【ライブハウス好きのためのフェス】SATANIC CARNIVALを紹介!
今年も、段々と今年のフェスの開催が発表されていますね。
色々フェスがある中でも、僕自身一番注目して、開催を常に待っているフェスが一つだけあります。
それが、『SATANIC CARNIVAL』です。
2014年に初開催されて以降、毎年6月半ばに開催されています。
ちょうど夏フェスシーズンに突入する前に行われるので、体感温度的にもとても過ごしやすいんですよね。
そう、デブとしてはね
話がそれましたが、というわけで、今回は、6回目の開催を迎えたSATANIC CARNIVALを今一度振り返って、そのヤバさをお伝えしたいと思います!!
目次
そもそも、SATANIC CARNIVALとは?
SATANIC CARNIVALとは、PiZZA OF DEATHが主催となって開催されているパンクロック・ラウドロック・ハードコアの祭典です。
PiZZA OF DEATHを知らない人のために説明すると、パンクロックを中心に展開するインディーズレーベルです。
所属バンドは、Hi-STANDARD、Ken Yokoyama、GARLICBOYS、MEANING等、様々なロックバンドがいます。
今や皆が知っている人気バンドであるWANIMAも、元々はPiZZA OF DEATH所属のバンドなのです。
ちなみに、このPiZZA OF DEATHの社長であり、所属バンドの一つであるKen Yokoyamaというバンドのボーカルでもある横山健さんは、このイベントのMCで度々
「このフェスに俺は一切関与していない。ただの一バンドとして呼ばれている」
という旨の発言をしています。
というのも、ここイベントは社長である健さんが先導しているわけではなく、PiZZA OF DEATHの社員の1人であり、BBQ CHICKENSという日本一と言っていいほどにライブがヤバイバンドのベースでもあるISOさんがこのイベントの代表として全てを執り行っています。
そんなレーベルが主催するフェスなので、とにかくメンツがイカツイ!
ヤバイではなく、イカツイです。
そんなSATANIC CARNIVALを、第1回目から振り返っていきます。
SATANIC CARNIVALの歴史
SATANIC CARNIVAL 2014
初開催となったこの年。
期待しているキッズ(うるさいロックが好きな人のことをこう呼びます)達がどんなメンツで来るんだろうか?とワクワクしていたら、その予想を大幅に上回るほどの偏ったメンツになりました。
パンクロック(メロコア)界隈からは、Ken Yokoyama、10-FEET、dustbox、TOTALFATなどの人気バンドから、SAといった重鎮に加え、SHANKにNorthern19やCOUNTRY YARDなどの期待の若手バンドも揃えておりました。
更に、この当時まだまだ無名だった04 Limited Sazabysが、サブステージのオープニングアクト的な役割を務めていたのも、今となっては信じられないですよね。
他にも、このシーンには欠かせないバンド、マキシマムザホルモンを始めラウドロック界隈からはFACT、SiM、ROTTENGRAFFTY、NOISEMAKER。
ハードコア界隈からはSand、元ヌンチャクの向さん率いるkamomekamome、当時若手ハードコアバンドのホープだったTHINK AGAINもおり(現在は残念ながら解散してしまいました・・・)、ベテラン若手・有名無名問わずにここまでのバンドを集めたフェスは、他のフェスとは明らかに一線を画しており、初年度は早々とソールドアウトになりました。
そして、これは僕が参加したからこそ言える話なのですが、メインステージの転換中のBGMで、やたら耳に残る歌がありました。
それが、WANIMAの1CHANCEでした。
なので、この初年度に参加して、たまたまBGMで流れていてWANIMAをここで知った。という人も多いのではないでしょうか?
SATANIC CARNIVAL 2015
2年目の開催となったこの年。
去年みんなが期待してたけど来なかったー!なんていうバンドが、ここぞとばかりに出ています。
また、この年の特徴なのですが、とにかくメロコアバンドが多かった!
去年から引き続き参加の(ここから略称で)Ken Yokoyama、10-FEET、SHANK、04 Limited Sazabysを始め、初参加となったHAWAIIAN6・locofrank・OVER ARM THROW・BUZZ THE BEARS・BACK LIFT・GOOD4NOTHING・WANIMA・MONGOL800と、参加バンドのほぼ半分がメロディックパンクと呼ばれるジャンルのバンドというのは、この年の特徴だと思います。
しかしそれだけではなく、ベテランのKEMURIや怒髪天にRADIOTSにG-FREAK FACTORY。
ラウド界隈からはcoldrainやFear,and Loathing in Las VegasにThe BONEZといった初参加バンドも多く、新しい息吹を感じざるを得ないラインナップでした。
また、この年と翌年もなのですが、Crystal Lakeが唯一のハードコアバンドとなったのは、今でもハードコア少ないなぁ。と感じざるを得なかったです。
そして、この年から、10-FEETにPiZZA OF DEATHが特殊効果(ドーン!っていう大きい音が鳴ってテープが飛び出してくるあれ)を用意してくれたのを、まさかのMC中に使うという暴挙をしたというのもこのフェスならではのハイライトでした(笑)
そして、この年から毎年10-FEETにだけ、特殊効果が用意されるようになりました(笑)
そんな血の気の多いメンツですが、この年のトリを務めたのが、この年に解散したFACTでした。
あの場に実際行っていましたが、あの日のFACTを越えるラウドバンドのライブを、僕は未だに見ていません。
それほどまでに、SATANIC CARNIVAL最後の出演となったFACTは伝説的なライブをしていました。
SATANIC CARNIVAL 2016
3年目ともなると、大分メンツがマンネリ化してくる・・・なんてことはなかったです。
SATANIC CARNIVAL、いやPiZZA OF DEATHは、我々の想像を大幅に上回る、これまでにない面白いラインナップできました。
まず、初参加組に皆が大好きなオオカミさんこと、MAN WITH A MISSIONに細美武士さん率いるMONOEYES。
更にはハイスタの難波さん率いるNamba69が、PiZZA OF DEATHのイベントに帰ってくるのも大きなポイントでした。
それだけではなく、元THE MAD CAPSULE MARKETSの上田剛士さんのソロプロジェクトであるAA=やCrossfaith、若手メロコアバンドのホープDizzy Sunfist。更には再結成後初となる関東でのライブを行ったジャパハリネット。
この年に全国無料ライブツアーを決行したATATAもラインナップにいるなど、発表と同時に常に驚きをくれるメンツとなりました。
そして、この年から、夕方の時間帯になると、高円寺阿波おどり「華純連」という阿波踊りのチームが阿波踊りを披露する時間も設けられるようになりました。
・・・なんで阿波踊り?と思う方も大勢いらっしゃると思います。
公式ホームページによると、高円寺はパンクの街、ということで有名であり、その町繋がりでの化学反応ということで参加が決まったそうです。
ただ、おそらくどのフェスでも、転換と転換の時間に阿波踊りがやっているというのは、このフェス以外に見たことがありません(笑)
ましてや、この年はSiMの前に行われていたので、SiMの前に阿波踊りってのはこの先どこのフェスでもないでしょう。
SATANIC CARNIVAL 2017
4回目となる去年は、ついに2days開催となり、これまで以上に濃いメンツとなりました。
この年、主催でもあるPiZZA OF DEATHレコードからは、皆勤賞のKen Bandをはじめ、初年度ぶりとなったSAND。更にハードコア界隈の重鎮SLANGに去年電撃復活を果たしたGARLICBOYSがラインナップされるなど、これだけでもその界隈の人が見たら、否が応でも濃いメンツが出揃っているなとひと目でわかります。
他にも、FACT解散後、再びここに戻ってきたSHADOWS。待ってました!なRIZEやSWANKY DANK、HER NAME IN BLOODなどの初参戦組、妊活からの復活を果たしたマキシマムザホルモンなどもラインナップされました。
そして、初日のトリをSiMが、二日目のトリをたった2年の間で瞬く間にシーンのトップに立ったWANIMAが大トリを務めました。
四年の間に、このフェスが一つの憧れでもあり、同時に登竜門となる。そして、ここから羽ばたくバンドも多くなったと思えるほど、シーンに大幅に根付いたフェスになったと思えます。
SATANIC CARNIVAL 2018
5年目を迎え、すでにフェスシーンにおいて確固たる地位を築き上げたサタニック。
この年の特長といえば、なんといっても初登場勢の多さでしょう。
シーンのレジェンド、いや日本のロックを語るうえで欠かせない、元THE BLUE HEARTSのヒロト&マーシーを擁するザ・クロマニヨンズが初登場しました。
そこにASPARAGUS、THE CHERRY COKE$などの中堅で、主にライブハウスで活躍しているバンドや、SCAFULL KINGのような1年に数回しか復活しないそれ以上のベテラン。
加えて、ハードコア界隈からはサタニックでもおなじみのハードコアバンド・・・ではなく、大阪のアンダーグラウンドシーンの重鎮PALMを呼ぶなど、発表と同時にこれまで以上に驚きをくれるラインナップとなりました。
しかしそれだけでなく、若手でこれからのシーンを担うホープであるTrack’s、バックドロップシンデレラ、Survive Said The Prophet、CASTAWAYといったラインナップも集結させるなど、若手・ベテランと括られる全ての世代を一緒くたにした、オールジェネレーションのようなラインナップとなり、5周年だからといって総決算。ではなく、どんどん進化、いや深化していっているフェスだと改めて感じました。
SATANIC CARNIVAL 2019
この年の注目ポイントとして、初登場には、ついに日本のロックシーンにおいて、モンスターバンドであるDragon Ashが初登場しました。
さらにDragon Ashと同じミクスチャーロックと呼ばれるシーンからsmorgas。
同じ千葉県でフェスを開催しているHOTSQUALLや、2018年に日比谷野音単独公演を成功させたOLEDICKFOGGYや叙情ハードコアのENDZWECKも初出演となりました。
しかし、この年の特徴として、明らかにパンクとは言えないサウンドでありつつ、けれども骨太なロックバンドが出演していたのも大きなポイントでした。
ヒリヒリとした骨太ロックサウンドを響かせるw.o.d.
そして名古屋の路上ライブで鍛え上げた生え抜きのバンド、サスフォーことSuspended 4thという、これまでのサタニックの音楽的には呼ばれることがなかったバンドが2組も出演したのは、大きな衝撃でした。
事実、このフェスの後、Suspended 4thはPiZZA OF DEATHに加わることとなりました。
そしてこの年のトリは、初年度からの皆勤賞となり、サブステージのオープニングアクトからついにトリを任された04 Limited Sazabysと、結成20年を迎えたROTTENGRAFFTYが務めることとなりました。
この翌年は、東京オリンピックの関係で元々やらないと早々に銘打ったため、2020年の開催は元々ありませんでした。
次からは、僕が思うSATANIC CARNIVALのおススメポイントを語っていきたいと思います。
SATANIC CARNIVALのおススメポイント
音楽だけではなく、カルチャー全体を巻き込んだイベント
SATANIC CARNIVALは、パンク・ラウド・ハードコアの音楽の祭典であると同時に、音楽だけではないその界隈のカルチャーを全て持ってきたイベントでもあります。
キッズにはお馴染みのロックと縁のあるファッションブランドの出典。ロックバンドを撮り続けているカメラマンが記念撮影を行ってくれるブース。
ストリートカルチャーと言えば!なスポーツでもある、スケートボードを行える専用のミニパークに、ミニボルダリング施設。
更に、日本ではタブーとも思われるタトゥーも、カルチャーの一つとして出典しており、そのブースに行けばタトゥーを彫ってくれるという事も行えます!
ひとえにうるさい音楽のお祭り、というわけではなく、1年に1度、全てのカルチャーが勢揃いして、大きい1つのシーンを来場者に見せる。そんなフェスだとも思えます。
これは、1度でも行かれた人ならばわかると思います。
音楽が止まらないサブステージの高速転換!
上記のSATANIC CARNIVALのタイムテーブルを見て、ん?と思う方は、おそらくフェスに慣れている方でしょう。
どういうことかというと、メインステージが転換の為の時間が30分程度あるのに対し、サブステージのバンドとバンドの間の転換時間が数分しかないのにお気づきでしょうか?
普通、バンドとバンドの転換において、そのバンドが使っている機材をステージにセットをしなければならず、かつ前のバンドがいたらその機材を全て片付けなければならないため、どう頑張っても20分~30分はかかってしまいます。
こんな時間で出来るの?と思われるでしょうが、これを出来る秘策がこのサブステージにはあるのです。
実は、サブステージ自体が、見えないところで2つのステージとなっているのです。
説明をすると、アーティストが立っているステージ自体が細長い台座であり、1バンドの演奏が終わると、客席側から見て右にずらすと左側のステージ袖から、次にやるバンドのセットが登場するのです!
なので、こんな短い時間でも次のバンドが定刻通りに演奏できる、というわけです!
その間に、右側にずれて隠れたステージの方では、次のバンドがセットを組んでいます。
そして、演奏が終わると先程と同様に、今度は左側に台座をずらすとまた次のバンドが登場する・・・といった具合に、超スムーズな転換をこうして行っているのです!
ライブが終わり、左右どちらかからステージがやって来ると、そのバンドがサウンドチェックがてら、上に乗っているというのがほぼあります。
その為、セット転換ですら1つのショーとなっており、次のバンドきたー!うおー!という風な歓声が沸くのも、サタニックならではだと思います。
それ以外の出演者も超豪華!
SATANIC CARNIVALは、先程少し触れた阿波踊り以外にも、様々なゲストが登場しています。
2015年は、FTC RADIOというクソラ・・・・電波を通さない謎のラジオ?の公開生放送が行われています。
(ちなみに、この年以降毎年やっていたりします)
他にも、セクシーポールダンサーの紅音ほたるさんもこの年にポールダンスを披露しておりました。
ただ、紅音ほたるさんはこの数年後に、突如お亡くなりとなってしまったため、もう二度とサタニックに出ることが叶わないというのが悲しいところです。
この場を借りて、紅音ほたるさんのご冥福をお祈り申し上げます。
更に、2018年の2日目にはゲストとしてにゃんごすたー、2019年にはベッド・インが登場し、来ているキッズの心を鷲掴みにするようなライブをしていたことも記憶に新しいです。
このように、ライブや様々なブースだけではないところでも、色々なエンターテインメントを体感出来るのが、SATANIC CARNIVALの特徴となっております。
2021年のSATANIC CARNIVALについて
先程も紹介したように、2020年のSATANIC CARNIVALは元々なかったのですが、このような状況となり、SATANIC CARNIVAL自体も、これまで通り幕張メッセでの開催が難しくなりました。
そのため、現在プロデューサーであるI.S.Oさんは、野外でのSATANIC CARNIVAL開催を目指しております。
場所は明記されておりませんが、山梨の某大型ライブ会場での開催になる予定となっています。
もちろん開催してほしいに越したことはないですが、さすがにこのような状況で開催出来るか難しいのですが、それでもI.S.OさんとPiZZA OF DEATHを信じつつ、どのような結果になっても納得出来る心構えでいます。
現在、PiZZA OF DEATH公式サイトでもあるSATANIC ENT.で、開催に向けて尽力されている様子をドキュメンタリーコラムとして公開しています。
以下のリンクよりご覧いただけますので、ぜひ第1回から読んでみてください。
おわりに
というわけで今回は、SATANIC CARNIVALについて紹介をさせていただきました。
パンク好きにとって、サタニックというのは本当に素晴らしく、いい意味でフェス感がなく、ライブハウスの空気感はそのままに、ただキャパシティだけ大きくした印象を常に感じるのです。
ただ、昨今の状況となり、ライブハウスの遊び方が出来ない状況が1年以上続いている中で、仮に今年開催されたとしても、例年通りの遊び方は出来ないのは間違いないでしょう。
しかし、それでも今回の開催を目指している理由は、シーンを守るためです。
このままではライブハウスシーンが絶えてしまうことを憂い、居場所作りをずっと続けてきたサタニックが、旗振り役としてシーンを守るために奮闘をしている姿に、一パンクファンとして誇りに思います。
もし我々に何か求めてきた際には、自分にできる範囲でサタニックの手伝いが出来ればと考えております。
最後に、SATANIC CARNIVALの会場に入ると、一番最初に見えるこの言葉で締めさせていただきたいと思います。
WELCOME TO HELL!!
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