ROTTENGRAFFTYの新アルバム『PLAY』は彼らの再生のアルバムだ!

2020年4月14日

ROTTENGRAFFTYのニューアルバム『PLAY』が物凄くいい。
おわり。

まだ終わらないからブラウザバックせんでー!!

と、簡潔に言いたくなるほどに、このアルバム本当にいいアルバムだと感じたのです。

そもそも、このアルバムを語る前に言いたいのですが、この数年僕はROTTENGRAFFTYが好きじゃなかったのです。

2015年頃には本当にどハマりし、様々なブランドとROTTENGRAFFTYがコラボをした服を買い漁ったり、SUMMER SONICでRADWIMPSを見ずにROTTENGRAFFTYへ行くなど自分でもよくやってたなと思うほどにハマっていました。
(まぁサマソニはそれぞれのタイムテーブルがあるから仕方ないですが)

ただ、この話題を出すか書く際に悩んだのですが、それでも今回はこの話題を避けては通れないので記されていただきます。

2015年に販売され、その後すぐに廃盤が決まった『Life Is Beautiful』、あれで僕はROTTENGRAFFTYが好きじゃなくなったのです。
具体的にここが悪かったと指摘できるわけではないのですが、それでもあのアルバムは僕の口、いや耳に合わなかったのです。

その後、完全に熱が冷め、この数年はROTTENGRAFFTYで興奮するということは少なくなりました。

そんな中で、今回このアルバムを聞いた時、正直そこまで期待をしていなかったのですが、聞いてガツーン!という効果音が体から出るんじゃないかと思ったほど、衝撃を受けたのです。
ここまでのものを作ったかロットン!!と言いたくなったのです。

前置きが長くなりましたが、今回はこのアルバムについて解説していきます。
お手元にCD、あるいはSpotifyをご用意の上、読んでいただければより伝わるかと思います。

ROTTENGRAFFTY『PLAY』ライナーノーツ

寂寞-sekibaku-

一曲目にいきなりこんな重い雰囲気を感じる曲を持ってくるかと思いました。

荒野でボロボロになりながらも、それでもなお、再生と歩みを止めない。そんな彼らの意思を表明するかのような楽曲を聞いている内に、気づいたらPLAYの世界に飲み込まれていきます。

PLAYBACK

先行PVとして公開された一曲。
ROTTENGRAFFTYの真骨頂とでも言うべきミクスチャーサウンドがこれでもかに詰め込まれた一曲。
銀色スターリーやSTAY REAL等が好きな方ならば、まさにどストライクな一曲。
ライブハウスで床抜けるまで思いっきりジャンプアラウンドしたくなること間違いなし!

Victor Entertainmen公式配信

世界の終わり

3年前にシングルとして発売された一曲が満を持してアルバムに収録!
Walkで大きくバンドとしてのレベルが上がった彼らのネクストステージとも呼べる一曲は、今聞いても新鮮に感じられます。

ROTTENGRAFFTY公式配信

SHRED

イントロから静かな曲かと思いきや、メロコア風味の爽快なサウンド!
かと思いきやスカに入ったりと、曲の展開が目まぐるしく変わっていき、何の予想も付けられなくなる!
そしてこの高速ビート!ダイブモッシュしたくなること間違いなしです!

Just One More…

個人的最推し楽曲。

ロットン流バラードとも言える一曲となっており、歌詞にも出てくる満天の星振る夜を見ながらはもちろん、雨が振っている時にも聞きたい。
そんな一曲です。
また、ここからの3曲は、1つの流れとなっており、アルバムのハイライトとも言える位置づけとなっています。

hereafter

Interludeとも呼ぶべき一曲。

ピアノの音やストリングスをはじめ、笑い声や様々な効果音が詰め込まれており、ここまでの流れや、ROTTENGRAFFTYのこれまでを振り返るような気を起こさせます。

「70cm四方の窓辺」

アニメ『ドラゴンボール超』のED曲として使われ、日本だけでなく世界にもROTTENGRAFFTYの名を知らしめたであろう一曲。

この一曲、シングルとしても発売され、単体としてのインパクトはもちろんですが、このアルバムを通して聞くと、よりこの曲のパワーを感じざるを得ないです。
それ程までに素晴らしい一曲であると思いますし、この曲がなければこのアルバムは生まれなかったとも思えます。

Victor Entertainmen公式配信

Rainy

先述したアルバム『Life Is Beautiful』に収録されていた楽曲。
先ほどの「70cm四方の窓辺」で一つアルバムのピークを迎えたと思うのですが、この曲がここにある事によって、アルバムにメリハリがつき、後半戦に突入したかのように感じられます。

夏休み

タイトルからも分かると思いますが、まさにロットンならではのパーティーチューン!
だけど重たいリフはそのまま、けれど自然と手拍子とランランとやってしまいたくなり、皆でクラップ&シンガロング間違いなしのフェス向けな一曲!

P.I.L

こちらも先述したアルバム『Life Is Beautiful』に収録されていた楽曲。

この曲、実はそこまで好きではなかったのですが、このアルバムとして聞くことでとても好きになりました。
そこについてはまた後述で詳しく書かせていただきます。

アイオイ

かつての曲で言うと、マンダーラのような一曲かと思ったのですが、歌詞やはNAOKIさんの歌い方により、まるでMOROHAやTHA BLUE HERBを連想させます。

生きる事の生々しさが伝わりつつも、サビでは希望の光が差し込むような想像が頭の中で広がります。

So…Start

このアルバムの最後を締めるのは、シングルでも発売されたSo…Start。
すでに聞いている人も多く、既存曲をアルバムの最後に持ってくるアーティストも多くいますが、このアルバムの最後はこの曲でなければいけない。聞いた瞬間にそう感じました。

最後に書かせていただきますが、僕はこのアルバムで、これまでの既存曲に居場所が出来たと思うのです。

これまでの既存曲は、クオリティはいいと当然思うのですが、どこかフワフワした印象を受けていたのです。
曲が浮いているというわけではなく、なんというか、これは僕一個人のリスナーの思いなのですが、
楽曲をどうにも自分の中で上手く消化できない。そんな印象を受けていたのです。

しかし、このアルバムを一通り聞き、僕はようやくこの曲たちを消化できた気がしたのです。
曲の本質とでも言うべき、伝えたいメッセージや曲の持つパワーをダイレクトにリスナーに伝えられる。
このアルバムはそういったポテンシャルを引き出す力があると思うのです。
だからこそ、最後に既存曲が来ても、これまでと全く違う印象を受けたのです。

一曲目の寂寞-sekibaku-のカラッとした雰囲気の世界観から、アイオイでは希望のある場所まで辿り着いた。アルバムを通して一つのストーリーを見ているかのような印象すら受けました。
その流れで、最後にだから…始めよう。というタイトルのこの曲が来るのは、必然だったと思うのです。

聴き終わった時には、これはリスナーが、そしてROTTENGRAFFTYがもう一度ここからはじまる。この曲はその為に生まれたんだと思え、一種の感動すら覚えました。

Victor Entertainmen公式配信

ROTTENGRAFFTYも、メジャーデビュー以降ずっと追い風だったとは言えない活動だったと思います。

Life Is Beautifulも、あの一件で廃盤となり、その界隈の方からは本当に嫌われたと思います。
また、このアルバムの間に、ボーカルのNOBUYAさんの炎上事件やギターのKAZUOMIさんの体調不良による一時休養等、本当に様々な事がロットンには起きていました。

そんな辛い事がたくさんあったけれども、もう一度はじめよう。

という、ROTTENGRAFFTY自身の再生の決意表明とも言えるようなアルバムになったのではないかと、僕は感じたのです。

僕はこのアルバムで、それまで嫌いになっていたROTTENGRAFFTYがまた好きになりました。
こんな凄いアルバムを出すのなら、好きになるのは必然だとも思えます。

このアルバムを引っ提げて、現在47都道府県ツアーを行っており、ファイナルは自身初の日本武道館公演!

このアルバムがツアーを通してどこまで成長し、この世界観がどこまで広がるかが楽しみです。

それでは。

音楽

Posted by naishybrid