ロックバンドが地上波の音楽番組に出ることが”よくあること”になってきた

2021年3月13日

ロックに詳しい方ならわかるという方も多いと思うのですが

ここ最近、地上波の音楽番組にロックバンドが出るということが割と当たり前になってきたと思います。

1週間に1度、という頻度ではありませんが、それでもどこかの地上波の音楽番組で必ず月に1度はロックバンドが出ていると思います。

ココ最近、本当にこの一、二年でこれが割と当たり前のようになってきていると感じます。
特に、パンクやラウドなどの、いわゆるうるさいバンド。ダイブ・モッシュがライブで頻繁に起きるバンドがテレビに出るのも、そう珍しいことではなくなってきている気がしています。

それでも、Twitterを初めとしたSNSでどこかのバンドがMステに出る時にはトレンド入りしますが、それでも以前ほどうおおおおぉっ!!あのバンドがテレビに!!!マジか!?
というほどの大きな驚きはないと思うのです。

世界的に見てロックが下火になっている現在、日本においてはどこ吹く風と言わんばかりにロックシーンが盛況になっていると各所様々なメディアから言われており、それを物語るかのようにどんどんバンドがテレビの音楽番組でやっているのを見ると僕自身とても嬉しくなります。

今回は、今のこの状況になったであろうターニングポイントとなった出来事(だと思う)を少し皆さんに知ってほしいと思います。

2014年『LIVE MONSTER』でのDragon Ash

2014年、当時日本テレビの日曜夜に放送されていたLIVE MONSTERという番組がありました。メインMCはドリカムの中村正人さんが務めておりました。
そのある日の回に、Dragon Ashがゲスト出演しました。

トークコーナーでは、知られざる結成当初のエピソードや、当時日本で爆発的人気を誇っていた少女時代が先週のゲストとして出ていて、翌週のアーティストにメッセージを送るというコーナーでDragon Ashにメッセージと質問を送るなど、トークコーナーだけでも十分にお腹いっぱいになるような内容でした。

そして、ライブコーナーの1曲目では、Dragon Ashの定番曲『Fantasista』をファンを入れたステージでライブをしていたのですが、1番のサビでダイブが発生!

それを見たボーカルのKjさんが「いいね!いいねぇ!」と嬉しそうにしてそのダイブしてきたファンとグータッチを交わすと、次から次へとダイブをしてくるファンが出はじめ、終いにはKjさんも客席へと向かい、ファンに支えられながら歌うという(ちなみに、普段のライブでもあまりKjさんが客席へと向かいファンに支えられながら歌うというのはあまり見たことがないため、実はとても貴重なシーンだと思います。)、テレビの音楽番組なのにいつものライブハウスでの光景が見れるというこれまでにない音楽番組に興奮し、僕は番組終了後こんなツイートをしました。

また、後年、MステにDragon Ashが出演した際にも、この日のようなライブパフォーマンスをしてくれ、相変わらずDragon Ashかっけぇなぁ!!となりました。
実際、その日の共演者の亀と山Pが、Dragon Ashのライブ終了後カメラが切り替わった際に(声は聞こえませんでしたが)かっけぇと言っていました。

ただ、このツイートをした当時は、希望を込めて言いましたが、実際は難しいだろうと思いました。

しかしこの一年後、ロックバンドとテレビの繋がりを大きく変えたであろう出来事が起こりました。

2015年『Ken Yokoyama』のミュージックステーション出演

おそらく、この出来事が、現在のテレビとロックバンドの繋がりに大きな影響を与えたのではないでしょうか。

Ken Yokoyama、健さんはこれ以前、テレビの音楽番組、もっと言うと地上波のテレビ番組に出ることはほぼ全くと言っていいほどに出ませんでした。
もう、1ファンからしても、テレビの音楽番組に出るなんて天と地がひっくり返ってもないと思ってました。

それまで、というか今もですが、Mステに出るロックバンドというと、今をときめく旬の若いバンドが出るのがほとんどであり、ちょっと旬じゃないけど皆が好きなベテランのロックバンドが出るということはそんなに多くはないです。

そんな中での健さんの地上波の音楽番組への出演、しかも日本人なら皆が知ってるミュージックステーション、Mステに出演すると発表になった際のネット界隈のざわつきっぷりはとんでもなかったです。

ただ、これは余談なのですが、2015年のSATANIC CARNIVALで、実はMステから健さん宛に花が届いていたのです。

こちらがその時の画像です。

この時、なんじゃこれ?なんで健さんにMステが花送ってんの?とほぼ全てのキッズが思ったことでしょうし、ましてや健さんがMステに出る、なんて花が送られても想像が付かなかったのです。

それほどまでに健さんとテレビは結びつかない、平行線のような存在でした。

そして放送当日、キッズはじめTwitter等でも多くのバンドマンがKen Yokoyamaのパフォーマンスを楽しみにしており、その日のパフォーマンスは皆が興奮するほど良いライブをしてくれました!

この後も、健さんはバズリズムやNHKのバナナゼロミュージックや、2016年に東京スカパラダイスオーケストラとコラボした際の楽曲などで様々な番組に出演するなどしました。

また、この数か月後のMステにはWANIMAが出演したことや、これはまさか、というか今でもありえないと思えるような出来事だったのですが、日本テレビのスッキリ!にCrossfaithが出て朝からとんでもないライブをしてお茶の間に衝撃を与えるなど、この辺りから明らかにテレビとうるさいロックバンドの関係が変わってきたと思います。

フジテレビの特番『HEY!HEY!NEO!』の登場と、バズリズムの台頭

フジテレビの音楽番組『HEY!HEY!HEY!』の特別版『HEY!HEY!NEO!』という番組が3年前から始まり、初年度は[Alexandros]やKANA-BOON、MAN WITH A MISSIONといったいわゆるテレビに出る人気の若いバンドが集結していました。

しかし、その翌年の2016年に放送された際には、Ken Yokoyamaをはじめ地上波のテレビ初パフォーマンスとなるSiMや今や朝ドラで有名になった峯田和伸さん率いる銀杏BOYS、DJみそしるとMCごはんにクリープハイプといった、明らかに他の音楽番組と一線を画すラインナップとなりました。

つい数週間前の第3弾には、さだまさしさんや三浦大知さんの後に、今週(書いている現在)Mステに登場する04 Limited Sazabysや、すでにMステに出演経験のあるBiSHに岡崎体育。更に『HEY!HEY!HEY!に出たかった』という曲がある四星球も登場するなどジャンルレスという言葉がぴったりな程、幅広いラインナップが集結しました。

他にも、日本テレビで放送されているバズリズムでも、それまで地上波に出演することのなかった数多くのロックバンドが出演しています。
少し挙げるだけでも、
・BRAHMAN
・Fear,and Loathing in Las Vegas
・coldrain
・RIZE
・打首獄門同好会

等等・・・

数年前では絶対にこのバンドがテレビに出て、ましてやバカリズムさんとトークなんて誰も考えなかった!けどそれが実際に起きている。そしてそれが当たり前となっている。
今やもうそんな時代になっているのです。

また、バズリズムに今後、RIZEのJESSEさんがいるThe BONEZも出演することが決定しているので、BONERは楽しみにしておきましょうね!

バンドがテレビに出ない事が、一時期、いや本当に数年前まではカッコいい事だったと僕も思うのです。
ただ、今やもうその時代はなくなりました。

健さんが、Mステに出演した際のコラムで「選ばれた者のみが出れるメディア」へと変貌していると述べておりました。

まさにその通りで、今や誰もが個人メディアとなり、動画を挙げる事も、数年前に比べとても容易になりました。

今やもう、都会で石投げれば読書モデルよりもYouTuberに当たる。そんな時代ではないでしょうか?(あくまで比喩表現ですよ。本当に投げたら逮捕されますのでそこは責任を負いません)

そんな中で、テレビという未だに影響力の強いメディアで、ロックバンドがガーン!と音を鳴らして、それまでロックを知らなかった人がうおおおロックってかっけぇ!って気持ちになる。
そういう事が、本当に当たり前になりました。

僕自身、あのツイートをした際には、まさか4年でここまでテレビにバンドが出るのが日常になるとは思いませんでした。
それでシーンが変わったかどうかと言われると、正直分かりません。

ただ、WANIMAが紅白に出たり、ワンオクが東京ドームでライブをしたり、[Alexandros]やSHISHAMOがCMに起用されたり等、ロックが身近になり、皆のヒーローが生まれているという点においては、シーンが変わったと言っても良いのではないでしょうか?

そして、こういったテレビでロックバンドを見た若い子がバンドを組んでテレビに出たときに「あの日のあのバンドのライブをテレビで見て人生が変わった」というような発言をする。
僕がジジイになっ頃にそんな話をするバンドをテレビで見たいと本気で思っています。

長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
それではまた。

音楽,テレビ

Posted by naishybrid