Girls Don’t CryとWasted Youth。そのデザイナーのVerdyをロック好きが紹介する
Girls Don’t Cry
そしてWasted Youth
ストリートファッションが好きな方、いやもはやファッションに興味がある方でしたら、1度は聞いたことがあるブランドでしょう。
もはや世界規模の人気を誇っている2ブランド。
どちらとも世界的に有名なブランドとのコラボ商品を数多く世に出しており、先週はファッションに疎い人でも知っているであろう、天下のNIKEとGirls Don’t Cryがコラボしたスニーカーが大阪で抽選販売され、それを買うために3000人近い人が朝から行列をなした事は記憶に新しいでしょう。
今や日本を代表するブランドになったこのブランドですが、そもそもこの2つはVK DESIGNのデザイナーのVerdyさんという方が始めたものであり、この2つは切っても切り離せないというか、兄弟ブランドとも言うべきものなのですよ。
また、個人的な話をさせていただくと、自慢ではないのですがこの2つのブランドが始まるずっと前からVerdyさんとVK DESIGNを知っていました。
というのも、僕が好きなハードコアバンドである『MEANING』
そのMEANINGのグッズやフライヤー等で、たびたびVK DESIGNが関わっていたりVerdyさんの絵が使われていたりと、否が応でも目にかかることが多く、それが理由で知っていたのです。
もちろん話したことなどはないのですが、個人的に世の中に知られていなかった頃から知っている人が、いつの間にか世界的アーティストになったのは、ただただ驚きでした。
というわけで今回は、そのロック好きが今更聞けないGirls Don’t CryとWasted Youth。
そしてそのデザイナーのVerdyさんについても紹介していきます。
Girls Don’t Cryとは?
Girls Don’t Cryは、2017年から始まったブランドです。
2017年の3月にVerdyさんが自身のインスタにあげたこの画像が始まりでした。
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girls don’t cry #girlsdontcry2017
ブランド名の意味は
”泣かないで”
このような意味が込められている理由は、このブランドは全てVerdyさんの奥さんに向けて作っており、その奥さんにいつも笑顔でいてほしいという願いもこのブランド名に込められています。
そのため、以下に紹介するブログのインタビュー内に掲載されているですが、プレゼントしたいものや妻が好きなものを意識しているので、妻が興味ないものとコラボレーションすることはない、と仰っており、誰よりも何よりもまず奥さんを大切にするVerdyさんの気持ちがギュッと込められています。
Wasted Youthについて
Wasted Youth(ウェステッドユース)も、同じく2017年から始まったブランドですが、当初はブランド名というわけではなく、Verdyさんの個展のタイトルとして使われるなどしておりました。
このブランドの意味は
”無駄なものなんてひとつもない”
直訳すると、無駄に過ごした青春という意味なのですが、Verdyさん自身のアティチュードが反映されており、直訳の意味ではなく、全てを通して青春に無駄などない=無駄なものなんてひとつもないという意味が込められています。
こちらのブランドは、Verdyさん自身が聞いてきた80年代のハードコアバンドの意匠が込められています。
特に、ここは後でまた紹介するのですが、GANG GREENというバンドをWasted Youthはモチーフにしており、実際ブランドロゴである、あの砂時計のような形をした囲みも、GANG GREENが使っていたバンドロゴの形そっくりそのままなのです。
他にも、あのWasted Youthの代表的な絵であり、度々Tシャツの裏などにも描かれているあのバラが刺さっているビールの缶の絵は、本来ならばバドワイザーですが、その缶の名前もGANG GREENとなっています。
というのも、GANG GREENは1989年には『Older…Budweiser』
1997年に出したアルバム『Another Case of Brewtality』
その2枚のアルバムではまさにBudweiserがタイトルやジャケットに使われており、ハッキリとは言えないですがそこからインスピレーション、オマージュを受けたものだと言っても間違いではないでしょう。
Verdyさんについて
そして、何と言っても欠かせないのがこのデザイナーのVerdyさんです。
2008年にK.I.Tさんと2人でグラフィックデザイン・イラストユニットの
『VK DESIGN』
をスタートさせました。
その後、2012年からVerdyさんは単身東京に拠点を移し、そこから多くのバンドグッズをデザインするなど、時間が経つにつれ、バンドが好きな子がVerdyさんやVK DESIGNという名前を知っていくようになりました。
冒頭でも触れましたが、僕は2013年頃からハードコアバンドのMEANINGが好きになり、そのMEANINGのグッズやフライヤー等で度々VK DESIGNが使われていたため、必然的にVerdyさんとVK DESIGNを知っていき、個人的にMEANINGにお馴染みのデザイナー、という印象を持つようになりました。
また、これは少し余談なのですが・・・僕が勝手に思っている事なのですが・・・
『MEANINGが見つけた人売れる率高い説』
というのがあります(猛爆)
これは、MEANINGが2016年頃まで毎年行っていた自主企画イベント
『Spooky Zoo』
そこに出た、当時まだそこまで知名度がなかったバンドが、かなりの確率でその後売れるということが多かったのです。
少し挙げるだけでも、SUPER BEAVER・My Hair is Bad・Crystal Lake・yonige・SHANK等、今や武道館公演を行なったり、フェスでは1番大きいステージに立つようなバンドがまだそこまで名前が知られていない頃にこのSpooky Zooに出ていたのです。
今でも忘れられないのが2014年のSpooky Zoo。
そのトップバッターを今では海外のフェスやバンドから引っ張りだこのCrystal Lakeが務めており、その時はちゃんと前で見てた人が20人いたかどうか、という事がありました。
その時にライブを見てCrystal Lakeめっちゃかっけぇ!となったのがもう4年以上前になりますか。
今ではもう、日本を飛び越し海外からも人気になっているのを見ると、本当にあの日のライブは貴重だったなぁ…と時間が経つにつれどんどん実感するようになりました。
だいぶ話が逸れましたが、そんな流れを個人的に感じているのです。
なお肝心のMEANINGは・・・おっと誰か来たようだ。
そんなMEANINGが関わった方々で、1番売れた方がまさかVerdyさんになるとは本当に予測できませんでしたよ・・・
ここまで紹介してきて、普通はここで終わるのでしょうが、実はまだ続きます。
ここからが、タイトルにある
”ロック好き”
が関わってくるのです。
Verdyさんが考えるシーンを読んだロック好きの思うところ
まずはこちらのインタビューを読んでみてください。
こちらは、SATANIC ENT.という、当ブログでも度々紹介している、SATANIC CARNIVALというイベントを運営しているSATANIC公式側が運営しているサイトとなります。
主にパンク・ラウド・ハードコア界隈のライブレポートやインタビューを載せているのですが、時折こうしてそのシーンに関わっているデザイナーにもインタビューをしています。
そして、このVerdyさんのインタビューでは、聞いてきた音楽遍歴と、先ほど少し触れたWasted YouthとGANG GREENの関連性、そして今のシーンに対する疑問点や違和感についても語っています。
その中で、僕が一番考えた部分はここでした。
「これはシーン全体に言えることだと思うんですが、いわゆる原宿や渋谷を中心とするストリートカルチャーと、パンク・ラウドのシーンが少しかけ離れているように見えてしまうことがあるんですよね。例えば、ストリートにいるキッズに、全国的に人気があって何千人も集客できるバンドの話をしても、意外に知られていなかったりするんです。バンド自体はすごく人気があってCMやテレビで楽曲が流れているのに、街にいるストリートキッズが認識していない、というのは、あまりにももったいないなって。」
これ、確かにロック好き、その界隈で言う言葉だとライブキッズとなるのですが、そのキッズからしてもこの言葉、わかるな~。となってしまうんですよ。
例えば、それこそ原宿や渋谷辺りで、ストリートファッションをしている人が多くいますが、その辺りの人がライブが、ロックが好きかというと、もちろんはっきりとはわからないのですが、僕から見るとそうは見えないんですよ。
それこそ、このシーンは音楽的にはパンク・ラウド・ハードコア等になるのですが、その界隈の音楽が好きでライブに行く方々の服装と原宿や渋谷にいる方々の服装が被っているかというと、正直違う、と言いたくなります。
(もちろんライブなので当日はそのバンドの服装でがっちり固める方が多いというのも要因の一つではあるでしょうが)
ただ、それ以前に、明らかにオーラというか、雰囲気が明らかに別物だと思うんですよね。
陰キャラ陽キャラと括るのも微妙なのですが、でもなんだか一言で表すとそういう雰囲気を感じます。
逆にロック好き、もっと言うとこのシーンが好きな方々がそういったストリートカルチャーのような服装をする、そこに含まれるであろうブランドを好む、着るということは大いにあると思うんです。
(もちろん逆もあり得るでしょうが。)
だからこそこのVerdyさんが言う違和感というのはキッズからしても共感しますし、おそらくストリートにいる人にこれそうじゃない?と聞いたとしても同じような答えが返ってくる気がしています。
また、それ以前にそれらを紹介しているメディアにも乖離間があると思うのです。
例えば、ストリートファッションやカルチャーを紹介しているWebメディアが、併せてバンドやそのバンドのグッズを紹介しているというのは、ほぼ見たことありません。
逆にロックを紹介しているWebメディアも、ロックに関わるブランドは紹介していてもストリートカルチャーのブランドを紹介しているというのも、ほぼないのです。
それこそWebメディアだけでなく、ストリートを紹介している雑誌でも一緒くたに、かつどっちもいいバランスで紹介されているものというのも、今では少なくなっている気がしています。
そういった所もまた、2つのシーンがかけ離れているという気にさせる要因だと思うのです。
そういった所をVerdyさんはとても気にされており、ストリートカルチャーにいるキッズやロックキッズにも伝えていきたいと仰っています。
それこそ、このインタビューにもあるのですが、ライブだとディッキーズのハーフパンツが制服のようになっていると思いますし、みんなが同じ格好をしてライブを楽しんでいるような気がします。とインタビュアーが発言しており、それもそれでわかるな~。と思うんですよ。
確かにライブにディッキーズを履いてくる僕よりも若い子はとても多い気がしますし、正直言わせていただくと、ウワ、出たよ・・・・。って思うのです。
ライブなんて何着てもいいんだし人にケガさせない限りは自由に楽しんでいいのに、TシャツはバンドのTシャツで統一しても僕はそれは気にしないのですが、ただ下を統一する理由が僕にはわからないんですよね。
(ちなみ僕はライブにはディッキーズのハーフパンツは防犯的な意味で履いていきません。ポロッとスマホや財布を落とす確率も高そうなので。)
それこそ統一感や量産型と呼ばれる服装をするのが嫌な人がそういったのを嫌い、自由に、唯一無二のファッションをしていく方々が集まり、結果的にストリートと呼ばれるカルチャーやファッションに繋がってくる気がするんですよ。
そこに昔はロックやスケボー等のエクストリームスポーツ、そしてファッションも一緒くたになっていたはずです。
ただ、今はそうではなく、時間が経つにつれて独立していったのかはわかりませんが、それぞれがそれぞれで独立したものになっています。
だからと言ってその隔たりを埋めよう!なんて気は僕自身サラサラないですし、だったらそこにいるシーンの人間がどこよりも一番カッコいい。と周りから言わせるようになるべきだと感じています。
Verdyさん自身、このシーンはもっと自由にクールになってほしいという思いが強くありと語っています。
まさにこれは僕も思っていますし、服装はもちろん、遊び方や精神。その全てをひっくるめててこのシーンはカッコいいと思いますし、今後も統一感で埋め尽くされるのではなく、個人がそれぞれ自由に、楽しんで音楽もファッションも楽しんでこのシーンを盛り上げる、知らない人からあのシーンにいる人はどいつもこいつもカッコいい!と言われるジャンルになってほしいと思います。
それでは。
ディスカッション
コメント一覧
hadouken!の曲の歌詞からとってるんだと思ってました。
コメントありがとうございます。
新たに知れたというのならこれ以上嬉しいことはないです。
こうしたことがシーンにのめりこむきっかけとなれば一ロックファン・ファッション好きとしてはとても嬉しいです。
コメントありがとうございました。