ELLEGARDEN【The End of Yesterday】レビュー
まず、本作のレビューをする前に、これを言わなければならないでしょう。
おかえりなさい、ELLEGARDEN
2018年、10年ぶりの再始動から4年、9月9日には実に16年ぶりの新曲『Mountain Top』が発表され、更にその後からはトリビュートアルバムのリリース、NHKでのドキュメンタリー番組の放送。
加えて、Amazonプライムビデオ独占配信となるドキュメンタリー映画『ELLEFARDEN:Lost & Found』が公開され、あの当時徹底的にメディアへの出演を拒んでいた姿を知っている人からすれば、まさかまさかの出来事が立て続けに起こっておりました。
ちなみに、そのドキュメンタリー映画のレビューも書いておりますので、そちらもよろしければぜひともご覧ください。
ただ、それ以前に、1年前の12月1日、公式SNSにて突如発表された"ELLEGARDEN THE BOYS ARE BACK IN THE STUDIO AGAIN TO RECORD OUR 6TH ALBUM"という文言と共にアップロードされた画像は、多くのファンを喜ばせることとなりました。意味は言わずともがなでしょう。
そして、ついに来ました。
正式に言えば、本日はフラゲ日となりますが、それでも店着日となったため、多くのファンが手に取ったことでしょう。
ELLEGARDEN、16年ぶりの6枚目のアルバム【The End of Yesterday】
早速ですが、本作のレビューをしてまいります。
まず、先に言っておきたいですが、これは是非とも1回通して聞いたら、もう一度1曲目のMountain Topから聞いてほしいと思います。
僕は買ってすぐ車内で聞いていたのですが、車内はリピート再生となっており、最後のGoodbye Los Angelesを聞いた後にもう一度1曲目から再生されたのですが、その時にこのMountain Topが一曲目だということに、物凄くしっくりきました。
Mountain Topから現役のバンドに戻ったELLEGARDENが、Mountain Topで現在、今一度現役のバンドとしてシーンにもう一度挑戦していく決意表明をしているかのように聞こえ、1曲目でありながら、真の最後の曲のようにも聞こえたのです。
だからこそ、ぜひとも買ったらすぐにもう一度リピート再生をすることをおすすめいたします!
そんな本作ですが、ドキュメンタリー映画の中でギターの生方さんがバンドを始めた時のような気持ちでバンドをやれていると話しているように、活動休止前最後のアルバムとなった『ELEVEN FIRE CRACKERS』のような、バッチバチのヒリヒリ感みたいなものは、いい意味でありません。
ただ、それでも新しい地平線というか、あの当時記憶の中にいたELLEGARDENを終わらせる、それこそ、The End of Yesterdayなアルバムであり、新しいELLEGARDENでありながら、大切なものは変わっていない、円熟でありながらも瑞々しさを感じさせるELLEGARDENがそこにはいます。
ELLEGARDENを現役のバンドに戻したMountain Topから始まり、どこかダークな雰囲気を感じる日本語詞の瓶に入れた手紙やダークファンタジー。
あの頃を思い出させるようなストレートなパンクサウンド全開な10amやStrawberry Margarita、甘酸っぱいピュアな日本語詞のチーズケーキ・ファクトリー、夏の終わりの夕暮れに聞きたいようなPerfect Summerなど、楽曲は非常にバラエティに富んでいます。
個人的な印象なのですが、このバラエティに富んでいる感じを他のアルバムで例えるのは凄く失礼なことと理解はしているのですが、それでもあえて言わせていただくと、1stアルバムの『DON’T TRUST ANYONE BUT US』を現代に消化させたかのような思いも感じております。
むしろ、16年ぶりに第2のDON’T TRUST ANYONE BUT USが生まれたかのような、他のどのアルバムとも違う、酸いも甘いも経験し、それぞれが色々なバンドを経験したうえで形作った、今のELLEGARDENだからこそ作れた新たな1stアルバムのようでもあります。
なので良くも悪くも、あの頃を期待している人の中にはガッカリする人もいるかもしれませんが、ただ、それ以上に溜まりに溜まった16年分の想いを埋めてくれ、それでいてあの頃を思い出させてくれるかのようでもあります。
ちなみに、個人的にはチーズケーキ・ファクトリーのポップな世界観も好きなのですが、これまで聞いたことがない雰囲気のPerfect Summerの2つが個人的にはお気に入りです。
そして、最後のGoodbye Los Angelesは、その名の通り、本作をレコーディングしていたロサンゼルスに別れを告げる歌ですが、歌詞の内容はもう・・・是非とも和訳を呼んでいただきたいと思いますが、ELLEGARDENが好きだった人であれば、涙腺崩壊すること間違いなしですし、最後にこの曲はずるい!としか言えません!
というより、もしこれがELLEGARDENとして作る最後の曲になります!と言われたとしても、僕は納得するかもしれません。
それ程までに最後に持ってくるには相応しい楽曲であり、昨日の終わり、あの頃のELLEGARDENからもう一度走り出したかのような楽曲ですが、そこで先ほども言ったように、もう一度Mountain Topを聞けば、一回目と聞いた時の景色がまた変わっていること間違いなしです。
勿論楽器陣もそれぞれパワーアップしており、それぞれがミュージシャン・バンドマンとして色々経験をしたからこそ、これまでにない楽曲展開もあり、それぞれのパートに注目して一通り聞くというのもまた、面白い聞き方かもしれません。
もう今日だけで何周したかわかりませんが、聞けば聞くほど好きになってくるアルバムであり、あぁ今こうしてELLEGARDENが現役のバンドとしているんだ・・・嬉しすぎる・・・と感動を噛みしめております。
そんな中でふと、関係ない話になりますが、僕は5月に見たシン・ウルトラマンのことを思い出しました。
僕はELLEGARDENも好きなのですが、ウルトラマンシリーズも物凄く好きで、あの映画を公開初日の一発目に見に行くくらいにはファンで、あぁ~!と唸りたくなるほど感動したのですが、この作品が初めてウルトラマンに触れるのであれば、それはなんて羨ましい経験なんだろう!と想ったことを思い出しました。
まさにこのELLEGARDENのアルバムにも同じ気持ちを感じており、これが初めてELLEGARDEと触れる機会になる人。特に、10代の若い子で、ELLEGARDENのトリビュートアルバムに参加しているバンドがキッカケでELLEGARDENに興味を持って今回のアルバムを買うのであれば、それはとても羨ましい経験だと僕は思っています!
ただ、ここまで書いてきていますが、実は、僕もこれが初めてELLEGARDENの新譜を手に取った初めての経験でした。
僕が音楽を、ロックを好きになる頃にはすでにELLEGARDENは活動休止しており、新しいアルバムを手に取ることは出来ない・フラゲをすることは出来ないと思っておりました。
もちろん名前は知っておりましたが、その頃にはもうそれぞれ別のバンドをスタートしており、むしろそちらのバンドの方を好きになり、ELLEGARDENはむしろ後追いで好きになったのです。
だから、正直当時ファンだった人を羨ましく思ったこともありました。
しかし、2022年、同じラインに誰もがおり、ELLEGARDENの新譜を変えるということが現実に出来ています。
そして、耳に聞こえてくる音楽の、ロックの魔法に、ただただ感動しています。
間違いなく、2022年の日本の音楽シーンを語るうえで欠かせない、最後の最後にやって来た爆弾であり、これまで煮えたぎっていたマグマのようなファンの想いを爆発させてくれる起爆剤となる一枚です!
また、一律特典はステッカーなのですが、たかがステッカー、されどステッカーです!
あのロゴがドンと載ったステッカーは、手に取るとおぉ・・・!と感動すること間違いなしですので、和訳など含め、ぜひともCDとして、手元に持っておくことをおススメいたします!!
それでは!
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