元ライブスタッフのバイトしてた人間だからこそ、東京オリンピックのボランティアには金出せと言いたい

2018年11月28日

東京オリンピックのボランティア問題というのをご存知でしょうか?

その中身は、東京オリンピックに必要なスタッフ、総勢約11万人を、無償で募集するというものです。
そのスタッフは、いわゆる仕切りはもちろん、通訳すらも募集するという触れ込みです。

当初は、交通費宿泊費等全て自己負担と言っていましたが、その後1000円までは交通費負担となりましたが、、首都圏近郊の人間以外でしたら、確実に赤字の出費になるでしょう。
むしろ、東京の隣県である埼玉や千葉でも、この額なら往復で赤字になる人も多いのではないでしょうか?

また、季節もまさに今、この時期。真夏です。
今もそうですが、熱中症の危険性が大いにあり、不要な外出を控えるようにというアナウンスも様々なメディアで言われています。
しかし、基本的にオリンピックと言えば、外でやる競技が数多くあります。

そうなれば、観客はもちろん、スタッフでも熱中症になるリスクが大いに高まるのは、誰の目から見ても明らかでしょう。

この問題に関して、ブラックボランティアという書籍を出版した本間龍氏がこの問題について徹底的に切り込んでいるので、こちらも併せて読むこともオススメいたします。
なぜこれが報道されないのかということにも触れております。

 
ここまでざっとあげてみましたが、はっきり言わせていただくと、なんのうまみもなく使われる。
ボランティアと聞こえはいいですが、中身は奴隷のような仕事。としか僕には見えません。

昔、僕はイベントスタッフのアルバイトをしていたことがあります。
その時の経験もあって、こんなにやってんのに金をびた一文出さないのはおかしいと思うのです。

そのため今回は、この当時のイベントスタッフのバイトの経験と比較し、このボランティアが1円も貰えないことにおかしいというのを伝えられたらと思います。

イベントスタッフバイトの1日

このバイトはもう昔にやめましたが、それでもやはり詳しいライブの中身について書くことはしません。

が、それでもどんな事をやってきたかを、あまり特定されない範囲で書いていきます。

まず、イベントスタッフのバイトは基本派遣です。
事前にその日の仕事に申し込み、その日の何時にここ集合という連絡が何日か前にあり、その時間に集合します。

そして、集合した後、荷物を置いてから今回のイベントの説明を担当者から聞きます。
その後、適当にその派遣会社の社員にこっからここまでという感じでグループ分けされ、ここにいる人たちはこういう仕事やってもらいます。という説明を受けます。

その仕事というのは、いわゆる案内や誘導、警備はもちろん、中にはIDチェックのような、会場の裏にいてスタッフかどうかを判断する仕事というのもありました。
このIDチェックという業務は、基本座ることができ、かつ他の仕事を回されないというメリットがあるため、なるべくそういう業務になるようにと願うことが多かったですw

ただ、どちらかというと、そちらよりも一般的な案内・誘導の方に配属されることが僕は多かったです。
その案内や誘導の業務も、決してそれだけというわけではなく、その前後にはチケットもぎりをすることもありました。

そして、ライブ中では席の誘導をすることもあれば、客席のブロック付近で、視界の邪魔にならないように座り、何かあったら動くということもありました。
もちろん、中には演奏中ずっと立っているという時もありました。

また、その業務最中や、開場前には必ず休憩時間があり、支給されたお弁当や飲み物をほぼ必ず、いただくことが出来ました。

演奏終了後は、お客さんを会場外に出す業務や、後片付けなどを行い終了となります。

そして、業務が終われば、基本大きな会場の現場では、その日払いで給料の支給がありました。

1日で貰えるときもあれば、2days公演の日はその2日目終了のタイミングで貰えました。
日当は、交通費合わせて1日当たり約1万前後でした。

そこら辺のバイトよりもそこそこ高いですし、この中にお弁当代もあり、しかも業務によっては(゚д゚)ウマーとなることもある。
更に、バイトということもありほぼ残業なし。

だからそう。大変なことも多々あるのですが、イベントスタッフって、かなりうまいバイトなんですよ。

こういう経験があるからこそ、今回の東京オリンピックのボランティアの件は、心底おかしいと思うのです。

求める待遇

いくら、オリンピックの仕事とはいえ、ボランティアでやる範囲が今回は広すぎます。

特に、通訳なんかボランティアではなく、もはやそれは一つの立派な仕事でしょう。

東京都の東京オリンピックの公式ページに、東京ボランティアナビというのがあります。

その中に、都市ボランティアという項目があり、その仕事内容は
『空港・主要駅・観光地などで国内外の旅行者に対する観光・交通案内などを行うボランティアで、東京都が募集します。』

と記されています。

・・・いやこれ、中身は完全に観光業ですよね?

これをボランティアでやるというのは、さすがにちょっとおかしいのではないでしょうか?

他にも、大会ボランティアの仕事内容は
『競技会場や選手村などで、観客サービス、競技運営のサポート、メディアのサポートなどの大会運営を支えるボランティアで、組織委員会が募集します。』

とあります。

これ、仮に選手村のサポートに割り当てられた場合、例えば選手のサポートが不十分で、取れるはずだったメダルが取れなかったとなることも考えられるのではないでしょうか?
そして怒りの矛先が、その担当したボランティアに向けられるということも十分にあり得てくるでしょう。

 

また、こちらの毎日新聞の記事に記載されている条件ですが、10日以上活動出来ることが条件とあります。
それだけでも社会人にはハードルが厳しい。また学生でも、学校をないがしろには出来ないはずでしょう。

そこにさらに、組織委は競技知識やボランティア経験、英語など語学の技能を持つ人材を求めているとあります。

この条件に当てはまる人間、どんだけいるんでしょうか?

ただでさえ時間的拘束があり、しかも真夏に行われる。
かつ、業務内容もかなり難しいことを求められる。
もはや、ショッカーみたく人さらって脳改造までして改造人間にでもするとかしないと、こんな超人業務を無償でやるやつ出てこないんじゃないんでしょうか?w

なので、最初に紹介した記事の中にもある通り、有償にし、かつ普通に働くりもはるかに高い金額を提示しなければならないと僕は考えています。

これは、イベントスタッフをやってきたからこそ、余計そう思います。
いくらなんでも、オリンピックだからといって、人をタダ働きさせるのは違うと僕は言います。

誰しもが”うまみ”が欲しいはずです。
仕事やってたら思わぬラッキーがあった。きついけどその分はしっかり金貰えるなど、そういったうまみがなければ、きっと誰もやる気が起きないでしょう。

たとえどんなにその競技が好きであろうと、暑くて働いても金もらえないなら、家でガンガンクーラーと扇風機聞かせて、冷たいもの飲みながらおかし食ってダラーっとオリンピック見る方がはるかにいいと誰しもが思うはずです。
それに、もし仮に、そこで働いていたボランティアスタッフが熱中症になって死亡したとなったら、それこそ世界の笑いものになることは間違いないでしょう。

なので、ボランティアを募集するなら、どんなことがあれ絶対に金を出すべきだと僕は考えています。
そうすれば、絶対に人のやる気というものは湧いてくるはずです。

それでは。

生活

Posted by naishybrid