NO NUKES1日目がソールドしたから、このフェスについての僕の思うところを言いたい
今年の3月23日と24日、東京の豊洲PITで開催されるイベント
『NO NUKES』
昨日、これまで発表されていたアーティストに加え、第2弾として初日にNAMBA69とストレイテナー。2日目にサンボマスターが発表になると同時に、チケットの一般発売も開始されました。
その発表を見て、ラインナップの良さから僕もすぐにチケットを取ったのですが、これが一番驚いたのですが、なんと1日目の方が即日ソールドアウトしたのです。
確かに、いとうせいこうさんにASIAN KUNG-FU GENERATIONのGotchさんのソロ・BRAHMAN・NAMBA69・the HIATUS・ストレイテナーというラインナップですから、ロックファンからすればいいメンツだと思う方が多いでしょうし、そういったことからも要因の一つでしょう。
誤解してほしくないのは、今現在まだ販売されている2日目が決してメンツが悪いというわけではなく、2日目もASIAN KUNG-FU GENERATIONにサンボマスター、ACIDMANに坂本龍一さんと今の大河ドラマ『いだてん』の主題歌と音楽を担当されている大友良英さんが2人で演奏するというここでしか見れないものもあり、むしろそこまでロックを知らないという方でも知っているアーティストの方が2日目に多く集中していますし、まだ2日目には追加アーティストの発表があるそうなので、2日目もソールドアウトする可能性は大いにあり得るはずです。
ただ、これは僕自身思ったことなのですが・・・正直、1日目だけでもソールドアウトしたことの方が驚きなのです。
ロックファンから見れば明らかにいいアーティストが揃っていて、むしろ売り切れて当たりまえでしょ?と思うかもしれませんが、このフェス(イベント)、他のフェスと趣旨が大きく異なるのです。
というわけで長くなりましたが、今回はこのNO NUKESについての紹介と、なぜ売り切れたことに対して驚いているかということについて書いていきます。
NO NUKESとは
NO NUKESとは、2012年から開催されているロックイベント(フェス)です。
発起人、旗振り役となったのは日本を代表するアーティストの坂本龍一さん。
そして、このイベントのタイトルであり、テーマ・メッセージとなっているのが
『脱原発』
2011年3月に起こった福島第一原子力発電所の事故。
それをきっかけに、多くの日本人が原子力発電というものに対して一度は関心を向けたかと思います。
その原子力発電、ひいては原子力というものの在り方に疑問を呈し、完全にコントロールすることも出来ない、放射性廃棄物も処理することが出来ない等、原子力の在り方そのものを考え、今の現実を自分自身で疑問を持って考えてもらう。
そのようなメッセージが本イベントには込められています。
このメッセージと、発起人である坂本龍一さんのラブコールにより呼ばれるアーティストは数多くおり、ASIAN KUNG-FU GENERATION、斉藤和義、the HIATUS、BRAHMAN、ACIDMAN、NAMBA69等は常連であり、過去には海外からKraftwerkがこのために来日することや、日本からはあの山崎まさよしや岡村靖幸も出演する等、ジャンルを問わず様々なところからアーティストが呼ばれています。
また、いわゆるミュージシャンだけでなく、過去には華道家や能楽師等も参加しており、様々な方面からの”アーティスト”と呼ばれる方が出演するなど、一概に音楽フェスとは呼べない点も特徴の一つです。
また、このフェスにはもう一つの目的があります。
それは
『こんなフェスが早くなくなればいい』
ということです。
元々、社会に対し疑問を呈するというのは、こうなればいいという願望が前提にあります。
このイベントも、原子力に頼らない世界が実現しすればいいという思いがあってから始まったイベントであり、これが終わらないということは、まだ世界がそうなっていないということの証明でもあります。
そのため出演者や、坂本龍一さんも常にこのイベントのMCで「早くこんなフェスなくなればいい」「また開催されることが残念」という言葉をよく口にしています。
このフェスが売り切れたことに対する思い
ここから先は、僕の今回の思いになります。
まだ2日目が売り切れてないとはいえ、1日だけでも売り切れたということが僕はとても驚きました。
というのも、このフェス自体、いわゆる政治色が強いイベントなのは言うまでもないでしょう。
また、これも日本人ならわかるかと思いますが、日本では政治についてものを言うのがタブーのような空気感となっています。
(個人的に言えばそんな風潮F〇ck!なんだけど今回はスルーで)
そのため、政治色の強いものを敬遠する傾向にあると思いますし、実際、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのGotchさんがいつかのこのイベントのMC中に言っていたことなのですが
「NO NUKESとタイトルにあるだけでチケットが売れない」
とあるそうなのです。
事実、これまで開催されてきた本イベントでもチケットが売り切れになるという事はそんなに多いことではなく、このイベントを開催している会場を普通にワンマンでソールドアウト出来るバンドが数多くいるにもかかわらず、売り切れにならないという事の方がむしろほとんどなのです。
そのため、今回1日でも売り切れになったという事に僕は大変驚きました。
メンツが良いからというのはもちろん一番の理由でしょうが、ただ、こんな政治色が強いイベントだからといって敬遠することなく、純粋に好きなバンドがいっぱいいるから楽しもうという方が多いからこその結果だと思うのです。
もちろん参加するからといって原発の知識なんかなくても全然かまいませんし、僕自身何度かこのNO NUKESには参加していますが、ガッチガチに政治色が強いイベントというわけではなく、合間合間に映像が入るというものであり、またその映像に出演している方の内容や話も原発に賛成・反対を通り越して聞く価値は大いにありますし、それを聞いて自分でどう消化していくかはその方によりますが、ただその問題を考えるきっかけとしてこのイベントはとても良い入り口だと思っています。
ただ、このイベントに参加するからといって、参加する人はもちろん、アーティストすらも少し偏見の目で見るのはやめていただきたいな、というのが僕の実の思いだったりします。
じゃあ電気どうすんだ、電気使ってるミュージシャンが偉そうなこと言うんじゃねぇ。みたいな発言や風潮あるかもしれませんが、だからこそそこを考えるいい機会じゃないか。電気の作り方を、こういう機会だからみんなで議論していけばいいんじゃないかとと言いたいのです。
このイベントの常連であるACIDMANのボーカルの大木さんがMCで度々言っている言葉を使わせていただくと、ミュージシャンが綺麗事を言わないで誰が言うんだ。って話ですよ。
そもそも、ミュージシャンだって一個人ですし、これに参加したからといって、その後の活動に影響が出るなんてことまずないです。
そうだとしたら、発起人の坂本龍一さんは今頃テレビからも出禁なはずです(笑)
また、正直言わせていただくと、このイベントに出る、もっと言うと政治や社会に絡むだけで偏見の目を向けるファンなんていうのが、僕からするとあんた本当に好きなの?と言いたくなるんですよ。
その人だって言いたいことがあるから参加してるんでしょうし、大体、その人がそうしたからって、曲が悪くなるわけではないですし、そもそもその人がそうしたからってお前の人生には関係ねーじゃねぇか!って話ですよ。
だからこそ、このイベントに参加するからと言って偏見の目を向けないでほしい。というのが個人的に一番願っている事なのです。
昔は色々社会問題に対するイベントというのが数多くありましたが、今や日本で社会問題をテーマに開催している音楽イベントというのは正直これ以外ない気がします。
もちろんこんなイベント早くなくなればいいんですが、また今年も開催するということはそうなってないということなんでしょうし、僕は参加して、この楽しいイベントが早く終わるように考え、音で楽しもうと思います。
それでは。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません