Download Festival Japanのラインナップをパンク側の人間から見て感じたこと

2019年5月5日

以前、僕はDownload Festival Japanについて記事を書いたのですが、おかげさまで当ブログの人気ランキング1位に入っており、大変感謝しております。

Download Festivalが日本で開催される!・・・けど、不安なポイントを2つ挙げていく

そんなDownload Festival Japan(以降Download Japan・ダウンロードフェス・ダウンロードジャパン等色々な訳し方で通しますがご了承ください。)、昨日の時点で第2弾出演アーティストが発表されました。

公式サイトにはまだand more…(追加アーティストの発表がまだあるという意味)の文字があるので、全アーティストになったわけではないのですが、あくまで現時点でのラインナップについて個人的に言いたいのですが・・・

 

 

普通にダウンロードフェスとして合格じゃない?

 

 

と思うのです。

今回は、パンク好きが見た、現時点でのダウンロードジャパンのラインナップの所感を書いていきたいと思います。

パンク畑から見るDownload Japan

本イベントの希少性

まず、あらかじめお伝えしておきたいのですが

僕はハッキリと言わせていただくと、メタラー(メタル好きの方々のこと)ではないです。

むしろ僕は、パンクが好きな人です。

その為、正直がっつりメタルに精通しているかと言われると、そこまで詳しくはないのです。

ただ、ここは勘違いしてほしくないのですが”メタラーではない”のですが”メタルが嫌い”というわけではないのです。

ちゃんとカッコいいメタルを聞いたらうおー!めっちゃカッケー!となりますし、メタル自体はむしろ好きなのです。

といっても、昔からのメタルバンドより、IN FLAMESやAVENGED SEVENFOLD、BULLET FOR MY VALENTINE等の、2000年代以降の新しく台頭してきたメタルバンドの方がどちらかというと好みなのです。

なので、昔からのメタラーの方からすれば、僕のようなやつはメタルわかってねぇにわか野郎と思う方もいらっしゃるはずです。

ただ、先ほども言いましたが、僕は音楽嗜好で言うとパンクの方が好きです。

そのパンクが好きという自分の視点から見た時に、今回のダウンロードジャパンは、結構いいバランスのラインナップになっていると感じますし、むしろ現時点でのラインナップを見ると特異性と希少性があるなと感じるのです。

日本国内において、こうした海外のメタル・パンクバンドがごちゃ混ぜにラインナップされているフェスで最も代表的なものといえば、SUMMER SONICが挙げられる思います。

ただ、その2つのジャンルが突出して多いわけではなく、海外のアーティストだとEDMやヒップホップの方が多く、かつロックバンドも全体的に見るとオルタナティブロックのバンドの方が多い。ということが多く、挙げはしましたが

”メタルもパンクもいる。でもそこまで数は多くない”

というのが個人的な印象です。

これはあくまで僕の個人的な主観ですが、同様の意見を持っている方はいると思うのです。

他にも比較対象として、数年前まで開催されていたOzzfestやKNOTFESTも挙げられるでしょう。

ですが、元々Ozzy OsbourneとSlipknotが主催であることから、ラインナップはほぼメタルバンドで統一されており、メタルフェスという位置付けで見ている方がほとんどでしょう。

更に今年、VANS Warped Tourが日本で開催されましたが正直に言えば・・・いまいちワープドツアーっぽいラインナップでなく、こんなの思い描いてたワープドじゃない。とがっかりした方も多いのではないでしょうか。

というよりもまさか、今年初上陸したと思ったらWarped Tourそのものが終了するという自体も想定外だったはずです。

これまでのこうした日本のフェスや海外から輸入されてきたフェス。そのいずれから見ても、Download Festival Japanは

・海外のメタル・パンク・ハードコア・ラウドのみがごちゃまぜで集まる。
・日本開催であるにも関わらずラインナップはほとんど海外のバンド。

というのは、今の日本ではとてもレアなイベントだと僕は感じるのです。

国内のメタル・パンクシーンについての所感

話は変わりますが、これは日本国内のメタル・パンクシーンを見ていて思うことなのですが


メタルとパンクって、交わらないよね〜。

と思うのです。

日本で海外のメタルバンドが見たかったらLOUD PARK。
日本で海外のパンクバンドが見たかったらPUNKSPRING。

というように、フェス自体もこれまでは線引きがされていましたし、そういう空気間、越えてはいけない一線みたいなものがあると思うのです。

もちろん両方好きな人もいるでしょうが、お互い不可侵を貫いていて、同じロックでありながら一番壊せない壁だと片方の畑にいる人間としては感じるのです。

だからといって、メタル・パンクの国内でのシーンが内向き、つまり露出がない。大衆に向いてない。アンダーグラウンドに入っている。
かというと、そうではないとは思うのです。

例えば、メタル界隈においてはBABYMETALは、当初は否定されたものの今や2010年代の世界中のメタルシーンを牽引する存在になっているのは言わずもがなでしょう。

他にも、日本のメタルシーンを代表するバンドのLOUDNESSは自身のライブの他にも、ガンで亡くなられた元メンバーの樋口宗孝さんの偉業を後世に伝え、彼の意思を受け継ぎメンバーの高崎晃さんがLOUDNESSとは別にやっているバンド、LAZYでRock Beats Cancerを開催しています。

ですが、ラインナップはメタルバンドでがっちり構成されているわけではなく、今年であればLAZYのメンバーである影山ヒロノブさんが所属しているJAM Project、アニソン界のロックユニットGRANRODEOや、それこそR&E(リズム&演歌)を掲げつつ、パンクシーンにいるバンドの怒髪天も出演する等、ここだけ見ると明らかにジャンルの壁なんかないでしょう。

さらに、THE冠の冠徹弥さんは現在、劇団☆新感線と宮藤官九郎さんがタッグを組んだメタルマクベスという舞台で全くの畑違いの分野であるにも関わらず活躍しているというのも、メタルが内向きではない証拠だと、メタラーではないのですがそのように感じています。

 

 

一方パンクシーンでは、日本のパンクシーンのレジェンドHi-STANDARDが今年9月に自身の主催するフェスAIR JAMを千葉マリンスタジアム(現ZOZOマリンスタジアム)で18年振りに開催し、大きな話題を集めました。

と思ったらその当日、その会場の入り口で配られたフライヤー。そこでHi-STANDARDのドキュメンタリー映画を11月に公開というサプライズ発表を行い、ライブが始まる前に度肝を抜いてきたのです。

また、その映画の宣伝が朝の情報番組でも特集で組まれるなど、かつてメディアを徹底して嫌っていた姿はどこにもなく、どんどん外に出ている姿勢が見て取れます。

これだけでなく、テレビの音楽番組であるLOVE MUSICでHi-STANDARDのメンバーである難波章浩さん・横山健さんの対談が放送。
さらにその日の放送内で日本国内のパンク・メタル・ラウド・ハードコアのバンドが一堂に会したイベント『SATANIC CARNIVAL』のダイジェストも放送されました。

他にもBRAHMANやHEY-SMITH・RIZEなど、それまでテレビの音楽番組に出るとは思えなかったバンドがどんどん出演する等、パンクシーンもまた、どんどん発信の仕方が変わってきている実感があります。

なので

2つのシーンは常に発信を続けている。
けど交わらない。

 

それがパンクシーンにいる人間から見た、日本のメタルとパンクのシーンへの思うところなのです。

今回のダウンロードジャパンの所感

長くなりましたが、ここから今回のダウンロードジャパンのラインナップの所感を述べていきます。

LOUD PARKの再来と思われたOzzy OsbourneやSlayer等のメタルバンドのみの第1弾ラインナップから打って変わり、第2弾ではパンク界隈から日本でも人気のSUM 41やイギリスで開催されるDownload UKにも出演する日本のMAN WITH A MISSIONも出演が発表され、一気にダウンロードフェス感が強くなったと感じます。

ジャンルごちゃ混ぜになっているのがダウンロードフェス最大の魅力だと過去に開催されたラインナップを見て感じていますし、まさかLOUD PARK・PUNKSPRINGでヘッドライナーを務めたバンドが一堂に会するとは思いませんでした。

一日でOzzyもSlayerもSUM 41も見れる。
なんて海外のフェスに行かなければ見れないであろう事を体感出来るのはただの一ロック好きからすると、待ってました!という想いなのです。

バンド数自体は現時点では決して多いとは言えませんが、それでも初開催の日本でここまでのラインナップが揃えば十分だとパンク側の人間からすれば思います。

ただ、まだ追加があると公式では発表されているので、個人的にはあと1バンドほどパンクバンドが来てほしいなと思っています。

本国イギリスだと、ME FIRST AND THE GIMME GIMMESやREEL BIG FISHといったパンク・スカパンクのバンドが出ていたり、同じ3月にオーストラリアのシドニーで開催されるダウンロードフェスだとRise AgainstやPENNYWISEといったパンクバンドも出演しているので、あわよくばその辺りが来れば嬉しいですし、それこそ他のダウンロードフェスに出ていないけど日本にだけ来てくれるパンクバンドがいればそれは大いに嬉しいのですが。

また、日本からもかつてダウンロードフェスのメインステージに出演したCrossfaithや現在どんどん海外に進出していっているCrystal Lake。
あるいは日本のスカパンクバンドとしてKEMURIやHEY-SMITH等も出たら面白いでしょうし、日本のカッコイイバンドのいいプロモーションになると思うので、その辺りも個人的には期待しています。

 

 

ただ、こんなの微妙、メタルバンド増やせ、日本のマンウィズいらん。

みたいな意見もよーーーく見ましたし、そう思う方もいるでしょう。

 

ただ、僕はラインナップよりも、今後もDownload Festivalが日本でずーっと開催されていくことの方がよっぽど大事だと思っています。

当然集客が良ければ、第2回開催もあり得るでしょう。

そしたら、今年は来なかったけど来年はあのバンド来るかな。と期待することができますし、なんなら売り上げが良ければ規模も大きくなり、本国イギリスのダウンロードフェスに引けを取らないフェスになる可能性も大いにあり得ます。

今回のラインナップだけ見て、○○出るから行かねぇみたいなのは非常にもったいないと思うのです。

そもそも、見たい奴がいて、お金に余裕もあるなら行け!っちゅー話なんですよ。

○○興味ない。
ならその時間をごはん食べる時間に使うとか、物販買う時間に充てる等、いくらでも過ごし方はあるのです。

ひょっとしたら、興味なかったけど後ろでなんとなしにライブ見てたけどめっちゃ良かった。なんて可能性も大いにあるはずです。

また、よく見るどこでも見れる日本のアーティストいらねぇって意見がありますが、

 

 

そんな事言うやつはどこでも見れるとか言ってるけどどこでも見ねぇだろ!!

 

 

と思うのですよこちらは笑

どーせワンマン公演はもちろん、フェスでも見ないんでしょう。

だったら、たまの箸休めじゃないですが、こんな機会だし見てやるか。位の心持ちでいって、ライブが良かったら思いのほかよかった。つまんなかったらつまんなかったでいいはずで、むしろ生で見たからこそ言える感想があるはずです。

百聞は一見にしかず、ではないですが、それでもグダグダ言うよりライブ直接見た方が早いと思います。

 

というよりも、何なんでしょうね、メタルが好きな人の排他的思考のようなメタル以外いらないみたいなのは笑

もっと偏見なく柔軟にいろんな音楽楽しんだ方がいいのにな〜と一個人として思うのです。

 

長くなりましたが、これが現状僕がダウンロードフェスに思っていることです。

今後まだ追加発表があるでしょうし、僕も行くのは少し難しい地域なのですが参加したいですし、興味が少しでもある方は楽しみつつ、今後につなげるために行くという意味で行くのもいいかもしれません。

Slayerもファイナルツアーですからね!!!(大事)

それでは。

音楽

Posted by naishybrid