げていく。

2020年以降のCOUNTRY YARDのサウンドを見せるかのように、ミドルテンポだがその裏に見える確かな熱量が伝わってくるUmi。ダンサブルかつポップ、けれどカントリーやロックなど、様々な要素を1曲で感じられるため、どう表現すればいいかわからない。けれどこれぞCOUNTRY YARDが作るメロディーの代表的な曲の一つともなったPurple Daysと続ければ、ただモッシュやダイブをするだけではない。音楽は好きに楽しんでいいし、何だっていいんだと訴えかけてくるかのようだ。

 

皆思ってることだけど、俺ら健さんのツアー誘われる時いつも長野なんだよねとSitは笑いながら口にし、すかさず長野がCOUNTRY YARDのホームタウンだって皆どんどん言っていってとダメ押しのように長野プッシュをしたうえで、東京のCOUNTRY YARDですと改めて挨拶をする。

最高なら最高って口にしてほしいし、そうじゃなかったらそうじゃないって口にすればいいと、どう思われても捉えられても全く気にしていないような素振りを見せ、ここにいるみんな音楽、パンク好きでしょ?みんな仲間だからこそ、誰も怪我してほしくないし、綺麗事かもしれないけど、全員幸せになって帰ってほしいと、素直な想いを口にしたうえで、40分くらい今日は貰ってるから思いっきりやって帰ると宣言をし、拳をあげてサビのコーラスラインを歌いたくなるOrb。久しぶりに、と小さく口にした後で披露したSmile For Milesは、どこまでも広がっていくような壮大なスケールが見えてくるかのような演奏に、初めて見る人もCOUNTRY YARDの良さがじわじわ染み込んでいるかのようにも感じた。

 

最高!とフロアから声が飛べば、俺も最高だよと返すなど、みんなめっちゃ話しかけてくれるじゃんと、Sitも嬉しそうに笑みを浮かべる。

今日のツアーはJurassic Soundsとついているけれど、俺たち全員背が小さいんだけど、まぁ小さな巨人ってことでと軽いジョークを口にしたのだが、誰も他のメンバーが反応せず、誰も反応してくんないじゃん!と思わず驚きの声をあげると、まさかの反応だったのか、ギターのYukiが爆笑しており、今のCOUNTRY YARDのバンド内の空気感がここにギュッと濃縮されているように感じた。

 

そんな穏やかで温かい空気感の中、明日の高崎公演もCOUNTRY YARDは帯同するが、次のライブは11月となるため、今日はぶちかまして帰るわと宣言し、あと3曲と残りの曲数を口にし、口火を切るかのようにドラムのShunの力強いドラムから、全員で一斉に音を合わせるイントロに、一気に気持ちが高まり、始まりと共にそれが爆発するQuarkでフロアを再度着火させた後、お前ら皆星になっちまえよ!と、Starry Nightが演奏される。

また、これはCOUNTRY YARDのXにこの日のライブの模様が載っているためここでも言わせていただきたいが、普通、ライブとなると、どんな曲でも音源より演奏が速くなっていくのが当たり前といえばそうなのだが、今のCOUNTRY YARDのStarry Nightは逆で、サビは音源よりもテンポが遅くなっていたのだ。

しかし、逆にそのようなライブのやり方だからこそ、一つ一つの言葉を丁寧に歌い上げるSitと、一音一音を思いを込めて演奏するCOUNTRY YARDメンバーの姿は、どこか完成されたような円熟味があり、やはりこのバンドは、唯一無二だと改めて心の底から思わされる。
そう感じるのも、筆者が健さんを好きになり、ライブに足繁く通うようになった中で、COUNTRY YARDも知り、ライブも何度も見て、音源もずっと聞いてきたからこそ、そう感じるのだ。

 

最後の曲の前、Sitは、今日は終わるけど明日ひょっとしたら隣にいるやつがいないかもしれないし、明日のことなんてわからない。けど生きるでしょ。生きるしかないじゃなくて、生きるでしょと、強くSitは口にし、やりたくないことやんなくていいよ。好きなことやっていこうよと更に声を大きくし、自らの想いを叫ぶ。
それが本当に心の底から思っていることだとこちらにも伝わってはくるが、とはいえその言葉が綺麗事だということも、それが難しいこともわかっているかのように、でも社会や学校、人間関係とか色々あると思うと、それぞれの人生に寄り添うかのように優しく語りかけた後、でもそんな中で、そんな日々に音楽が活力となってみんなの中で循環していってほしいと、音楽との付き合い方を口にすると、拍手が起こる。

その想いを込めるかのように、届け先は住所ない場所と歌詞にあるように、それぞれの心や人生という、住所のない場所に届けるかのように、万感の思いを込めてDokokaをこのジャンクボックスにいる全員に届け、ステージを後にした。

 

COUNTRY YARDも、今年は昨年よりは多くライブをしてくれたものの、来年の活動がどうなるかは未定だ。
とはいえ、それでも少しでも長く続けてほしいと願わざるを得ないのはもちろんではあるが、とはいえ無理だけはしてほしくないというのは、心の底から思っているため、これからもどうかマイペースに、長く続けていっていただきたいと願っている。

と同時に、リップサービスなのはわかっているが、長野がホームタウンと言ってくれたからこそ、また早いうちに、戻っていただき、本当にCOUNTRY YARDの第2のホームタウンに、長野がなってほしい。それほどまでに長野にたくさんライブをしに来てくれるということも、願わざるを得ない。

 

20分程の転換の中、METALLICA、Turnstileといったメタル、ハードコア等に加え、The BirthdayのSEとしても使用されているThe CrestsのSixteen Candlesまで、様々な曲がフロアに流れる中、以前Ken YokoyamaのSEとして使用されていたhepcatのI can’t waitが流れ、それに気付いたファンが手拍子をし、それが終わると同時に、客電が落ち、Fatboy SlimのThe Rockafeller Skankが流れ、メンバーが登場する。

いよいよ、Ken Yokoyamaのステージが始まる。

 

さぁ1曲目はなんだ?と誰もがワクワクしている中で始まったのは、セカンドアルバム【Nothin’ But Sausage】から、Summer Of ’99。そのまさかのスタートに、驚きよりも体が動くファンの方が多く、ジャンクボックスのフロアほぼ全てが、モッシュピットに一瞬で化す。

懐かしの楽曲に続いて、現状リリースで言えば最新アルバムであるカバーアルバム【The Golden Age Of Punk Rock】から、ボーカルのKenの盟友、NOFXのStickin’ In My Eyeが来るのだから、改めて、オールタイムベストツアーだというのがこれでハッキリする。

 

長野クラブジャンクボックス2年半ぶり!とKenは口にすれば、歓声がフロアから上がる。

そこにすかさず、健さん助けに来たぞー!と、どんな人なのかわからないが、常にそう言うファンがここ近年居るようで、今回もフロアに居た。だが今回、そう言ったタイミングが本当に完璧だったからこそ、Kenも爆笑するが、今回ばかりは本当にそうだと言わんばかりに、いつも皆に助けられてるよとしみじみ口にすると、またもやフロアから歓声が上がる。

 

だがすぐ、じゃあ俺が歌ったみたいに歌ってくれるかい!?とライブを再開させ、ウォーオーオー、と文字に起こすとこのようなコーラスを求めさせ、それに合わせフロア中で大合唱し、曲が始まっても続けてくれ!とKenは求め、ウォーオーオーの大合唱の中、My Shoesに雪崩込むように入っていく。

そのコーラスにサンキューとKenは感謝し、じゃあ次は昔の曲をやるわと宣言すると、南ちゃんのイントロドン!と、ギターのMinamiが弾き出したイントロは、Jealousだ。
更に立て続けに不死身のバンドという意味が込められた4Wheels 9Livesに入れば、もうダイブもモッシュも止まらない。熱気もMAXであり、後ろに居ても汗だくになる。おそらくここに湿度計があれば、終始100のままだろう。
だからか、曲終わりにちょっと曇ってきてんぜとKenも驚き、換気しよう換気と、MCという名の換気タイムに入る。

というより、これは実際そうだったので備忘録として書くが、この日のKen YokoyamaのライブのMC中、常にスタッフが入口のドアを開け、換気を促し、曲が始まったらまた閉めるということをしていた。
正直に言うが、こんな状態になっていたジャンクボックスを、僕は初めて見た。

 

今回のツアーはリリースもないため、昔の曲も最近の曲もやる。それほどまでに、皆の人生に馴染んでるってことでいいですよね?と含みを持たせるように聞くと、もうKen Yokoyamaの音楽は自分達の人生のBGMだぜと言わんばかりに、フロアからは歓声が上がる。

じゃあ現状の最新アルバムからやるよと、現状オリジナルアルバムでは最新となる【Indian Burn】から、The Show Must Go Onをプレイする。

ショーを続けなければならない、ステージに立ち続けてないといけないという内容のこの歌は、今のKenには特に応えるようであり、歌いながら自分に跳ね返っているようだと、曲終わり、Kenはそう口にした。

 

既に公式Instagramで本人が語っていることだが、ちょうどこのライブの1週間前、ツアーの大阪・名古屋公演の直前、風邪により高熱、並びに喉を壊し(本人曰く、気管支が悪くなっていたとのこと)、熱は直前に引いたものの、喉は治らなかった。
だが、ライブは最後まで行ったのだが、歌に関しては全くと言っていいほど歌えなかったのだという。

しかしそんな状態だからこそ、集まったお客さんが、代わりに歌うなどしており、ライブ自体はファンの協力もあったため、楽しかったと本人は言っていたが、とはいえこの感情をどう言えばいいかわからないと、複雑な胸中も口にした。

 

そのため、この1週間、スタジオ練習はしつつも、声は出さずに行っており、実は1曲目が始まる前までブルーだったと、ステージに立つ直前までの自らの様子を、深刻にならないよう面白おかしく語る。

だが、いざ歌ってみたら、今日喉調子いいわと笑顔で語ったため、不安だったファンとしても一安心出来る報告だった。

 

盟友NO USE FOR A NAMEのカバーであるInternational You Dayから再開させた後、Kenは自身の喉を指さし、上げたり下げたりのジェスチャーをしつつ、それを見ながらフロアも歓声を上げたり上げなかったりした後、My Own Wish、Ten Years From Nowを立て続けにプレイしたのだが、あの言葉もない、シュールなジェスチャータイムはなんだったのだろうかと、振り返ってみてもよくわからない。

 

健さんお願いがあるんだけどとフロアの誰かが言い、聞くだけ聞きましょうと返すと、そのファンはDEAD AT BUDOKANをやってと言うが、30年以内にやるわと、承諾というより、やんわり却下した。

そのままの流れでリクエストタイムに突入し、ファンからはRicky PunksやSucky Yuckyなどリクエストするが、どれもこれもを断っていく。後者に至っては美味しいよねと言って断ったと書いておく。

収拾がつかなくなってきたのか、じゃあジュンちゃんに言って!と、ベースのJun Grayにパスすると、今度はJunに向かってファンがリクエストを求めるが、あまりにも一斉に言うからなんて言ってるかわかんないと、Junも困っていたようだ。
ちなみに、Fuck Up, Fuck Upを求めるファンもいたが、Junは断っていた。

 

そんな状況の中、ちょうど誰かが、Holidayと言ったのをKenが拾い、ちょうど今来日してるもんねと口にした。

そう、まさにこのライブが行われていたタイミングで、ちょうど原曲を歌っているThe Get Up Kidsが来日しており、かつ、実はこのライブの直前、まさにライブを見に行っていたのだという。
そのライブは、KenとドラムのEKKUNと2人で一緒に行っており、特にEKKUNは、ロボットのアルバムのやつ(Something to Write Home Aboutのことだろう)をよく聞いており、彼女と別れた直後、このアルバムをずっと聞いていたのだというエピソードを語る。

 

そのライブが良かった・・・という話をするかと思いきや、話は、ライブ終了後のThe Get Up Kidsのメンバーと話した時のエピソードとなる。

その挨拶の際、EKKUNは感情が高まっており、英語で話していたのだが、その内容があまり向こうに伝わっておらず、The Get Up Kidsが困惑していたのだという。
ちなみに、隣にいたKen曰く、その時話していたEKKUNの英語を翻訳すると、俺よくこのアルバム聞いてた。彼女と別れた。最高!というような英語を言っていたのだという。

 

そんなエピソードから、改めてHolidayをプレイした後、Kenは片足をステージの前に乗せ、1つコードを弾いたのだが、ここからとある理由から、あまりにもひどい下ネタトークに入るのだが、ここでは書かない。理由は公序良俗に反するためである。
(本音?そんなこと書いて自分のこのブログセンシティブ認定されてBANとかされたくないし)
ちなみにその時に、とある流れから、シャイン"横山"マスカットなるワードが生まれたことも書いておく。理由は書かない。

そのあまりにも酷すぎる下ネタトークに、思わずフロアから最低!と声が上がるが、いや俺だって家では大人しいし下ネタなんか全く言わないのに、ここに上がると言っちゃうし、そんなの求めてる変な大人ばっか集まってんだろ?と、ファンにもその責任の一端があるのだという。
ただ今回堰を切って話し出したのはKenだというのは伝えておきたい。

 

そんな下ネタトークから改めて曲に戻り、このコード知ってっかい?Dコードって言うんだぜとコードの解説をし、次にこれはD7、これはGと、次々弾いたコードのコード名を解説していく。

だが、コード名がわからなくとも、ファンならばそのフレーズは聞き覚えしかない。次のコード、いやフレーズはこれだと言わずもがなわかるフレーズから、ゆっくりKenが弾き出す。
10年前、初めてミュージックステーションに出た時に演奏した代表曲、I Won’t Turn Off My Radioだ。

盛り上がりも最高潮に達すると同時に、ラストではイントロを弾き続け、Radioコールを長い間求め続けており、10年でこの曲も、大きく変わったと、改めて感じさせられた。

 

この後なのだが、このツアーに何本か参加している人がシークレットとして書いているのだが、正直明言されていないので書いてもいいかもしれないし、あるいはどこかに書いてある・言っているのを僕が見落としている可能性もあるため、書かない方がいいのかという判断がわからないのだが、一応リスクを避けて、ここについてはこちらも詳細は書かないことにする。

ただ、薄らぼんやり言うと、ちゃんと曲ではある。でもあれ、振り返ってみても、なんだったんだろう?とだけはお伝えをしておきたい。

 

そんな時間が終わり、Indian Burnをプレイすると、ファンも相槌、手拍子を綺麗に決める。
だがその後、その相槌の言葉から、またもや下ネタトークに入ったため、その部分についてはカットさせていただく。

 

そして今回、久しぶりにCOUNTRY YARDと一緒にライブを回り、先程まで熱演を繰り広げていたCOUNTRY YARDに大きな拍手をとKenが言った後、大きな拍手がフロアからCOUNTRY YARDに送られる。

彼らも最近あんま頻繁に動いていなかったという旨の話から、その理由を袖にいるCOUNTRY YARDメンバーに尋ねるが、ここでもまたまた下ネタになったのでカット。

 

その流れで、この長野という土地だからこそ、かつてPIZZA OF DEATHからリリースしていたバンド【THE INRUN PUBLICS】について触れると、最前にいたファンの一人がまさに、THE INRUN PUBLICSのTシャツを着ており、やっぱ長野は違うな!と感嘆する。

そしてまさに、今日このライブに、ドラムの上村悟朗が来ており、なんか来て話してよとKenが誘うと、ロックンロール!と一言言って、あっという間に袖にはけていった。

ただ、これはあくまで邪推にはなるが、それは単に恥ずかしさもあったのかもしれないが、今こうしてバンドをしていない自身が、呼ばれたからといって安易にステージには立つべきではないという想いもあったのかもしれない。

 

そんな流れから、THE INRUN PUBLICSとの思い出を語り出し、この長野の地で出会ったのだが、名古屋と自身も気付かないうちに言い間違えており、思わずフロアから長野!と突っ込みが入る。
だがそこから、あえて長野を名古屋と言い間違え、フロアからの突っ込みを求めるという、漫才のようなスタイルを取っていくが、名古屋ではなく大阪と言い間違えると、あまりに離れすぎていたのか、フロアが誰も反応せず、おいそこは反応しないのかよ!?と逆にKenが突っ込む事態となった。

その思い出話を語る中で、ギターを構えると、THE INRUN PUBLICSの楽曲である、お前の部屋をうろ覚えながら1フレーズを歌いながら弾くと、会場からは拍手が沸き起こる。

 

そんな話をしつつも、でもやっぱりバンドを続けるのは難しく、生活やライフスタイルが変わることで、バンド活動との両立が難しくなっていって出来なくなっていくこともある。音楽だけで飯は食えないと、PIZZA OF DEATHという会社の社長だからこそのシビアな話をするが、それでもCOUNTRY YARDはまだやってくれているから、また一緒にやりたい。THE INRUN PUBLICSには、またやってくれと口説いてると、希望を持たせる言葉を口にした。

そこからのParasitesは、魂は誰かの寄生虫となるという内容の歌詞だが、Ken YokoyamaもCOUNTRY YARDもTHE INRUN PUBLICSも、聞いている誰かの寄生虫となって、今も生き続けている。例えバンドが動いていても、止まっていても。そんなことを感じざるを得なかった。

 

更に熱量を上げるかのようにForever Yoursをフルスロットルでプレイし、終わってすぐ、喰らってくれ!と伝家の宝刀を抜く合図を口にする。
パンクに胸を打ち抜かれ、未だにそのパンクのトゲが抜けない、全てのパンクスのアンセム、Punk Rock Dreamが鳴り響いた。

 

この2年半ぶりの長野クラブジャンクボックスの公演になるが、まさにその2年半前のライブの時は、2023年の4月だった。

覚えている人も多いかもしれないが、ちょうどこの時期、新型コロナウイルスが5類へ移行となり、それまで声出しNG、ソーシャルディスタンスを設ける、収容人数を大幅に減らすなど、とにかく制限まみれだったライブの在り方が緩和されたのも、まさにこの頃だった。

その時のライブのことについてKenは触れ、その時皆グラデーションなしでいつも通りやってきたから、溜まってたんだろうなと、当時の状況を思い出し、感慨深そうに2年半後のフロアを見つめながら口にした。

 

そしてまさに今回、喉がダメになったことで、精神的にもやられていたようで、コロナのワクチン注射やら陰謀論やら見ちゃったと、少しジョークを交えながら語るものの、生活やライフスタイルが変わることで、バンド活動との両立が難しくなっていって出来なくなっていくこともある。と先程自身が語っていたが、それ以外にも、病気になってバンドが出来なくなる、あるいは、命まで奪われる。そんなことだって、往々にしてあり、日本のロックバンドでも、病気に殺されてしまった人も、数多い。
だからこそ、自身もこんな風にステージにいつまでも立ち続けられるわけではないというのを、肌でも感じているのかもしれない。

 

そんな弱っていた状態だったからか、俺ももうこれまでかもしれないと、一瞬そう思ってしまったと語り、前々から口にしている、お金や時間を割いて来てくれるファン。特に今回まさに影響を受けた、大阪と名古屋のファンに対して申し訳なさそうに、苦しそうに話すKenの姿から、今回の2本は相当応えたのだと、そこに行っていなかった自分ですら感じていた。

だからこそ、ファンも元気づけようとしたのか、またやってよ!と声が飛び、うんまたやるよと、改めてのリベンジをステージから誓い、俺今56歳になったんだけど、そうやって考えた時に、ステージにこうしてまだ立ってやっていられるのはもちろんのこと、何よりも来てくれる皆本当にありがとうと口にすると、温かい拍手が送られる。

 

湿っぽい時間はここまでと言わんばかりに、残り2曲と宣言をし、長野Lagwagonは好きかい!?とステージから尋ね、Lagwagonの代表曲のMay 16をプレイし、ラストには代表曲の一つでもあるLet The Beat Carry Onで締めくくった・・・のだが、ここで一つだけ、備忘録としてこんなことがあったと書かせていただきたい。

 

Kenが自分のマイクをフロアに投げ込むという、Ken Yokoyamaならではのパフォーマンスをしている間、KenはJunのマイクで歌っていた。

その最後のサビ、いつもならば歌うところ、珍しく歌わずに、こちらに語りかけてくれていた。

ただ、申し訳ないのだが、はっきりと聞こえずらいところがあり、完璧に聞けていたわけではないのだが、あくまでこんなようなことを口にしていたのだというところで留めていただければと思う。

 

俺はみんな仲間だと思ってる。仲間たちありがとう、と。

 

僕はこのツアーはこの公演しか行けていないため、他でもそうなのかもしれないし、これは当たり前だよと何か所も行っているファンは口にするかもしれない。そうであれば僕の知識が足りず申し訳ないのだが、ただ、正直に言えば、曲中で歌わずに、感謝を伝えたKenを、健さんを、僕は初めて見たと、お伝えさせていただきたい。

 

そうしてLet The Beat Carry Onが終わったと思いきや、もう1曲どうだい!?と、自らアンコールを提案し、フロアもまだまだと言わんばかりの歓声を上げると、本当の最後の曲、These Magic Wordsをプレイする。

これまで、いや今もずっと、聞いている誰かの背中を、ケツを蹴り上げてきた。しかし今はそれだけではなく、大丈夫だよと、聞いている誰かの肩にそっと手を乗せてくれる。無責任かもしれないが、大丈夫だと言ってくれている。健さんが言うなら大丈夫なのかもしれない。そのうちオーケーになるんだろうと、聞いている我々の心を軽くさせてくれる。そんな温かさが、今のKen Yokoyamaのスタイルなのかもしれない。

最後の一音を弾き終えた後、COUNTRY YARD!THE INRUN PUBLICS!と、今日出てくれたPIZZA OF DEATHの仲間のバンド達の名前を叫び、楽器を置いた。

 

ライブ終了後には、一人Kenはステージに残り、最前列でずっとダイバーの嵐に耐えていた一人一人にピックを手渡しし、後ろの方にもあるだけ投げていく。

全てを投げ終えた後、ありがとう!と、感謝を口にし、顔をくしゃっと歪め、晴れやかな顔で、ステージを後にした。