ウルトラマンネクサス 丸山浩デザイン画集 IF ONLY レビュー
来年、誕生から59年を迎え、ついに60周年もあとわずか、という時期に迫ってきたウルトラマンシリーズ。
そのウルトラマンシリーズの中で、未だに異色作であり、これを越える異色作は、まずもって今後出ない。それは、放送の規制、という意味もあるのだが。
だが、そんな異色作ながら、未だに根強い人気を誇っている作品。それがウルトラマンネクサスの良さでもある。
既に以前、自身のブログでもネクサスについて紹介した記事があるため、筆者のネクサスへの愛、というのは以下のリンクから読んでいただければと思う。
そしてそんなウルトラマンネクサスが、放送開始から20年の時が経ったことを記念し、ウルトラマンネクサスのデザイナーを務められた、丸山浩先生がデザインした、デザイン画集が発売された。
なお、この本なのだが、期間限定で受注予約をし、現在は予約を締め切っている。そのため、どこかの店頭やオンラインサイトに行けば買えるわけではないため、その点はご留意いただきたい。
今回は、簡易的にはなるが、こちらの冊子のレビューをしていければと思う。
表紙
まず、表紙にはジュネッスのネクサス。そしてネクサスを象徴するワード、絆が描かれている。
このネクサスだが、察している方も多いとは思うが、写真ではなく、丸山先生による、このために描き下ろした、新規のジュネッスのアートだ。
裏表紙には、ネクサスを彩ったOP・EDのタイトルが並んでいる。
改めて思うが、一つの作品の主題歌で5曲も使われるなんて、1年ものの特撮で考えてみてもなかなか類を見ないことであり、かつ、ネクサスはご存じの通り、打ち切りになっているため3クールであるが、3クールで5曲使う、というのは、特撮はおろか、アニメ等も含めた、二次元のコンテンツにおいてみても、非常に稀有だろう。
そして何よりも、これら全ての楽曲が、ウルトラマンネクサスという作品にぴったりと当てはまっており、どの楽曲も、ネクサスが一番合う。と声を大にして言いたいと思う。
デザインについて
肝心のデザインについてだが、当然ながらここに写真を掲載したら転載になってしまうため、それは控えさせていただく。
だがこのブログは文字で説明することが主なので、文字で、少しでもその内容を伝えていければと思うが、ネタバレも控えつつで伝えていければと思う。
まず、いきなりエナジーコアのデザインの元ネタが明かされており、それがまさかの、我々もよく知る、あれから取った、という、20年越しの真実に驚かされる。
確かに言われればそう思うし、むしろこれまでそう思わなかったのが不思議であるが、とはいえそれをそうと思わせないのだが、丸山先生の手腕と言えよう。
とはいえ、もったいぶり過ぎるのもどうかと思うので、一つだけヒントを言えば、"先祖返り"、とでも言わせてもらおう。
これはおそらく、読んだ方なら納得いただけると思う。
更に、ネクサスの特徴的な目のデザインについても触れており、様々なものを組み合わせて出来上がっているということが明かされている。
正直、これくらいならネタバレにもならず、かつ、デザインの影響を受けた一部、と言っていることや、これを見てまさにこれは!となることはないのではないだろうかと思っているため、このくらいなら問題ないだろう、という線引きでお伝えさせてもらうとすると、ネクサスの目のデザインには、イングランドのバンド【Asia】のバンドロゴの意匠も含まれているという。
まさか、バンドロゴまでもデザインの一部として取り入れているとは思わなかったが、そういった様々な要素が複合され、あの神秘的で特徴的な目になったのだと思うと、丸山先生の知識量に脱帽である。
もちろん言わせてもらうが、これはあくまで一部であり、本線はまた違うところにあるため、勘違いだけはしていただきたくないとは思う。
この後には、丸山先生が描いたネクサス、だけでなく、その前日譚となる映画【ULTRAMAN】に登場をしたザ・ネクストのデザインだけでなく、その原型となった初期のデザイン画に加え、スーツをどのように作っていたかということも事細かに書かれている。
更にネクサスでは、ネクサスのひな形だけでなく、ダークファウスト・メフィストのひな形とも言える初期のデザイン画に加え、ファウスト・メフィストのタイマーが、実はあるウルトラマンのカラータイマーを改造したものや流用したものなど、この機会に初めて知ることになる意外なことも数多く書かれている。
加えて、打ち切りの関係で本編未登場になったキャラクター、ダークルシフェルのデザインも本著には掲載されており、度々話題にあがるものの、どのような姿だったのか、というのが、ここでついに明らかになっているが、あくまでこれは丸山先生の描いたデザインであるため、あくまでもこうなったかもしれない。という体で読むことをおススメしたい。
そしてもちろん、ザ・ネクスト、ネクサスとくれば、ノアも勿論ある。
ノア・並びにダークザギのデザインも数多く掲載されているが、これが意外だったことなのだが、ダークザギ誕生の由来、ということも触れており、まさかの意外な形での持ち込みから生まれたという秘話があり、〇〇〇〇の当時それを持ってきた方も、まさか20年経っても話題になるキャラになるとは思わなかったことだろう。
そしてこのデザイン画集には、もしも、ということで、もしもこの人物がネクサスになっていたら、という体でのデザインも起こされている。
具体的にどういうことかというと、デザインを見せるわけではないことや、これでより興味を持ってもらうためにもあえて言うが、もし凪副隊長がジュネッスになったらどうなっていたか。あるいは、平木隊員、和倉隊長がネクサスになったとしたら、どんなジュネッスになっていたのか。という、もしものデザインが描かれている。
更にそれだけでなく、意外なキャラがネクサスになったとして、どんなジュネッスになったのか。というもしものデザインも描かれているため、そこも必見である。
そして、このデザイン画集最大の見どころと言えば、なんといっても、ウルトラマンノア・ダークザギの最終形態、ということだろう。
ただでさえ最強格のウルトラマン、並びに悪のウルトラマンの最終形態?と、事前情報の触れ込みであったため、どのようなものかと思いワクワクしながらページをめくった。
もちろん、そのデザインについては秘密にさせてもらうが、ただ、一つだけ言わせてもらうとするならば、決して元のデザインを損なうことなく、それでいて、おぉ・・・!と、ファンなら納得出来る、最終形態だとお伝えをさせていただく。
掌編小説について
そしてこの画集には、掌編小説である【混沌 -ケイオス-】が3ページに渡り入っている。
この掌編小説を書いたのは、そりゃこの人しか書けないと、誰もが納得する、ネクサスのメインライターであった、脚本家の長谷川圭一先生だ。
その長谷川先生が、20年(正確に言えば19年ぶりになるが)の時を越えて新たに紡ぐ、ネクサスの世界観を広げる小説。
内容について詳細を触れるわけにはいかないというのはもちろんだが、とはいえ、どんな内容なのか、大まかに知りたいという方もいるだろう。
なので、大雑把にあらすじを、一言で言うならば、あの時のシーンにおいて、どんなことがあの2人に起こっていたのか、ということを書いている。
ただ、これだけ書けば、タイトルと踏まえ、どのシーンなのかというのは、ネクサスのファンならば想像がつくことだろう。
そして、これならばおそらく、ネタバレにならないだろうということや、かつ、ネクサスのファンの購入意欲を上げるためにも言いたいのだが、この小説でついに、第1話で幼少期の孤門が川で溺れた時に助けたのは誰だったのか。あの手は何だったのか。ということが、ハッキリ明記されている。
デザイン画集の中の掌編小説なため、非公式なのかもしれないが、ただ、ネクサスのメインライターである長谷川先生が書いているなら、それはもう、公式と言えるだろう。
故に、筆者はこれが公式なんだと勝手に思っているが、それでも、おぉ!と、ファンならば腑に落ちるアンサーが待っているため、気になったファンの方は、なんとしても手に入れていただきたいと思う。
まとめ
駆け足にはなったが、今回はこのウルトラマンネクサスの画集について紹介をさせていただいた。
やはり何年経っても、異色のウルトラマンであり、かつ、見た人の記憶に残るウルトラマンだと、間違いなく言える作品であり、20年という時が経っても、画集が発売されるだけで話題になるのだから、どれだけ根強い人気があるのだと、改めて思い知らされた。
現状、手に入れるのはもう難しいが、それでもこれで気になった方がいたら、ぜひともなんとかして手に取って、読んでいただきたいと思う。
大満足出来ることはもちろん、書いてこなかったのだが、見開きにネクサスのプロデューサーである渋谷プロデューサーの言葉も描かれているのだが、そこでグッと引き込まれるのはもちろん、応援をし続けたからこそ、このようなものが生まれたのだと、誇りに思いたくなるはずだ。
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