FACT「FACT IS LIFE TOUR 2025」 豊洲PIT(day2) ライブレポート

このブログは、FACTが解散してから2年後に始めた。だから、FACTのライブレポートを書くことは不可能だった。

 

ただ、僕は2015年の解散の前、2014年からFACTのライブに行きだしたという、相当な後追いなのだが、とはいえ、自分でも驚くくらいにドハマりし、相当な数ライブに行った。

そのため、当時のTwitterに都度ライブに参加し、その時のことを書いてはいたものの、とはいえ、このバンドのライブのレポートを、自らが運営しているこのブログに書く日が、書ける日が来るなんて、思ってもみなかった。

 

人によっては、FACTのライブをライブハウスで見るのは初めてという人も多いだろう。
だが僕は、先程も触れたように、FACTを何度もライブで見ており、ライブハウスで見ていたことの方が多かった。

ただ、豊洲PITが出来たのは2014年の10月であったが、2015年にFACTが最初の解散をするまでに、豊洲PITでライブをしたことは一度も無かった。当時はZepp Tokyoが、FACTの自主公演のライブでは、最も大きいキャパシティのライブだった。
2015年のツアーの東京公演の時も、東京公演はTOKYO DOME CITY HALL(現Kanadevia Hall)でライブをしており、あそこも相当大きい会場ではあるが、とはいえ正直、あそこをライブハウスと呼ぶ人は、ライブ好きでもあまりいないだろう。

だからこそ、3000キャパのライブハウスでFACTを見る。つまるところ、現状日本最大のキャパシティのライブハウスで、FACTのライブを見る経験は、自分にとっても初めてのことだった。

 

ただ、10月にFACTはまた解散する。おそらく今度こそ、復活はもうしないだろう。

だからこそ、どこであっても、見届けたかった。

 

東京のライブハウスでライブをした最後の日。その日をレポートしていく。

この豊洲PITのライブは9/14・15の2日間行われ、初日には解散直前に出会ったバンド、The BONEZがゲストとして出演をした。

そして2日目は、おそらく本ツアーに出演するゲストバンドの中で、最も長い付き合いのバンド、HEY-SMITHがゲスト出演することになった。

 

度々HEY-SMITHも口にしているが、アメリカツアーをHEY-SMITHがしているときに、ちょうどアメリカでレコーディングをしていたFACTと出会っていた縁や、共にライブをしていたこと。2014年のWITNESSツアーの際、現在ビッグネームとなったMemphis May Fireが出演キャンセルとなった際、東京公演に代打で出演したことなどあるが、FACTとHEY-SMITH、いやボーカルギターである猪狩(以下、人物名については全て敬称略とさせていただきます。)の関係で、個人的に一番思い出に残っているエピソードがある。

 

2014年、HEY-SMITHが当時アナウンスはなかったが、一時活動休止をしていた際、大阪で行われた【Redline Tour】にFACTが出演していた際、アンコールで猪狩を呼び、this is the endを弾かせたことがある。
この当時、HEY-SMITHは活動休止なのか解散するのか、どうなるかわからなかった中で、猪狩を再びステージに上げてくれたFACTに、FACTも好きだが、HEY-SMITHも好きだった僕は、当時凄く感謝をしていた。

 

だからこそ、そういった関係性を踏まえると、今回の対バンツアーの中で、一番誰との対バンライブが見たかったかと問われれば、今回のHEY-SMITHとのライブだったのだ。

ちなみに上の出来事は、猪狩が昔頻繁にやっていたブログに経緯が載っているため、そちらも参考していただければと思う。


 

開場時のBGMは、ROCK-O-RAMAに出演するバンドの曲と、ツアーに出てくれたバンドの曲のみがかかっており、ここまではっきりと開場BGMに意味があるとわからせる日本のライブも少ないように感じていた。

17時の定刻と共に、客電が落ち、MAD CADDIESのVillaiansが流れ、フロアのクラップの中、HEY-SMITHが大歓声で迎えられる。

猪狩のTシャツは、今回のツアーで販売されていたFACTのTシャツであり、10年前、FACTが解散した直後、ライブの際に度々FACTのTシャツを着ていたのだが、この日もまたFACTのTシャツを着ていたことに、個人的にはグッときてしまった。

 

来たぜ豊洲!踊ってけ!と猪狩の合図と共にDandadan、Say My Nameと続けて演奏をすれば、いきなりモッシュやダイブが相当数発生し、対バンとはいえど、HEY-SMITHのツアーだと言っても差し障り無い光景が広がる。

まさに今この日の光景こそ夢だと言いたくなるかのようなI’M IN DREAM、これぞスカ、とハッキリ断言出来る、HEY-SMITH屈指のスカナンバーでありつつもインスト曲であるInto the soulではHey!と、曲中の合いの手もバッチリ。

 

FACT復活ありがとう!そして、解散すんなバカヤロー!と、MCで猪狩は、誰しもが思っていることを真っ先に叫び、そうだそうだ!と同意するかのような歓声が上がる。

ただそこからは、FACTとの思い出を語り、先程記した、アメリカで会った際、Hootersというお店で、誕生日だとサービスしてくれるということで、誕生日だと偽りサービスをしてもらった。あれで仲良くなったと、ライブでもなんでもないところで仲良くなった話を語る。

そこからは、一緒に対バンしたりハジマザにも出てもらったり、先程触れたREDLINEでギターを弾かせてもらったなど、色々やったと、FACTの思い出一つ一つを、つぶさに語っていく。

しかし、解散するんだから、ド派手にやるしかないでしょ?と、宣戦布告かのような言葉を口にし、今日、激しい曲しか持ってきてないと、今言った通りのライブをやることを、ここに宣言した。

 

その言葉通り、DRUG FREE JAPAN、Endless Sorrow、Fog And Crowds、Overと、終始上がりっぱなしの曲を、MCも挟まず立て続けにプレイしていき、更にはライブではあまり聞けない、Judgment Dayも挟むなど、今日のHEY-SMITHは、やる気、いや、殺る気に満ち満ちている。

 

踊ってけ!という言葉からのInside Of Meでは、知っている人はMVの例のダンスを踊るなどしていくが、先程に比べれば少しブレイクか・・・?などと思っていたら、ドラムのTask-nが叩き始めた曲に、空気がまたもやピリッとし、その曲を迎えるかのようにOiコールをフロアが叫び続け、イントロと共にフロア全体ヘッドバンキングの嵐に包まれたWe Sing Our Songで、更にド派手に、激しいライブを作り上げていく。人によっては、もうヒットポイント0だ。

 

ここで再びのMCに入るが、友達になる前から、FACTのファンでした。と猪狩は口にした。

メディアにも出ない、顔も出さない。そんなわからないバンドなのに、いかつい兄ちゃんがパンクやってて、めっちゃかっこいいと思ったと、FACTのファンだった頃に感じた思いを口にし、その上で猪狩が当時感じたことは、テレビに映らない、画面に映らない。この現場でしか、わからないことがあるんだ、ということだったという。

その時感じた想いを、当時曲にしたと口にし、その曲をコールする。2013年にリリースした、Download Me If You Canだ。

 

この曲がリリースされた頃、まだサブスクもなく、所謂、違法アップロードが蔓延っていた。
現状、サブスクの発展により、違法アップロードも数は少なくなっているが、ただ、昨今では、ライブの撮影可否で大きく揺れている。
実際、今日この日、会場内に撮影禁止と書かれた貼り紙が、何枚もあった。おそらく、7、8枚はあったように思う。
もちろん伝えておきたいが、この日、オフィシャル以外で撮影をしている人は、1人もいなかった。

ここ最近では、ライブの撮影に夢中で、演奏中ずっと携帯を構えている人がいることや、その動画を動画サイトやSNSにアップする人も多く、ある意味ダウンロード以上に問題が発生する可能性があるものもあれば、その動画を見て、わかった気になってしまいそうになる。

しかし、映像や音だけでは伝わらないものが、ライブでは、生では伝わることがある。というより、それが一番ダイレクトに来る。携帯をただずっと構えているだけじゃ、わからないことの方が多い。
10年以上経って、改めて、この曲が持つ意味やパワーをこの日、より大きく感じることになった。

 

Be The Oneから、ラスト1曲!と宣言した後、FACT見れんの、今から楽しみー!と、FACTの友達であり、仲間であり、ファン代表の言葉を口にした上で、FACTが帰ってきたぞー!と言わんばかりに、ショートチューンのCome back my dogで、最高のバトンをFACTにパスした。

 

数十分の機材転換を行い、ある程度サウンドチェックも終わったところで、ボーカルであるHiro以外のメンバーがステージに登場した。
拍手が沸き起こるものの、とはいえ、ほとんどの人が、いわゆるサウンドチェックで、また戻るのだろうと思っていた。というより、本当に、そんな空気感だった。だからこそ、驚いたのだ。

なんと、そのままなんとなしに、客電が落ちたのだ。

歓声も起こるが、同時にえっこんなぬるっと始まるの!?という、驚きを隠せない人もいるようではあった。

 

ステージ中央で円陣を組み、Eijiのドラムから、ギターとベースが鳴り響く。

そして最後にボーカルであるHiroが登場するという流れから来れば、始まるのはもちろん、slip of the lipだ。

ああこれだこれだ。FACTのスタートはこうでなくてはと、かつてのファンが懐かしく思う中、los angelsではテクニカルなギタープレイと共に自由自在にサウンドが変わり、purple eyesでは畳み掛けるようなハードなサウンドに、サビではフロア全体で、コーラスを歌う。the shadow of envyではサークルピットが何も言わずに生まれ、同じくコーラスをバカでかい声でシンガロングする。更に、HEY-SMITHのライブ中には無かった、ステージダイブも時折発生している。これぞ、FACTのライブだ。

 

と同時に、思ったことなのだが、中央にHiroが立ち、その上でトリプルギター・ベースという編成に加え、弦楽器陣全員の前にマイクスタンドが置かれている。いずれかがコーラスをすることもあれば、時に全員がコーラスをすることもあるとはいえど、4本のマイクスタンドが並ぶ様は、圧巻だ。

更にその後ろを見れば、現在在籍しているKen Yokoyamaのドラムセットとは異なる、ツーバスがドンと置かれ、要塞のようなドラムセットで叩くEijiが居る。
そのステージ構成を見ていると、まるで戦艦の砲門のようであり、それがいくつもこちらを向いているかのように感じる、威圧感さえある。

 

興奮と驚きで落ち着かない中、FACTですよろしくお願いしますとHiroが穏やかに言うと、初めて、おしっこ行ってる時にライブが始まってました。何も言わずに始めるのやめてください。と、まさかのエピソードを語る。なるほどだから、あんなぬるっと始まったのかと思うと、納得した。とはいえHiro抜きで始めようとしたのにはどういう意図があったのかは不明。

 

ギターのKazukiに向かって、ピックくれー!と叫ぶフロアに向け、Kazukiはおめぇこれいくらか知ってんの?100円だぞ100円と、ねだるファンに向け1枚投げる時にはい100円と、値段を言いながら投げ、合計で200円分あげるも、フロアからはまだよこせと声が飛ぶが、ギターやってるやつならまぁいいけど、やってないやつにあげんのもなぁと、ねだるファンに向けチクリと刺すMCを、茨城弁なまりで言っていく。

というよりも、先程まであんなバチバチにカッコイイバンドが、MCになると急に静かというか、訛りの強い言葉でフロアをまくし立てていく様は、本当に先程猪狩が言ったように、この場所でしかわからないものがあるということ、そのままの景色が広がっていた。いい意味でも悪い意味でも。

 

そんなねだるMC(ピックだけでなくEijiにもスティックくれー!とねだっているファンもいたが)の中、俺らのことを初めて見る人どんだけいる?とステージから尋ねたところ、約2~3割が手を挙げていた。
それ以外の、前々から見ているファンの中で、俺らをずっと前から応援してるってやつどんだけいる?と尋ねたところ、相当数が手を挙げる。

その、古くからのファンに向け、じゃあすっげー昔の曲やるわと宣言し始まったのは、リミックスアルバム【co3】に収録されている、Start from hereだ。
が、実はこの時、解散する前まで演奏をしていたStart from hereとは、違う点があった。

それは、ベースのTomohiroもHiroと共に歌い、ダブルボーカルのように歌っていたということだ。これは、解散するまでの約数年の間でStart from hereを演奏していた時には無かった光景だ。

 

というよりも、この歌い分けは、co3のものではなく、元々この曲が収録されていたインディーズ時代の1stミニアルバム【The fine day never last】の時のものだ。

だからこそ、再レコーディングしたバージョンではなく、20年以上前のバージョンでStart from hereを演奏してくるとは思わず、興奮冷めやらぬまま、ギターのTakahiroが曲終わり、次の曲名を叫んだ。
と同時に、古くからのFACTのファンは、驚きと共に大歓声を上げる。

 

その曲とはなんと、その昔、Nature Livingと共に出したスプリット・ミニアルバム【This day,this means】に収録されている、Deviationだったからだ。

このスプリット・ミニアルバムはまさに、知る人ぞ知るFACTの作品であり、サブスクにもなければ、FACTが2015年に解散するまでは、ある種音楽を聞く方法のメインの一つでもあった、CDのレンタル、という方法においても、この作品を置いている店は少なかったため、なかなか知らない人も多いだろう。
実際、自身が見ていた周りでも、この曲何?となっている人も数多くいた印象を受けた。

 

この曲を知っているファンほど大興奮している中、立て続けに、このミニアルバムから、Manicを続けて披露すると、オールドファンの興奮は頂点に達する。

まさかまさかの、初期曲かつ、超マニアック曲の3連発に、古くからのFACTファンは、今日来てよかったと、間違いなく思っただろう。
なお、この3曲は、本日初披露であったということもお伝えをしておく。

ちなみに僕も、FACTの今回の公演をサポートしているJMSの鈴木健太郎氏が6月頃に、今回のツアーで何か聞きたい曲ありますか?というリクエストをXで募集した際、10年以上前とある公演でManicをやった際、まさに今日のようにこの曲何?となっていた過去があったため、その時の無念を果たしたいという思いから、Manicとリクエストしていたため、僕自身この日一番テンションが上がったということも、念のためお伝えをさせていただきたい。

 

errorが終わり、再びのMCに入ると、昔の曲みんなどんだけ知ってんの、と、そのリアクションに驚きを通り越し、半ば呆れたようにHiroは口にするが、すかさずKazukiが、でも俺わかったよ。知らない奴多いっしょ?と、ぎくりとさせられる一言を言った後、俺らの曲でこんなやべえのあるって今気づいたの?と、サブスクリプションサービスにない作品以外にも、こんなヤバイ曲があるのだということを伝えた。
それは、先程HEY-SMITHが語っていたように、画面の中ではわからないというところにも、通ずる部分があるはずだ。

 

そのうえで、先程のStart from hereについて触れ、元々Hiroが入る前は、Tomohiroがボーカルだったと、最初期のFACTの形態について触れ、俺Start from hereを覚えたのは、3曲目だったと、Hiroは当時の思い出を語る。
そのうえで、歌ってよとTomohiroに向かって言うも、すぐやだよと返されるも、あと3公演あるんだから歌ってよと、なんとか粘るが、Tomohiroもあまり乗り気ではなさそうだったが、現在この記事を書いている時点の残り3本の中で、Start from hereで歌うTomohiroが見れることを願うばかりだ。

 

そうやってゆるいMCをしていて締まりがなくなってきたからか、ギターボーカルであるAdamに振ろうとするも、次の曲はAdamのギターから始まるため、緊張してるんだと、口数が少ないAdamをいじると、俺緊張してんだよ、こんな3000人の前でやって、REDLINEからまだ5回しかやってないからナーバスなんだよと、まだライブの数が少ないため、久しぶりのステージに緊張していることを語る・・・と見せかけて、すぐ、うっそー。と、嘘だと告白した。

 

そのまま、Adamのギターから始まったのは、リリースして以降、最後のライブまで、ほぼ毎回演奏していたthe way downだ。
全員で歌うパートは、昔以上にフロアも歌っており、10年の間で、みんなこの曲がより沁み込んだのだな・・・なんて思っていると、2番のサビ前、何故かAdamは、ROSÉ & Bruno Marsの、APT.の歌詞であり、日本では「あーぱつあぱつ」という空耳に聞こえ、Tiktok等で大ブレイクしたこの曲を歌うというまさかの展開に、フロアが笑いに包まれると共に、共にあーぱつあぱつと歌い出していく。この遊び心も、FACTならではだろう・・・いや解散する直前はもうちょっとシリアスだった気もしなくはないが・・・?

 

そんなthe way downが終わると、アルバム通り続けてwait・・・ではなく、wormに繋げるというまさかの展開に驚くとともに、ダイバーも一斉にステージへと向かっていく。
全員のコーラスだけでなく、Hiroの通るようなクリーンボイスとスクリームも、やればやるほどどんどん温まってきているかのようだ。

煽らずともサークルピットが発生したdragから、民族音楽のようなサウンドに、フロア中息を合わせたかのようにぴったりクラップを合わせ、曲を共に盛り上げていったapeと、Adamが正式に加入以降にリリースされた音源の楽曲を次々と披露していく。

どの曲もそうだが、ただ、やっていた期間で言えば、この時期の楽曲がどうしても期間としては短くなってしまっており、もし現在まで続いていたら、この曲はどうなっていたのかという、ある種続きが見えた印象もあり、そういった意味でも、復活ツアーではあるものの、アルバムを出して以降、楽曲が成長した姿というのも、ここで見れているかのようだ。

 

えっくんスティックくれー!とまだ粘る客に対し、いくらだと思ってんの1700円だよ!?と、スティックの値段を言い、これを育ててくれた地球に感謝と、木を通り越して、地球に感謝を伝えるという、ふわっとしたMCから、昨日から演奏してて懐かしいなと思っていたと、Eijiは語る。

そう懐かしむEijiに対してHiroが喋りかけるも、どうやらEijiはイヤモニをしているためHiroが何を言っているかあまりよく聞こえないていないことを伝えていると、何も言わずに、TakahiroとAdamが肩を組んだところで、フロアからは歓声が上がる。

それを見て、お前らこういうの好きだろと、今度はKazukiとTomohiroが肩を組み、その後HiroとTomohiroが、KazukiとEijiが・・・と、次々それぞれ肩を組んだりハグをしたりと、仲良さそうな光景を見せつけ、都度歓声が上がった後、こんなんで喜ぶとかお前らちょっろ!と、Kazukiはすかさずフロアをいじる。

 

ここまで書いてきてわかると思うが、演奏中は無敵だが、MCで急に、ぐだぐだする空気感となる。だからこそ、こんな適当なMCしてるバンドだけど受け入れてくれて感謝してます。とHiroは正直に口にし、未だに何を話せばいいのかわからないことや、2010年頃ボーカルだからお前が喋れよとKazukiとTakahiroから言われ、困っていたと、MCについて悩んでいたことを語ると、逆だよHiro。チャンスだよ。とKazukiがアシストに入り、曲そうでもないけどMC面白いやつって人気じゃん。だからチャンスだよと、フォローなのだけれど、どう聞いても棘がある言葉に、聞いているこちら側もやや苦い顔を浮かべる。いや最近そういうアーティストは少ないとは思う、とフォローは入れておきたい。

だからこそ、じゃあAdamにパスしようと、困ったからAdamにMCをパスすると、俺は自分がやってるこの範囲で楽しんでるけど皆どう!?と尋ねると、こちらも楽しんでいるぞと言わんばかりに、フロアから歓声が上がり、じゃあ俺と歌ってくれる!?と、1フレーズ歌えば、全員その後に続いて歌っていき、そのままの流れでFOSSへと突入する。

更にここで、HEY-SMITHのYUJI・満・UMEがダッチワイフをフロアに投げ入れていき、その流れで満もステージからダイブをするなど、カオス度合いが急速に高まっていく。

そこから更に、高速ファストチューンであるtonight、聞いている中でポップささえ感じられるeighty sixと、アルバム【burundanga】からの楽曲を3曲連続披露する。

 

解散しないでー!というフロアからの言葉に対し、うっせぇ!俺にはやってるバンドがあんだよ!とKazukiは返す。確かに、FACTは続いてほしいという気持ちもわかる。

だが、昨年FACTが復活すると発表した翌日、HEY-SMITHが主催するイベント【HAZIKETEMAZARE】に、KazukiとHiro、Takahiroが在籍し、現在メインで力を入れているバンド、SHADOWSが出演した際、FACTのファンに負けんなよ。あんな何年もやってないバンドのファンに負けんなよと、自らのバンドであるにもかかわらず、Kazukiはそう口にしていた。
だからこそ、そうスパッと返すKazukiの潔さと男らしさには、感服するしかない。

 

そのうえで、誰もが感じていたが、もう後半に差し掛かっているとHiroは口にし、続いてるバンドもいっぱいいる中でまさか豊洲PITを2日間やれるとは思わなかった。と、日本最大級のキャパシティを誇るライブハウスで2day開催が出来ることを噛み締めつつ、今日一緒にやってくれたHEY-SMITHとの思い出として、かつてKen Yokoyamaと一緒にツアーを回っていた際、名古屋かどこかのライブで、HEY-SMITHがライブハウスの入り口におり、今日ライブさせてくださいと頼み込んできたことがあり、そんなことをしてきたバンドと、一緒に今日ライブが出来ること。バンドいっぱいいるけど、その中で俺らを選んでくれて本当に嬉しいと、全方向に向けた感謝を口にすると、会場からは温かい拍手が送られる。

だからこそ、フロアからも最高!と、素直な気持ちが次々飛んでくる中で、最高じゃねぇかを英語で言うと?と、KazukiがAdamに振り、アダムがその言葉を英語で言いつつ、最後にマザーファ〇カー!とスラング的に付け加えた後、Eijiが歌い出し、disclosureへとなだれ込む。
壮大なスケール感と、FACTのそれまでの歩みを曲に込めたかのようなmiles awayと、活動後期のFACTを代表する楽曲を立て続けにプレイしていく。

 

ありがとう、っていう、みんなの言葉を素直に受け取れるようになりました。と、Hiroは、自らの想いをとつとつと話し出していき、今日入れて、残り4本。東京でライブをするのは、今日が最後です。まだ来る人は、俺と一緒に歌って踊ってください。今日が最後の人、楽しかっただろ!?と、この日を抜いたら、残り3本のどこかに参加する人だけでなく、今日この日が、FACTを見る最後の人に向けても言葉をかけ、フロアからは歓声が上がる。

 

残り2曲!と宣言し、オレンジの照明がステージを照らすsunsetでは、まさにもうすぐ、陽が沈むように、また消えていくFACTというバンドそのものの姿を映しているかのような姿に、涙が止まらない人も、フロアには数多くいた。

曲が終わり、アウトロを演奏している中で、18,9の頃にFACTを始めた時に、まさかこんな景色を見れると思ってませんでした。と、Hiroは口にし、そこから、25,6年経って、今日この景色を死ぬまで一生忘れない。と宣言する。

 

ラスト、思いっきり、遊んで帰ってくれという言葉と共に最後に演奏されたのは、彼らの代表曲であり、FACTというバンドを一躍有名にした楽曲。
そして、日本の今のラウドロックシーンにおいて間違いなく大きな転換点となった1曲、a fact of lifeだ。

オートチューンにHiroのスクリーム、AdamのコーラスにKazukiのシャウト、Eijiのツーバスと、全てが見どころしかない楽曲は、轟音まみれだが、1度聞けば頭から離れないサウンドと、最後のサビの前には全員が大合唱をするキャッチーさ。

15年以上の月日が経っても、初めて聞いた時と同じように衝撃的であり、2009年に彗星の如くシーンに現れ、ラウドシーンという言葉が無い中で、何これ聞いたことない。なんだこのバンド?パンク?メタル?プログレ?何これ?けどなんか、凄い。FACTっていうバンド、ヤバい。そんな感覚を、16年が経った今でも心に焼き付けさせてくれ、消えない思い出をまた再び、作ってくれた。

最後は全員で肩を組んで一礼をすると、アンコールも無く、東京での最後のライブを終えた。

 

このブログでは以前口にしていたが、僕はFACTに対しては並々ならぬ思いがあり、もう一度、一番カッコいいを更新してほしいと願っていた。

そして復活して以降、このツアーの前に、SATANIC CARNIVAL 2025で復活後に初めて見たのだが、カッコいいのはもちろんそうだったのだが、これは、友人にも話していたのだが、誤解を招く言い方になるかもしれないが、普通、だった。

 

ただ、普通、というのは、カッコよくなかったわけではない。

あまりにも、解散前まで見ていて、その当時ライブを見終えた後、ああ今日も最高だったな、FACTカッコよかったな。そういう感覚がまずやってきたため、久しぶりに見れたというブランクも無ければ、また会えたという感動も無かったのだ。

実際、SATANIC CARNIVAL 2025のクイックレポートで、ライターがその日のFACTのライブについて、まるで10年前真空パックされて、それがそのまま出てきたようだ、と語っていたが、本当にその通りであり、そのまんま、FACTが時空を超え、そこにいたのだ。だからこそ、感動がそこまでなかったのかもしれない。

 

だが、今回のライブはその日をはるかに凌駕し、真空パックでそのままやってきたどころか、むしろちょっと空気に晒されて、鮮度に加え、深みも増しているかのように感じられた。

本当に、10年解散していたとは思えない。それどころか、たった数回のライブとリハーサル。加えて、ギターボーカルであるAdamは現在アメリカに住んでいるため、完全な6人でのリハーサルというのもそう多くはなかったはずだ。

にもかかわらず、こんなにも10年前見た時と同じ、いやそれ以上カッコよくバンドがなるものなのかと、驚かされた。

 

だからこそ、見る前までは、FACTがまた解散することに納得していた・・・と思っていたが、見てその意見が変わった。

やっぱり、解散してほしくない。もっとやってくれよ。解散なんて寂しいこと言わないでよ。そう心から言いたくなるほど、今のFACTは、一番カッコいいのだ。

 

しかし、彼らが解散をまた決めたのならば、それをもう覆すことは無理であろう。

だからこそ、残り3本、目に焼き付けられる方は、FACTというバンドの姿を、焼き付けていただきたいと思う。

 

最後に、sunsetの最後に、Hiroはこう口にしていた。

 

今日終わったら、おじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さん、兄弟や姉妹、友達や恋人に、こんなかっこいいんだぜって伝えていってください!と、FACTというバンドがいなくなっても、これからもFACTというバンドがいたこと、そして、これだけカッコよかったんだぜ!ということを、伝えていってほしい、と。

 

だからこそ、僕もこのブログで、FACTってこんだけカッコいいんだぜ、ということを紹介させてもらった。

そして、まだギリギリ、見れるチャンスがある。だからこそ、多くの人に、FACTを見てほしい。
こんなにも胸を熱くさせる、カッコいいバンドを見ないなんて、ロックバンド好きとして、損してるよと、心の底から、言わせていただきたい。