水曜どうでしょう2019年最新作感想【迷走の果てに生まれた超傑作企画!】

2021年3月13日

つい先日になりますが、僕の住んでいる長野県でも水曜どうでしょう最新作の放送が全て終了しました。

 

これまで、長野県というと割と新作が放送されるとしても他の県よりは早めに放送されていた地域だったのですが、今年は最初に放送された北海道から数えると、かなり遅く放送される地域となり、全国でも下から数えた方が早いほど放送が遅い地域でした。

 

そのため、オンデマンド配信はされていましたが、この地域で放送されるまで待とうと思い、新作が放送されるのを今か今かと待ちました。

そして、4月からついに新作が公開され、合計11夜が、先日すべて放送終了しました。

 

もう今更ネタバレもないでしょうし、オンデマンド配信などもあることによって、おそらくどうでしょうファンの方で見たことがない人の方が今や圧倒的に少ないでしょう。

 

そのため、今更にはなるかと思いますが、今回のブログではこの最新作の感想を述べていきます。

なお、堂々とネタバレを今回のブログではしていきますので、まだ見ていない・現在見ているところだという方は、今回はブラウザバックを推奨いたします。
(スマホしか知らない子はタブを閉じるとか言うのかなぁ・・・?)

 

水曜どうでしょう最新作の感想

今作は面白かったのか面白くなかったのか

まず、一番大事な部分である

 

今回の企画は面白かったのか面白くなかったのか

 

というところについてです。

 

どうでしょう藩士の方の中にはそうは思わない!という方もいらっしゃるかと思いますが、これはあくまで、僕の所感について言わせていただきますのでご了承ください。

今回のこの企画。もうここまで来たため言わせていただきますが、『北海道で家、建てます』の感想をはっきりと言わせてもらうと・・・

 

 

 

2010年代のどうでしょうの企画の中で、ダントツで面白かった!!

 

 

素直にそう思っております。

ではなぜ、今回のどうでしょうの企画が面白かったのか、3つのポイントに分けて紹介させていただきます。

水曜どうでしょう最新作の3つの面白いポイント

迷走故に何が次に来るかわからない

今回のどうでしょう最新作のテーマの一つでもあった「迷走」

 

ディレクターの藤村さんも度々迷走・迷走と何度も言っていましたが、実際間違ってはいなかったです。

そうでなければ、もっとちゃんとした企画を立てますが、だからといってどっか新しい旅に出るのもなんかしらけるというのも、確かに見ている側からしても納得したのです。

 

そこで出た企画が、”家を建てる”っていうんですから、なんじゃそりゃともなります。

 

ただ、いわゆるレギュラー放送終了後、このような旅に出ず道内で完結する企画というのはありませんでした。

これ以前に道内で完結する企画というと、2001年に放送された釣りバカ対決!わかさぎ釣り2以降ありませんでした。

 

もっと言えば、家を作ろう!なんていうのは、粗大ゴミで家を作ろうという最初期の路線が決まっていなかった時期にやった企画以降でしたので、家を作ろうと決めたのが2017年であったため、実に20年以上振りにどうでしょう軍団が家を作ろうということになったのです。

それも、本当に住めるレベルの家を、です。

 

確かに迷走ではありますが、企画としては目新しく、旅に行かないどうでしょう軍団というのも久しくなかったですから、逆に新鮮でした。

 

さらに、お約束であった企画発表に2週も費やすわ、お馴染みの前枠・後枠に大泉さんが不在なことが多くなり、ついには25年近い歴史の中で初めて、大泉さんがロケに呼ばれず、3人で番組を回す回というのもありました。

 

他にも、エンディング映像ではこれまでのダイジェストでなく、馬が走っている映像という大河ドラマを意識した映像という、初の試みがされました。

さらにそれだけでなく、いわゆる主演争いが毎回起き、ミスターや藤村さんが主演のポジションに度々登場し、一方で大泉さんの名前が回を追うごとにどんどん小さくなっていき、しまいにはお弁当を出してくれたお店と同じ位置になり、かつ文字のサイズまで小さくなる等、とにかくこれまで見たことのない水曜どうでしょうの姿がありました。

 

しかし、だからこそ、最後まで気が抜けず、見ていて今日は何が起こるんだ!?という緊張感や、今回はエンディングの大泉さんの名前はどこにあるんだ!?といったワクワク感が30分ずっとキープされ続けていたのです。

中だるみが全くなかった

今回のどうでしょうの最高に素晴らしかったポイントは、ここ10年の間に放送された新作にありがちだった、中盤になると急に面白さが失速してしまうことがなかったのです。

 

藩士の方が気を悪くされたら申し訳ありませんが、前回の初めてのアフリカでも、その前の原付列島日本制覇でも、序盤は面白かったのですが中間になると突然あれ?なんか面白くないな?と感じることが僕は多かったのです。

 

ただ、今回の北海道で家、建てますは全然中だるみがなく、最初から最後までずっと面白かったのです!

 

家を建てるということでロケも1~2日・あるいは2~3日等、常に短い日程で行われ、かつ1回のロケを2,3夜分に分けて放送をしておりました。

そのため、どうでしょう軍団のロケも、前回のロケからの続きということに必然的になるため、前回の反省を活かしたやり方でどうでしょうハウスを建てていくという進歩も常にありました。

 

更に風景も冬の景色が次は初夏の景色なる等、どうでしょう軍団自体も常にロケが変わるたびに新しい気持ちで行っているためか、常にダレることのない新鮮な笑いが生まれてくるのです。

 

さらに今回は、どうでしょうから生まれた名物企画『シェフ大泉』が久しぶりの登場をし、しかも今回は2・3週に一度は登場するという大盤振る舞いとなっています!

 

そして、シェフ大泉の特徴であるざっくばらんに作っていて、いまいち美味しくない料理がウリであったのですが、大泉さんも歳を取り、その頃からめちゃくちゃ料理が上手くなっていて、普通なら、普通なら!みんな嬉しい!万々歳!・・・となるのが当たり前なのでしょうが、このどうでしょうにおいてはディレクター陣からは美味しいのに陳腐・凡庸と言われる始末!

 

そのため、大泉さんはシェフ大泉を今回のロケではほぼ毎回行い、ディレクター陣を満足させるためにあくせくしている様は本当に面白く、いい意味であんな大スターになった大泉洋が、この番組だと誰よりも若手扱い・一番下で使われる様を見ると、あぁこれぞどうでしょうだなー!!と感じてしまったのです。

 

また、テントでの藤村ディレクターのいびき問題なんて、あんなのぶっちゃければ、こんなのテレビとして放送していいの・・・?と疑いたくなる内容です。

 

が、逆にそんなとてつもないくだらないものを放送しよう!と決めてくれたことには感謝しかないですし、おいヒゲ!とファンも突っ込みたくなるあのカオスさは、この番組でしかなり得ない絶妙なバランス感と、見ている側もこれを許す、いやむしろ待ってました!と言いたくなる、信頼感で成り立つからこそ、あんな半ば放送事故のようなものが放送できたのだと感じています。

主演は大泉洋だった

結局、やはりここなんですよね。

 

この番組の主演は、大泉洋だったな。と。

 

もうここまで読んでいる方々なら分かっているかと思いますが、最終夜で衝撃の発表がありました。

 

2018年1月にロケを行った際、半年近く放置していたということや大雪の影響で、それまで作っていたどうでしょうハウスが崩壊したということでした。

 

それを目の当たりにしたディレクター陣と、ミスターこと鈴井さんは崩壊したどうでしょうハウスを見て呆然としていましたが、その日の夜の飲みの席で、どうでしょうハウスの再建は大工に丸投げし、この事実は完成まで大泉さんには内緒にしておこうという事にしました。

 

その映像が流れた瞬間、全ての疑問が解決されました。

 

2017年の初頭、藤村さんはなぜどうでしょうの新作について公式で書いたのに、すぐさまミスターがそれを否定し、そしてほぼ3年が経ってから新作が公開されるということになったのか。

 

 

・・・そりゃ、家壊れたとなったらそれ相応の時間かかるわな・・・(笑)

 

 

それなら確かに、2017年初頭にロケに行ったとして、2018年の頭に家が壊れたとなったら、大工に丸投げとはいえ、その方々も仕事があるため、なかなか進まなかった結果、ここまで時間がかかったのだと思います。

 

その結果、大泉さんはもちろん、それを見ている視聴者をもダマすこととなりました。

そして、さらにもっと言うと

 

 

最初の前枠を撮影していた水曜どうでしょう祭り2019の時の大泉さんも、まだこの事を知らなかった。いや知らされていなかった。

 

と考えると、これがどれほどまでに長い時間をかけた計画であり、そして最後の最後にこんな大オチを持ってくるというのは、笑いもありますが恐怖すらも覚えます。

 

ですが、この家が崩壊をしなければ、正直この企画はもう少し長くなっていたと思いますし、むしろずっと迷走をしていたのでは?と疑いたくなるほどです。

実際、あの崩落した前どうでしょうハウスを雪の中から掘り起こした際は、皆さん頭真っ白となっていましたからね。

見ているこちら側としても、予想外の事が起きたとき、人はあんな顔とリアクションをするんだ・・・となりました(笑)

 

だからこそ、この崩壊が、今回の企画のトリガーとなったのは間違いないでしょう。

その夜に、今回の企画は大泉くんには内緒にしておこうと決めた結果、この企画は最後の最後に大オチをしかけ、大泉さんを驚かせようという方向性となりました。

 

結果的にですが、そのように番組を作ることになった結果、視聴者にも最後の最後まで秘密となり、大泉さんだけでなく、我々もまた、騙されることとなったのです。
(というより、10夜まで2017年だったのが最終夜でいきなり2020年の話となったので、その過程がまるっとすっ飛ばされていたため、騙されたもへったくれもないのが正直なところですが・・・)

 

ただ、最後まで見て僕が感じたことは、やっぱりどうでしょうは、本当に大泉さんが好きなんだなと感じました。

 

前作の初めてのアフリカで、ライオンやヒョウ等の野生動物に最初は喜んでいたものの、結果的にカメラは動物よりも大泉さんの方を向くようになりました。

それを見て大泉さんは結局どうでしょうは野生動物といっても最終的に面白いがゆえに僕を撮るようになるんだとゴネておりました。

 

今回の企画もまさにその通りであり、最後の最後に真実を知った大泉さんがどんなリアクションをするのか楽しみで楽しみでしょうがない。最後のロケの日を待っていた!と藤村さんが言っていたように、大泉さんが驚くさまを見せて視聴者を笑わせてくれるのはもちろんですが、それ以前にディレクター陣が大泉さんにこうした方が面白い!と判断したことにより、2年以上も黙秘を続けることにより生まれた衝撃のラストは、どの企画発表よりも衝撃的であり、正直25年近いどうでしょうの歴史の中で生まれた企画の中で、一番度肝を抜かれました。

 

まさに大泉さんを撮れば面白いことが生まれるというセンスその通りに、最後にこんな発表をしたことによりカメラはほぼずっと大泉さんの方を向くこととなり、その一挙手一投足は、ディレクター陣が2年前に予言していた通りに動きつつ、さらにその上をいくコメントを次々繰り出すさまは、とてつもなく面白かったです。

 

正直、今や25年近くも歴史のあるバラエティ番組というのは数が少なくなりましたし、ましてやずっと同じメンバーでやっている番組というのは稀有でしょうし、長く続く番組ともなると円熟味が増し、笑いのセンスも落ちてくるものだと思います。

 

しかし、こんなに時間が経っても新鮮な笑いを生み出してくれ、さらにとんでもない方向へ番組が転がっていく。いやそれ以前に、最初からどうでしょう幹部陣の手のひらの上で踊らされていた、というのは、25年にもなろうとする番組がやる手段ではないでしょう。

 

そんな今もなお、チャレンジ精神というか、正直、テレビが面白くないとか言われている時代に、今一度テレビ番組がめちゃくちゃ面白い!と言わせるような番組を作った水曜どうでしょうは、改めてすごいなぁと感じました。

 

こんな企画・・・そりゃ傑作企画にならないわけがない!と言いたくなりました!

 

正直、2010年以降に放送された企画の中で、ダントツでこの企画は面白かったですし、DVDが出たら真っ先に買いに行きたいレベルでもう欲しくなっております!!

 

そしてさらに最後の最後にもう一つサプライズがあり、サラッと最後に新作はもう一本あると言ったこと。

 

2018年に、どうでしょう軍団が海外にロケに行ったという話はちらほら出ており、最初のロケの話はなんだったの?と疑問が多かったのですが、これを聞いて全てが納得しました。

まさかこの2本は同時並行で行われており、2本ともロケを行っており、その両方が新作として放送される。
これは嬉しいサプライズでした!

 

これまで、夏野菜スペシャルで企画の間にもう一本違うロケに行ったということがありましたが、シンプルに2本同時にロケを行っているという、なぜその発想が浮かばなかったのか・・・と、考えれば当たり前のことが浮かばなかったのが、今考えれば悔しいところです。

 

その新しい新作を待つためにも、今一度北海道で家、建てますを再度見直そうと思います!
というかしてます!

おわりに

というわけで、長くなりましたが、今回の水曜どうでしょうの新作に対し、僕が感じたこととなります。

とにかく今回は僕的にはとても面白く、こんなに次のどうでしょうが楽しみ!!というのは凄く久しぶりでした。

次の海外ロケの新作がどうなるかは現時点ではまだわかりませんが、それでも今回の面白さがキープされることを期待しています。

 

また、酔っぱらっていても大泉さんに家が崩壊したことを伝えていなかったという事は、その海外ロケの中で少し触れられるのか。
そこも期待したいと思います!

それでは!

追記・2020年最新作の感想を書きました

先日、2020年の水曜どうでしょう最新作の放送が終了しました。

こちらの感想を書きましたので、あわせて読んでいただければ嬉しい限りです。

水曜どうでしょう2020年最新作感想【4人だけの旅はやっぱり面白かった!】


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Posted by naishybrid