GIANT LOOP FES 2026 ライブレポート
それがフェスのサブタイトルになっている。遊びに来てねなどという生易しい言葉ではなく、空けとけ。そんな潔い言葉で言い切るフェスが、この日本にある。
それが、山梨を拠点に活動する、THE NO EARというハードコア・パンクバンドが主催するフェス、GIANT LOOP FESだ。
今年、初開催から12年目。回数で言えば8回目の開催となり、ここ数年は、甲府駅から歩いてすぐの舞鶴城公園の自由広場にて開催されており、このTHE NO EARの仲間たちが集うフェスとなっている。
毎年豪華なラインナップとなっているが、今年は例年以上に強力なラインナップが集結したこともあり、チケットはソールドアウトとなった。
のだが、今年は歴史上初めて、ほぼずっと、雨という悪天候に見舞われ、かつ、降り出してからはずっと降り続けるという悪天候に見舞われることとなった。
もちろん、6月という梅雨時期に開催しているということもあるが、だからといって、このフェスは開催時期をずらすことはない。それには、明確な理由がある。
THE NO EARのボーカルであるTETSUYA(以下、人物名については全て敬称略としております。)は、その昔、NOBというバンドのギターでもあった。
調べていただければわかることだが、20年以上前、このNOBというバンドのベースボーカルであった、鎌田真輔がツアー中の事故により亡くなったのが、2004年の6月10日のことだった。
だからこそ、その追悼の意味も、このGIANT LOOP FESには込められているため、この開催時期をずらすことはできないのだ。
更にラインナップも、NOBと親交がある仲間たちを呼んだ同窓会チックなものとなっているが、出演しているバンドのほぼ大半が、現役でライブハウスシーンの最前線で活躍し、フロアを沸かしに沸かしている百戦錬磨のバンドたちばかりであるため、切れ味や爆発力という意味では、今の方が明らかにパワーがあるバンドばかりだ。
ただ、ずらさない理由は今触れたとおりだが、それでもこれまで、6月という梅雨時期に、そんなに悪天候に見舞われることはなかったのだが、ではなぜ、今年こんなに降ったのかというと、雨バンドと呼ばれているlocofrankとG-FREAK FACTORYが揃ってしまったからと多くの人が言っていたが、ただ、実際前日前々日、そしてこのフェスの翌日は晴れどころか、猛暑日である。
さらにそれだけでなく、後程触れるが、雨が降り出した時に出演したバンドと、雨脚が強くなりだした時間帯に出演していたバンドというのが・・・ということから、あながち間違っていなかったのかもしれない。
しかし、逆に雨に降られたからこそ、一体感が増した感覚があったと、THE NO EARのライブ中、ボーカルのTETSUYAはMCでそう語っていたが、実際この過酷な環境下で共に音楽で遊んできた者たち同士だからこそ、そう思うのも無理はない。
そしてその一体感というのは、あんまり雨に打たせるのも申し訳ないという想いが全バンド共通していたからなのかもしれないが、結論から話すと、この日、本来の終演予定時刻は、アンコールも込みで、おそらく当初は16時45分ごろを見込んでいたのかもしれない。
だが、なんとまさかの、16時過ぎに終わるという、ロックフェスでも類を見ないほど、巻きに巻いて終わったのだ。これは本当に、一ファンとしてもありがたいところであり、押すより巻いて終わる方が、誰にとっても嬉しいものだ。
だが、だからといって、全バンド曲数を削ったかというと、決してそうではなく、時間通りちゃんとやっていたし、一バンドあたりのボリュームもしっかりとあった。
むしろ、巻きに巻きすぎて、結果後の方に出るバンドのほとんどが、曲数を急遽増やすことになるという、他のフェスで見たことがない状況となっていた。
山梨の奇祭、とも呼ばれているこのフェスだが、その実、熱量と愛と、今は遠くにいる大切な友人への想いが明確に露になっていた、そんな一日を簡単ではあるが、レポートをしていく。
会場に入ると、甲府城の石垣が目の前にどんとそびえ立つ、他にはない光景であるのはもちろんのこと、いわゆるフェス飯も、一般的なフェス飯とは異なり、この山梨に実際あるお店のみが軒を連ねており、その中には、先程触れたTHE NO EARのボーカルのTETSUYAがやっている、富士見食堂 Diagoという居酒屋も出店しており、この日はカレーを出していた。
ちなみにTETSUYA本人が前日にXで、店を5日休んでやってるから本当に死活問題だからカレーとお酒いっぱい買って!とお願いしたところ、フェスの終わりには完売となっていたこともここに記しておく。
そんな主催者として慌ただしく行っている中でステージにTETSUYAが登場すると、諸注意を言い、かつ、今日は雨降らすつもりはないけど、降ったらカッパするか、濡れるかという二択を伝えたうえで、最後まで楽しんでください!と言い残したうえで、トップバッターとして登場したのは、山梨のローカル日本語メロディックバンド、STANDBACK。
楽しんで帰ってってくださいと伝えた後、新曲であるRAYからライブをスタートさせる。
本日のラインナップ的に、日本語で歌うバンドの方が少ないことや、メロディックパンクで日本語というと、このSTANDBACKだけになる。
もちろんフロアも、初めて見る人が多い印象ではあったが、それでもボーカルギターの魁が煽れば、ちゃんと上がる。わかっているフロアだ。
今日ここに立っているが、もしかしたらここに立ってるのは俺たちじゃなかったかもしれない。甲府のバンドがたくさんいて、今日スタッフTシャツを着ている若いボランティアスタッフが、みんなこの地元のバンドマンだと、地元バンド代表だからこそ、ここに立てていることが特別なことだと感慨深そうに魁は語り、このGIANT LOOPに立ちたいからこそ、バンドも6年ぶりに集まった。ここに立たせてくれてありがとうと感謝を伝えると、フロアからは拍手が起こる。
これからもバンドを続けます。ジャイアントループも続いていくから、繋いでいこうと、みんなの勇気の歌と、ブレイブストーリーを最後に演奏し終え、ステージを後にした。
そしてここから、いわゆる同窓会バンドゾーンへと入っていく。
次に登場したのは、GIANT LOOP FESには久しぶりの出演となったATATA。
今日朝5時起きで来ましたみんなも早起きしてきたんでしょとボーカルの奈部川の語りから、Star Soldierが始まると、フロアも後押しするかのようにコーラスラインを歌い、久しぶりのATATAの出演を後押しする。
最後には薪をくべて火の粉が今、甲府に舞うと、歌詞の一部を変えるというニクいやり方に、思わず歓声が上がる。
GIANT LOOPに出演するのは久しぶりで、最後に出たのは崖の頃と、この舞鶴城公園の前の開催地であった神金村でやっていた頃について触れ、あれも懐かしいし恋しかったけど、こんないい場所があってよかったと語る。
そうしてGIANT LOOPとTHE NO EARとの思い出をポツポツと語りつつも、来年も開催できるかどうかはわからない。今年次第だと、当たり前は当たり前でないことを語り、参加する側もこのフェスを作り上げているんだという気持ちを持たせるかのように、Song Of Joyをプレイし、最後に、この後はlocofrankと言ったうえで、雨が降りませんようにという願いを込め、一本締めを全員で行ったうえで、2021をおまけのようにもう一曲ドロップしてから、locofrankへバトンを渡した。
しかし、そんな奈部川の想いをあざ笑うかのように、雨が降り出す。そして次に登場するバンドはというと・・・というところで、フロアも確信した。
locofrank、どんだけ雨バンドやねん、と。
もうこの時点で10分ほど時間が巻いていたのだが、サウンドチェックの段階からメンバーが全員登場しており、フロアにどうする?と尋ねたところ、やろうぜという声に応え、10分巻きでSEもなくreasonからスタートすると、雨が降っていることなんて関係ないくらい、モッシュとダイブが巻き起こる。
さらにその熱を止めないかのように、Returningへと間髪入れずに入る。
そうしてラストのサビの直前、急に演奏を止めたのだが、なんとドラムのスネアが破れるというハプニングにより、演奏が一時中断となる。
そんなハプニングがあったため、よかった10分巻きで始めて。こんな楽しいGIANT LOOP初めてやわと、ボーカルの木下正行が笑いながら話している間に、スネアの修理が終わる。
しかし、時間がまだあるからこそ、頭からもう一回やるわと宣言し、もう一度reasonから再度ライブをスタートという大奮発っぷりに、フロアの熱は頂点に達する。
フェスでまさか頭からやり直しするなんて、少なくとも筆者は初めて見たが、これもGIANT LOOPならではだろう。
いやーこれは恵みの雨だわー。絶好調だわーと、雨バンドの本領発揮っぷりをジョーク交じりで語りつつ、先ほどATATAも言ってたけど、来年もできるかはみんなにかかってる。ゴミ捨てんなケガすんな喧嘩すんな痴漢すんな。痴漢したら〇すぞばかたれが!と言えば、待ってましたと言わんばかりに歓声が上がる。
そのうえで、今は離れていて、遠くにいるあいつも、幸せでいてほしいという願いを込め、HAPPYを演奏する。
空は曇天だが、間違いなく、NOBの鎌田に届いたはずだろう。だからこそスネアが破れたのかもしれないが。
そんなまたなという気持ちからのSee You、そしてラストにはSTARTと、30分の中でlocofrankの持つ良さを、十二分に見せつけ、ステージを後にした。
そんな雨が降ってきた中だが、少しだけ雨脚が弱まった気がしていた。そんな雨を止ませる存在として登場したのが、OVER ARM THROWだ。
サウンドチェックとしてThanksを鳴らした段階から、フロア中手も上がり、全員が笑顔になる。さらにその流れのまま本編に突入し、Honey Baby Surfer-Girlから始まり、Now or Never、Polestarと続ければ、もうこの空間は幸せそのもの。カラッとしつつも、どこか泣けてくる爽やかなメロディックサウンドは、この会場にいる人みんなの大好物であり、足元がどうとか関係がないほど、フロアもダイブモッシュが止まらない。
先程少し触れた雨を止ませるという話から、去年は違うライブがあって出れなかったが、この日のことを思っていたと、ベースの鈴野洋平は口にしつつ、今日のラインナップの年齢層がおかしくなってる。さすがにそろそろどうにかしなきゃみんなおじいちゃんになっていくからなんとかしないといけないと思いつつも、でもこんな同窓会みたいなことを、この時にやることに意味があるんだと口にすると、フロアからは拍手が沸き起こる。
こうやって、忘れないというか、繋いでいくこともそうだけど、乗り越えていこうと伝え、このまま熱い曲に入るかと思いきや、でどうしよう?といった話になり、じゃあもう一曲追加しようということで、空に虹を作るために、急遽S.O.Gを追加する。
その後もDear my songsやLet me believeなど、持ち味である美しいサウンドを次々ドロップしていき、ラストにはOVER ARM THROWが持つテーマの一つに、時間をかけてなっていった歌、All right, all wrongでダイブ渋滞が起きるほどの盛り上がりを見せ、バッチリ完璧に締めくくった。
そんな美しいサウンドが終わってすぐ、今日出るバンドの中で最もと言っていいほど、ヘビーで、極悪なギターサウンドが響く。GIANT LOOP初出演となる、SHADOWSのライブが始まる合図だ。
今日ストンピンいるからさ、この中入ってきちゃいなよと、ギターのKazukiが言うと、ファンが柵前にどんどん入っていき、フロアとステージの距離を0にしたうえで、Further Awayから始めると、次々ファンがステージダイブをしていき、立て続けにSensesをやれば、ステージダイブだけでなくテコンドーモッシュも生まれる。ハードコアやパンク、メタルなど、様々な要素がミックスしているサウンドは、今日唯一無二の存在感を示す。
はじめましてSHADOWSです。GIANT LOOP初めて呼んでくれてありがとうございますとボーカルのHiroが簡潔に言った後、今日は、出れて嬉しいです。僕たちは10年一生懸命やってきて、目の前のお客さんたちのために一生懸命やってきて、今日ここに立てて嬉しいです!とギターのKazukiが新人バンドっぽく言うも、フロアからはそんなこと思ってねぇだろ!といったヤジが飛ぶのも、日ごろの行いか。
そんな中でdustboxのJOJIがテキーラを持ってきた後、バンドメンバー全員と主催のTETSUYA、そして持ってきただけなのに半ば強制的にJOJIも飲まされてから始まったNo More Tequilaや、サークルピットと煽り始まったTIMELINES、みんな好きなように踊ってくださいという、イベントで披露するのは珍しいミドルテンポのDRIFTINGで、少しエモーショナルな終わり方をするのかと思っていると、ラストにはそんなもんじゃねぇだろと言わんばかりに、ショートでファストなAll I Wantを叩き込み、初登場ながらも、来年もまた出てほしいと思わざるを得ない、強烈なライブを見せつけた。
ここまで書いてきたが、正直言うと、雨は体感として、小振り程度だったが、このバンドのライブ中から、本降りになってきた。
そのバンドとはそう。もう一つの雨バンドであり、山梨GIANT LOOP FES初登場となる、同じくローカルバンド、群馬のG-FREAK FACTORY。
Too oLD To KNoWからスタートし、ローカルバンドの最高傑作。THE NO EARの儀によって初出演。群馬のG-FREAK FACTORYだと言い切った後、SOMATO、REAL SIGNにへと入っていけば、フロアも手拍子やダイブでG-FREAK FACTORYの初出演を盛り上げていく。
今回初めてやって来たこのGIANT LOOP、甲府という街だが、ここは群馬に似てるとこぼし、8県しかない海無し県で、地元背負って、意地張ってやってきているTHE NO EARと同じ境遇だからこその想いを口にしたうえで、今日こうしてここにやって来た、この雨バンド。そうあの、キングオブ雨バンドと、自分たちのことを言っているのかそれともlocofrankのことを言っているのかわからなかったが、一言もらいましょうとボーカルの茂木の宣言から、袖にいるlocofrankの木下を呼び出す。
そのうえで、いやこれ、どないなっとんねんと一言もらって帰るかと思っていると、チャンダンの香るこの部屋から~第二章~を一部だけ演奏するのだが、そのまま木下はステージに残り、ライブ中の茂木の後ろをついて踊るだけという、他のフェスでやったら絶対に怒られるくらいのふざけっぷりを見せる。
そして、体感的に本当にこの辺りから、雨脚が強くなってきたと思う。やっぱりこの2バンド、混ぜるな危険だ。
あの神の雨バンド。農林水産省から勲章もらっていいとまたジョークをこぼした後、最後に平和の歌をと、ダディ・ダーリンを鳴らす。戦争反対。みんなの上に青空が広がってますようにという願いを口にしたうえで、会場内にいる子供、ここに来いとステージに招くと、茂木の隣に数人の子供が立つ。
この子供に大人見せてやれ!と、ライブハウスの、ロックバンドのライブの楽しみ方を見せたうえで、演奏終了後子供たちに、ダイブして戻るように伝えるが、少し怖がっている子供たちに対し、大丈夫、大人を信じろと優しく諭すと、覚悟を決めてダイブをする。
そして、その子供たちを落とさないよう大人が支え、親のところにまで無事、その子供たちは戻っていった。
そんな感動的なステージが終わったのが、13時30分ごろ。この時点で、30分ほどもうすでに巻いていた。そんな中でSTOMPIN’BIRDのライブが始まるが、ベースのYASUがおいここにバンドやってるやついるかとステージ上から尋ね、俺は地元のバンドと対バンしてぇんだよと叫ぶと、ボランティアスタッフとして動いていたバンドマンがスタッフTシャツを脱ぎ、全員上半身裸でライブをする。
のだが、おそらく全て同じ曲だったと思うのだが、逆にそれで覚えたのか、その地元バンドの演奏が終わった後、ギターボーカルのTOMがすぐに耳コピして1フレーズ歌っていた姿が印象的だった。
地元バンドのライブが終わり、メンバーがステージに戻るが、始める前に、先ほどSHADOWSがやったようにフロアとステージの間隔を0にしたうえで、これよくストンピン方式って言われるけどそうじゃなくて、ライブハウス方式だから!とYASUが言ったうえで、I Love Meからライブに入ると、ライブハウスの遊び方を、このフェスでも行う。
更に、奇しくもこの日、YASUのちょうど50歳の誕生日でもあった。
だからか、その誕生日をお祝いしようと、ファンがステージダイブをしてきたと思いきや、持ってきたお誕生日の人向けのアイテムを次々YASUにかぶせていく。一般的な夏フェス好きな人から見たら衝撃的な光景だが、これが許されるのがSTOMPIN’BIRDの良さなのだろう。
ちなみに個人的に一番爆笑し、思わずバカだな~と言ってしまったのが、日本一の幸せ者と書かれたタスキをファンがかぶせたところだった。雨の中で何持ってきてんだい。
そんなYASUも誕生日で50歳になり、娘からもおかしいと言われると話すが、さっきOVER ARM THROWが乗り越えるって言ってたけど、そうじゃなくて俺は、引き連れていくだと思うと自分の考えを口にし、毎日ずっといいことなんてなくて、嫌なことも辛いことも苦しいことも全て引き連れて、それでも進んでいくんだと語り、そのうえで、会場の外の、舞鶴城公園の石垣の方から見ている子供たちに向けて、これが売れてないバンドだぞ!これをしなけりゃ成功する確率は上がる!と、悪いバンドの見本だと自分たちのことを言うが、ただ、実際売れてはないかもしれないが、それでも言わせていただくと、こんなにバンドマンに刺さるバンドも、そうはいないでしょうよと言いたい。
そのうえで、隣にいるやつと手つなげと指示を出し、ヌルヌルしてるだろうけどあったけぇだろ?俺はSNSでもネットでもリアルでも、あったかさがあればそれは本物だと思ってると口にしたうえで、Ready to Rock?やBrandNew Worldなどにつなげていく。
さらにTOMのサプライズで、ハッピーバースデーの歌をYASUに向けて歌った後に、乾杯!という言葉から始まったCheersなど、次々演奏する中で、途中YASUは隣のステージにまで移動してベースを弾くが、サウンドチェックをしていたこの後出てくるdustboxのベースのJOJIも、ベースを持ったうえでYASUのプレイを一緒に動いて真似をしていたのだが、こんなおふざけが許されるのも、ならではだろう。
ちなみにこれはdustbox側のステージで見ていたから言うが、JOJIはその後、音は鳴っていないが、演奏していた楽曲をコピーしていたということも記しておく。
そして最後には、生きる力と書いて、STOMPIN’BIRDと自らを公言したうえで放ったBrave songで、YASU50歳の誕生日のライブを盛大に締めくくった。
時間がまだあるからということで、Not Overをリハがてら鳴らしたうえで、この日唯一、SEであるNew Cosmosをちゃんと鳴らして登場したdustbox。
SEが鳴り終え、ボーカルのSugaが歌う、「Let me cry again」で、一斉にフロアからリフトが発生する。
その様を見て、雨なんて関係ねぇよな!と問いかけそれに応える形でフロアも歓声を上げ、dustbox始めますという言葉からJupiterが始まれば、本降りの雨でもなんのその。いつも通りのライブハウスの光景が広がる。
フェスでは少し珍しいResistanceや、サポートドラムのShunの2カウントから、フロアの4カウントの声とともに始まったBitter Sweetなど、休む暇は与えない。けれどdustboxの持つ抜群のメロディに、フロア中手が上がってしまうのだから、これはもう、魔法だろう。
フロアからの愛あるヤジに対し、早くやったら終わっちゃうんだよとJOJIは口にしたが、そもそもサウンドチェックの時点ですでに一曲多くやっているのだが、さらにここでもう一曲増やすかという話になり、急遽その場で一曲増やすことを決めた。
そして追加した一曲のイントロを引き始めると、フロアのモッシュピットが拡大する。
というのも、選んだ曲はなんとまさかの、locofrankのSTARTであり、さらにlocofrankの木下と森が登場し歌うわ弾くわのお祭り騒ぎがステージで繰り広げられているのだから、この日2回目のSTARTであっても、盛り上がらないわけがない。
そのテンション感のまま、SHADOWSのメンバーがテキーラを持ってステージに現れ、原曲の方のNo More Tequilaから巨大なサークルピットが生まれたHurdle Raceなどを披露した後、最後に、この曲が歌えて嬉しい。6月だから。やる理由をいつもくれてありがとうと、GIANT LOOP FESへの感謝を口にしたうえで、NOBの鎌田に向けて作った楽曲、Shine Brightを想いを込めて捧げた。
3年連続で、トリ前に登場することになったのは、THE NO EARが所属するレーベルであるIKKI NOT DEADを代表するバンド、HAWAIIAN6。
時間あるから一曲増やすわと、ドラムのHATANOの言葉から急遽Brand New Dawnを追加したうえで、HAWAIIAN6始めますとTHE LIGHTNINGからスタートし、合いの手のような掛け声もばっちり決まるHaze、全員が手を挙げたMagicと、さすがの盛り上がりを見せる。
SNSだと、ロック社会がなんだどうだと言われてる中で俺たちは、そのルールを今日も破っていこうと思いますとHATANOは口にしたが、その理由は、ここはライブハウスだから、愛とマナーで今日もやりましょうと、ライブハウスに足繫く通うお客だからこそ、何も言わずともわかるだろうという絶対の信頼を寄せたうえで、炎上ってあるけどさ、炎上って、燃え上がるってことだろ?俺らも燃え上がりたいんだよな。だからいつも通り上がってきていいぞと口にしたうえでBurnを投下すれば、ファンも次々ステージに上がり、HATANOに一礼したうえでシンバルを鳴らして戻っていく。SNSで言われているロック社会のルールではなく、ライブハウスの世界の空気、愛とマナーで成り立つ阿吽の呼吸の世界がここには広がっている。
この後はIKKI NOT DEADの問題児ことTHE NO EARのライブがあるということに触れつつ、色んなフェスがあるけど、このフェスはこうやって自分の仲間たちを地元に集めてやっていて、THE NO EARは仕事しながらこのフェスを作っていることを話し、前まではライブをしていい音楽やって打ち明けやってそれで楽しかったし、それが全てだったけれど、この年齢になってようやく、決して安くないチケットを、来てくれる人はどうやって買ってるのか、それをようやく考えられるようになったと、時間が経ったからこその考えを口にする。
そのうえで先ほど、G-FREAK FACTORYで子供たちを上げてたけどさ、子供に小さい扉じゃなくて、でかい扉を開けておいてあげたい。SNSで決まる社会が全てであってほしくないと、本来特に何も言われていなかったものが、SNSでどんどん言われ、それがきっかけでどんどんルールが増えていき、遊び場であったところにどんどん規制が入ってきている現状を語ったうえで、つまんないもんばっかり増えたのなら、また俺らの家族が、面白いもの作るよなと、仲間への信頼と、ライブハウス社会への願いを口にした上で、向こうの世界で全員また会おうぜという言葉から、NOBの鎌田に向けて作られた楽曲、I BELIEVEを鳴らし、トリのTHE NO EARへと熱いバトンを渡した。
そしていよいよ、トリであり、本イベントを主催するTHE NO EARのライブが始まるが、ここでまたしても、雨脚がより強くなる。しかしそんなことおかまいなしに、D.I.Y、STILL BURNINGといった楽曲からスタートすると、これを待っていたのか、血気盛んなTHE NO EARのファンはステージダイブをし、応えていく。
また、THE NO EARのスタートが、HAWAIIAN6が終わって、ほんの数分で始まったということもあってか、トイレなどに行っていた人が慌てて戻る姿も多く見られ、曲を重ねるごとにフロアに人も増えていき、結果的には大勢の人がステージを見届けることになった。
さらにそれだけでなく、ステージ袖には、今日出たバンドマンも多く詰めかけており、これだけで、このフェスはいいフェスなんだなと、筆者は確信を持った。
12年で8回やって、ここまで雨が降ったのは初めてで、天気が悪いときの運営方法の大変さを否が応でも痛感したと、ドラムのAmemiyaは語り、locofrankとG-FREAK FACTORYがいたらこうなるんだということ笑いながら語るも、今日出てくれたバンドやスタッフのみんなへの感謝を口にする。
そうしてMCのバトンがボーカルのTETSUYAに変わると、もう笑っちまうよなここまできたらと語り、逆にこの方が一体感ある気がしてくるよと語った後、また嫌な月曜がやってくるという言葉からのI HATE MONDAY、この山梨のことを歌ったTHIS TOWN IS DEAD TOWNなど、抒情的なハードコアサウンドの楽曲で、主催に相応しいライブを全力で行っていく。
先にも触れたが、今年12年目の8回目ということだが、去年すごく嬉しいことがあったと語りだし、誰とは言わなかったが、2人の先輩から、いいイベントだったって言ってもらったということがあったと語り、俺たちの街に仲間を呼んでやっていることと、山梨という街。それが認められた気がしたと、TETSUYAは嬉しそうに語った。
そのうえで、また来年もやるから、6月の土曜全部空けとけと、来年の開催を約束したうえで、CALLING、BAD BRAIN , GOOD BEERと畳みかけると、今日サポートで入ってくれたギターへの感謝を伝えたうえで、進化の歌、10YEARS REVOLUTIONで、ラストを締めくくった。
しかし、すぐさまフロアからのワンモア!というアンコールを求める声に早々にステージに戻ると、最後の曲をやる前に、この曲は今日サポートしてくれたギターの子じゃ弾けないからということで、急遽サポートに入ったのは、locofrankの森だ。
ただ、実際今日のlocofrankの機材トラブルや、この本降りの雨など、一連の悪天候やハプニングについて、誰が言ったか、通称、鎌田ってるという、謎の現象が起きていたのだが、それが逆に、なんか近くにいるんだなって、本当に来てるんだなって感じるよと、元メンバーが本当に来ていることを、TETSUYAは感慨深そうに口にした。
そのうえで、今日一番楽しんでた人ということで、locofrankの木下も呼び込むと、スタッフや出演者、来てくれた人、THE NO EAR全員に、お疲れ様でした。と丁寧に頭を下げるが、すぐさま口調を荒げ、おい森が弾くぞ上から見とけばかたれが!と、来ているであろう鎌田に向けて言い放ったうえで、昨年もアンコールで披露した、かつてTETSUYAが在籍し、そして、今日出演した多くのバンドマンが口にしていた鎌田がいたバンド、NOBの曲であるThis is a song for youをラストにプレイすると、当時を知るNOBのファンも次々とダイブをしていく。
最後の一音が鳴りやんだ瞬間、ありがとうございました、GIANT LOOP FESでした!と、大変な状況ではあったものの、今年のGIANT LOOP FESも、無事に大成功に終わることができた。
今回、初めてこのGIANT LOOP FESに足を運んでみたが、本当にいい意味で、地元密着のローカルフェスであり、どこか大きい会社が入っていない、地元の人たちの手で作り上げたロックフェスだと感じた。
だからこそ、ルールでガチガチに固めることがないどころか、サイトを見ていただければ、諸注意などない。本当に出るバンドとタイムテーブル、どこでチケットを買うかしか書いていない。それほど簡素ということは、それはつまり、ライブハウスの遊び方がわかっている人間なら、なにも言わなくてもわかってるよね?と委ねられているようなものだろう。
昨今、フェスのルールがあれこれ増えていく中で、こちら側に委ねられるそんなフェス、好きじゃないわけがない。
だからこそ、来年もその先も、ずっとこのルールで続いていっていけばいいと、心の底から願っている。
そして、来年も6月の土曜、今から全部空けとけとステージ上で言われたのだ。来年はぜひ、青空の下のGIANT LOOP FESを楽しみたいと思っているため、最後はこう締めくくらせていただきたい。

















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