The BONEZ We Control Tour 2019 Documentery 感想

去年、The BONEZが開催したTour『We Control Tour』

 

このツアーが行われている時には一切アナウンスがなかったのだが、このツアーはギターのNAKAが脱退を決めてから行われた最後のツアーであった。

 

また、正直触れたくはないが、このツアー終了後にボーカルのJESSEが大麻所持により逮捕となり、その後のライブ・フェスなどへの出演が全てキャンセルとなり、結果としてこのツアーが4人のThe BONEZの最後のツアーであると同時に、最後のライブの機会にもなってしまった。

 

そんなWe Control Tourで、The BONEZの4人を追ったドキュメンタリー映像が先月から、前編・後編の2回に分けて公開されることになった。

また、このWe Control Tourのファイナルであり、4人のThe BONEZの最後のライブとなったZepp Fukuokaでのライブを収録し、かつツアー中に撮影された写真を収めた写真集と、久しぶりとなるThe BONEZの新しいTシャツがセットになったDVDも先日まで販売されており、再びこのバンドが動き出そうとする足音が聞こえてくるのが純粋に嬉しい。

 

今回は、その前編・後編の2回に分けて公開されたWe Control Tour 2019 Documentery、その感想を述べていく。

 

まず、NAKAの脱退は本当にずいぶん前から決まっていた、いや当人は決めていたのだとありありとわかる。

このドキュメンタリーに先立ってYouTubeで公開された予告編でもわかるとは思うが、その決めた段階がこんなに前であり、ドキュメンタリー内で語られている事なのだが、2018年の9月22日に開催されたWOKEツアーのセミファイナルであった大阪BIG CAT公演でNAKAはもう脱退するとメンバーに語っていたそうだ。

当然、そこまで気持ちになるには相応の時間を要するはずであり、それこそ自分が見に行ったSHADOWSのツアーファイナルであり、The BONEZのJESSEの首の病気により一時的にライブをストップしていた時期からの復帰公演でももうそのように考えていたんだと思わざるを得ず、発表するときはあっという間だが、NAKAが脱退するまでにこんなに長い時間をかけていたとは思いもしなかった。

当然、メンバーも脱退には最初は否定的であり、怒りの感情も出たとも語っており、それこそやっぱり脱退をやめないかという話も全員でしたとも語っていた。

しかし、NAKAの決意は固く、それでも辞めることを撤回することなく、本来ならば去年の12月1日に開催される予定であったREDLINE ALL TIME BEST 2019というフェスがNAKAのラストライブになる予定だったそうだ。

しかし、T$UYO$HIとZAXが語っていた事なのだが、WOKEツアーのファイナルのZepp Tokyoが台風で中止になったのだが、もしあれが何事もなく完遂されていたとしたら、そこでNAKAは辞めてたとも衝撃の内容を語っていたのが驚いた。

 

しかし、最終的にメンバーが受け入れ、これがThe BONEZとして正しいことであり、かつこれを不思議とスッと腑に落ちているというような発言をJESSEも言っており、悪いことではあるがThe BONEZにとってもNAKAにとっても総合的に見ればプラスに思えるというような事を語っていたのが、純粋に驚いた。

もちろん、NAKA自身のインタビューもかなりの時間を割いて個人のインタビューがあるのだが、まさにNAKAの心情というか、人間中尾宣弘そのものの在り方やモノの捉え方、そしてバンドマンとして・ギターリストとしてNAKAはどういう想いでステージに立ち、どういう事が嫌で、どういう考えからバンドをやっているのかというのを事細かに語っており、バンドのドキュメンタリーではあるが人間のドキュメンタリーでもあり、どこの情熱大陸だこれ・・・と言わんばかりのかなり重い内容であり、話となっている。

 

このNAKAの考えに対し、人によっては子供っぽいとか、そんなことでと思う方もいるかもしれないが、自分に置き換えてみると確かにそうだとと納得できることもあれば、このNAKAの考えは自分と同じだと思う方もいるかもしれない。

 

そして何よりも、NAKAがこうやって辞めることに対しThe BONEZに凄く感謝をしている、と語っているのにも驚きつつ、けどこうしてある意味勇退のような形でNAKAを送り出すThe BONEZの強さも感じられる。

ここの部分に関しては現在公開している後編の方で語られているのでぜひ見ていただきたいと思う。

 

もちろんそれ以外のライブ面での活動を追った場面や、メンバーそれぞれのバンド観や人間として感じている事、そしてメンバーが語る、The BONEZとはどういう存在?という事についても本作は語っている為、前編は残念ながら公開は終了してしまったが、まだ後編は見れるため、The BONEZが好きな人、RIZEが好きな人、PTPが好きな人、メンバーのいずれかが好きな人、そしてバンドが好きな人、バンドを辞めてしまった人、バンドに興味を持ち始めた人。

全ての”バンド”に心を1mmでも動かされた人は見てほしい、そう思えるドキュメンタリーである。

 

音楽

Posted by naishybrid